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42話希望の兆し

俺と立原さんが一日毎に異世界転生するようになってからはやくも2ヶ月が過ぎた。


王族、貴族によって富を奪われていた元ジュラ国は大分景気回復しつつある。


貴族たちの広大な土地にピクルス工場、缶詰工場、酪農工場を建設し元奴隷や手に職のない国民たちが働き手となって稼働。


元々農作物の質が高かったこともあり売上も上々。


そして───


「おぉっミヤタ様!」


「おはよう村長。ナポの実の様子はどう?」


「順調です。風を水に変えるという不思議な機械のお陰であと2週間もすれば大収穫でございます」


この村は干ばつと重税により崩壊寸前だったが食糧配給を行ったのが幸を奏し、皆以前より顔色がよさそうだ。


「よかった。ちなみにナポの実ってどんな味がするの?」


「おや、口にされたことないとは珍しい。おひとついかがですか?」


「あ…すみませんどうも」


村長が持ってきたのはヘタつきの赤い実───


「イチゴぢゃん」


ひょこ、俺の背後から顔を出す竜王ドラギアス。未だに黒く大きな爪に肩を掴まれるとビビってしまう。


「こ、これはこれはドラギアス様…おひとついかがですか?」


「いーの?!わーぃっいただきまーす!」


「さ、ミヤタ様も」


「あ、うん。ありがとう」


パク


口に入れるとじゅわりと広がる甘い果汁。


まんまイチゴだ…すげー甘い。


「うんまぁあ〜!!もういっこ〜」


「だぁめ。次は収穫できそうって言っても数少ないんだから…」


「え〜…宮田クンのケチ」


「あっち帰ったらいっぱい食べれるでしょうが」


「あ!思い出した!駅前のカフェが明日からイチゴフェアやんの!行こ、宮田クン!」


「ッだから声大きいって!」


立原さんは未だ異世界であることを忘れメタな発言してくるから困る。

竜の口を上下から挟み込んで口の軽いギャルを黙らせるとする。


「ははは…ミヤタ様とドラギアス様は相変わらず仲がよろしいですなぁ」


「いやぁはは…ドラギアス王が寛大で、皆にも友人のように接して下さるのですよ…」


最初は取り繕ってたけど、それだとギャルに対するツッコミが全く追いつかん…


村長に別れを告げ次の村へと見回りに向かう。


「ナポの実…出来上がったらジャムとかジュースとか…ドライフルーツもできるかな…」


「いちごパフェは?SNS映えするヤツよくね?」


「この世界にそんなものは無い」


「え〜!絶対売れるって〜!パフェとかクレープとかパンケーキとかやろ〜ッ」


「ん〜…まぁそのうちね。単価高いから後回しかも」


「ぢゃいちごフェア一緒に行こ?」


「何が"じゃあ"なんだよ…はぁ…ン、いいよ。行こっか」


「わーぃ!」


「あっ!ミヤタ様っドラギアス王!」


息を切らし走ってきたのはメイドのアンシェルだ。


「アンシェル。どうしたの?」


「それが…ルキアとミュラが喧嘩をしていまして」


「またかぁ…」


俺と竜王は一度王宮に戻ることにした。


ミュラは元奴隷の1人。天使族なのだが───


「テメェ俺の事馬鹿にしてんだろォ?」


「馬鹿に馬鹿っていって何が悪いんだよ」


「ハ!天使様がそんなこといっていいのかよォ?堕天使クンだなァ」


「貴様っその穢れた名称で呼ぶな!」


「はいはいこれだからエリート天使様はおぼっちゃんで困るぜェ」


「これ以上僕を馬鹿にするのは許さない…人間風情が」


「おぃおぉぃやんのかァ?!」


机に足を引っ掛けるルキア。ミュラの羽が大きく開いた。


「コラコラコラ…もーお前らそこまでにしろって」


「ミヤタ!だって馬鹿ルキアの奴が…」


「この坊ちゃんが悪いんだぜェ!俺のことをサボりだとかいってホウキでぶん殴りやがって」


「皆がミヤタや王のために働いているのに貴様と言えば居眠りばかり。起こしてやったのだから感謝しろ」


「なにを!」


「ハイハイもう終わり。ルキア。サボらず仕事しろ。王宮から追い出すよ。ミュラも、ルキアには国民の声を集めてもらう大切な仕事を任せているから、ホウキでぶん殴るのはナシ。


お互いごめんなさい、しろ」


ルキアとミュラは互いに見つめあった後、怒りを収めてくれた。


「…悪かったなぁ」


「いえ……僕も…」


穏やかな天使かと思ったらただの猫かぶり。

実際はプライドの高いおぼっちゃまなミュラ。


ノリと勢いに任せずる賢く生きるルキア。


真反対の2人はよくこうして喧嘩をする。迷惑な話だ。


「宮田クンママみたい」


「うるさい」


「あ、そうだミヤタァ。今日も出てこないってよ、レティナ」


「ミヤタ様、だ。この恥知らずの庶民め」


ギャアギャア、再度喧嘩が勃発。


あぁもう。好きにしてくれ…


「レティ…まだ元気出ないのかなぁ」


「そうだな。あれだけ嫌ってても父親だしね…」


新しくできた工場の収支報告はなされているが未だ部屋から出てこないレティナ。


「それで、だ。俺にいい考えがあるぜェ」


天使の羽を両腕で捕まえ、プロレス技の如く締め上げながら笑うルキア。


ギャル気質の奴らは怖いものとかないんだな…


チンピラルキアの考えるレティナを元気づける方法とは───






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