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43話レティナの決意

貴族を牛耳っていた元王族である父親が捕らえられたレティナ。


豚野郎などと嫌っていたようだがそれでも身内。情けなさと失望、怒りと共に喪失感もあるだろう。


という訳で───


「レティナを元気付ける会!第して、珍獣パラダイス!」


晩餐会の如く並ぶ豪華な料理。どれもレティナが好きな食べ物だ。そして極めつけは───


「レティ!このブドウジュース超オススメ!飲んで飲んで!ぐぃっとぉ!」


珍獣ドラギアスのお酌である。


いやレティナめっちゃ顔怖いけど?!大丈夫かこれ?!傷口に塩塗ってないか?!


「あの。このふざけた会は一体…」


「ン?お前が元気ねーからさ、ミヤタが気ぃ聞かせてくれたんだよ」


「おぃこら本人の前で堂々と嘘つくな」


「元気が…?別に落ち込んでなんて居ませんが」


「まぁま、照れなくてイイぢゃーん!それよりレティ、アタシにして欲しいことある?1個だけ言うこときいたげる〜」


ぱぁっとレティナの目が輝く。彼女は割と分かりやすい。


「…なんでもですか?」


「いよ〜ん。なんでもしたげる〜」


ぴーすぴーす。呑気なブイサインだ。


「そ…それでは……」


◾︎◾︎◾︎


「わぁああっ…すっすごい…あっ、あっ…このごつごつ…たまりませぇんっ」


「そんなにぃ?まぁ好きなだけ触りたまえ」


うーん…会話だけ聞くと物凄くセンシティブだ。


実際はドラギアスの肩やら跳ねやらをレティナがマッサージしているだけなのだが。


レティナのお願いは鱗や羽に触らせて欲しいとのことだった。珍獣好きの彼女らしい。


「そ…そんなにいいの?」


「え……えぇ…冷たく重厚で…それでいて強く滑らか。そしてこの艷めく漆黒の肌!はぁん…まさか直接触れる日が来るとは思いませんでした…」


じゅるり。涎を飲み込みながらドラギアスの体を触りまくるレティナ。前々から分かってはいたが変わった子である。


「ミヤタ様ァ。その、よかったら…わたくしにもミヤタ様の肩を解させてくださいませんこと?」


「マリアさんずるいです!私の方がマッサージは上手いですよ。ミヤタ様。是非私から極上のマッサージを…」


「マリアとアイシェルの非力じゃ主の疲れを癒せる訳がねぇよ。アタイがマッサージする」


「フンッ……フンッ」


やる気満々に頷くハンナ。


「フン…ミヤタ様に触れたいという下心か丸見えだ。女どもめ。ここは僕の歌声でミヤタ様を癒す」


「お黙りなさい天使モドキ!」


「羽付きクソガキ野郎」


「ッ!よくも天使を愚弄したな?!厳罰に処す!」


俺を間に挟み喧嘩し始める元奴隷達。


全く…異世界ものでよくある愛され主人公には憧れあったけど、実際されると騒がしいもんだな。しかも俺がチヤホヤされると立原さんの機嫌が悪くなるんだよなぁ…


「はいもう喧嘩しない。みんな俺の事を思ってくれるのは嬉しいけどそれで争われると悲しいよ。


今日はレティナのための食事会なんだから…ね?」


「なんてお優しい…はい。申し訳ございませんミヤタ様」


アイシェルを筆頭に騒いでいたメイド達も天使も席に戻る。


世話がやける…ってなんでもっと不機嫌?!


竜王ドラギアスの頬はパンパンになるほど膨れ上がっていた。


レティナを元気付けるためという名目で行われた食事会は程なく終わりを迎える。


元気づけられたかどうか微妙だけどな…


「あの皆さん…本日はありがとうございました」


食器を片付けていた所で、レティナが立ち上がる。


「最後までクソ野郎だったとはいえ実の父。不甲斐なさと悲しさで落ち込んでいたのは事実です。


ですが、父の犯した罪をここに居る皆さんと修復し、人生をもって償っていくのが私の使命だと思っています。


この国を、どこの国よりも良い所にし父に見せてやりたいです。それが私に出来る最低で最良の親孝行だと思いますので」


強く煌めく桜色の瞳。健気で真っ直ぐな思いに、俺の胸が脈打ち感動を覚える。


「ウンウンっレティならできるよ!!一緒に作るぞギャル王国ー!ね、宮田クン!」


「うん!誰もが笑顔で過ごせる国、ギャル王国…一緒に頑張ろう!」


ギャル竜王とモブ兵士から始まった国政改革。


誰もがアゲ⤴︎︎︎で過ごせる国造りはまだ始まったばかり───



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