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44話モブとギャル

「や、おっはよー宮田クン!」


「おはよう立原さん」


ギャルい見た目もそろそろ慣れてきた。現実世界の立原さんは今日もダルメシアン柄のモコモコしたジャケットに派手な色白ギャルメイク。


「あ、ネイル変わってる」


「わかる?!見て!ドラゴンにしてもらっちゃった」


中指にピンクの愛らしい龍のパーツ。


「はは…立原さんらしいね」


「ね、これからどうする?」


「何が?」


「きまってるぢゃん、異世界ギャル王国!」


「あぁ…国政も安定してきたし貴族たちの件も解決したしね。このまま行けば豊かな国になりそう」


「そして王子様とお姫様はいつまでも幸せに暮らしましたとさ…って?」


「ははっそうだね。御伽噺みたいだ」


と、立原さんが足を止める。


「どうしたの?」


「……ね、宮田クンが王子様になってよ」


青空の下、両手を後ろで組んで悪戯っぽく笑う立原さん。


言葉の意味をだんだんと理解し頬が紅潮していく。


「…お、王子様って…ッや、やだなぁ立原さん。またからかってるんでしょ?」


最初の頃、ドラギアスの嫁に〜なんてふざけたこと言ってたしなぁ…


「からかってないよ。宮田クンは、ずっと前からあーしの王子様。


白馬に跨って現れて…アタシの心を奪っていった」


「…なんの、話?」


まさか、そんな。立原さんが俺のこと───


立原さんは駆け寄ってきたかと思うと俺の両手をとる。


「ッ…」


手を伸ばせばすぐ届きそうな胸元。息がかかるほどの距離。綺麗な青い瞳から目が離せない。


ち、近───ッ


「あっ…立原さ」


「なーんちゃって!」


え?


「宮田王子はウブで可愛いなぁ〜」


鼻先をちょんっと触られた途端体中が熱くなるほどの恥じらいを感じる。


このギャルめ!!ちょっと信じた俺が馬鹿だった!


「怒った?」


「別に!もうやめてよね俺のこと揶揄ったり嘘つくの。ビックリするし」


「冗談じゃないかもしれないよ〜?」


ペタペタと肩を触られてドキッと跳ねる心臓。


ど、どっちなんだ…?…いやいやっ俺もいちいち反応してんじゃねぇ。やられっぱなしも…ムカつくし


「あ、そぅ。なら今日のいちごフェアいくのやめようかな」


「あっそう来たか〜それは困っちゃうなぁ」


ふふん…少しは困れ困れ


「じゃぁさ…」


立原さんに腕を引かれ、耳元でコソコソ。俺の心臓は再度鷲掴みにされ唸りながら俯く羽目になるのだった。


異世界転生をキッカケにモブとギャルが結ばれるなんて御伽噺───


"ギャル王国完成したら宮田クンを私に下さい"




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