31話騎馬戦大乱闘!ミヤタ頭脳炸裂!
目まぐるしく変わる一日。異世界転生するようになって拍車がかかった気がする。
そろそろ慣れてきたな。ここは異世界。カザ国が用意してくれた宿の1室。
そんでもって───
「立原さん」
ベッド脇でコソコソしていた黒い竜が体を跳ねさせた。
「お…おっはー」
「毎回毎回寝起きドッキリしなくていいから」
「バレた〜?」
「バレバレ。存在感しかないんだから…」
「じゃあ今日のターゲットはルキアにしよーっと」
隣のベッドで眠っているルキアは酷い寝相だ。
竜王はベッドを軋ませながらベッドに上り大口を開ける。
コイツ…自分の顔のヤバさわかってるなコレ……
「うぅ、ん…」
身じろいだルキアが目を覚ます。さてどんなリアクションか。
「フレンチトーストォ!」
「うぎゃー!」
「どわー!!」
一体なんの夢か。飛び起きたルキア。勢いに驚いてひっくり返るドラギアス。それに驚いてベッドから転げ落ちるルキア。
「ぷっ…ははっ」
朝から愉快なギャル王国の仲間たちである。
◾︎◾︎◾︎
ドン ドン ドン
太鼓の音が腹の奥に響く。踊り子が舞い人々の歓声を浴びながらユーヴァースが登場。
「今年の格技大会。競技は騎馬戦!
頭の羽を取られたら落馬扱い。それ以外は不問とする。
制限時間内により多く残る。または大将の羽をとったら負け。」
審判兼実況者のルール説明後、互いに騎馬を組む。
俺たちギャル王国は白組だが周りの戦士は全てカザ国の者達だ。
「あの…白組の大将って誰なんですか?」
「え?…それはもちろん天の使者であるミヤタ殿でございます!」
「……へっ?!まってなんか突っ込みたいところがいくつかあるんだけど…まず天の使者って何?!」
「卑劣極まりない愚王ドラギアスに思し召しを与え光の道へ導いたお方ミヤタ殿は天からの遣いに違いないとユーヴァース様が!」
ブフッと噴き出すドラギアス、レティナ、ルキアの騎馬メンバー達。蹴飛ばしてやろうか。
「俺には特別な力なんて無いです!大将とか絶対他のやつに任せた方が…」
「皆!そのとーり!宮田クンのおかげであーし目が覚めた!
これからはこの力を平和のために使いたい…」
「おぉ…」
演技臭いドラギアスのしおらしさにすらどよめくカザ国兵士たち。
いらんこと言いやがって!
「おうよ!ミヤタのすげぇお言葉がありゃこの戦にだって勝てる!」
「えぇ。ミヤタ殿はそのお力を持って西の森、アルフリードを打ち倒したのです」
コラーー!何言ってんだルキア&レティナ!
ニヤニヤしている2人。完全に面白がっている。
「おおぉ…大蛇アルフリードを…やはり天の遣い」
「ミヤタ殿!どうか我々にも進言を!」
「ユーヴァース様に我々の勇姿を見ていただきたいのです!」
「うぅ…もう……わかったよ…じゃあ作戦を伝えるから集まってくださーい…」
後で3人ともボコボコにしてやる。だが、ここまで持ち上げてくるのだ。勝ってやろうじゃないか。
「それでは両軍配置について…」
「やはりミヤタが大将か…手加減はせんぞ。者共、我々の熱く尊い戦いの血奴らに見せてやろうぞ!」
血気立つ紅組の兵士たち。雄叫びがビリビリと肌を撫で緊張感がはしった。
「皆さん…よろしくお願いします!」
対して静かに昂る俺たち白組。観客的には勝負が見え見えだろう。
「それではカザ国伝統…格技大会。騎馬戦。開始!」
合図と共に正面から突っ込んでくる兵士たち。
予想通り!
「左右に展開!」
声を張り上げると白組騎馬隊は左右に別れて走り出す。正面からぶつかるつもりだった紅組の騎馬隊の足が乱れた。
「人も馬も急には止まれない…正面から戦わず動揺した兵士たちの羽を──────
横から掻っ攫う!!」
すれ違いざまに羽を二つもぎ取る。
「ヒュゥッ…やっぱりミヤタはすっげーな!マジで天の使いじゃん!」
「喋ってないで周囲を警戒しなさい!どこから敵が来るか分かりませんよ」
ギャアギャアと言い争う騎馬の後ろ2人。足も手も止めないのだから器用なものだ。
「次!後ろから回り込んで囲め!できるだけ2チームで挟み撃ちにしろ!」
カザ国の兵士たちはよく訓練されているのが伺える。俺の指示に従い面白いように紅組が崩れていく。
「これは意外な展開…天の使者ミヤタにより白組残り5騎に対し、我らが王紅組はユーヴァース様ただ一人だ!」
「…やはりミヤタ。貴様は侮れんな。これが実際の戦なら撤退を余儀なくされるかもしれん…が。それはそこらの弱小国の話よ…」
ニヤリと笑う女帝ユーヴァース。
「ッやばい!ひとかたまりになれ!!」
「ハッ察しのいい事だ。たが…我の牙からは誰も逃げられん!」
スムーズな体重移動にて騎馬を操り尋常ならざるスピードにて白組の羽を奪い去っていく。
瞬き1つの間に方向転換し俺たちの騎馬へ。
「ミヤタ殿!お下がりくださ…!」
庇ってくれた最後の一騎が落馬。さすが女帝ユーヴァース。
あっという間に一対一。
ユーヴァースの勇士に老若男女問わず歓声があがる。
「どーする宮田クン?いっちょ口から魔法ちゅどーんしようか?」
「絶対ダメ。観客吹っ飛ばして戦争起こるにきまってる」
「しんがーい!」
どうする…相手はそこらの雑兵じゃ絶対敵わない相手。対抗できるのはドラギアスの魔法…
いっちょやってみますか…
「作戦がある」
次回騎馬戦の決着が──────




