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30話宮田先生はしれっとカッコイイ

「お〜〜っりゃっ!」


「ひぇっ」


騎馬に見立てた3人組の上に乗り立原さんはガンガン俺の帽子を取りに攻めてくる。


対して俺は逃げの一手。といっても本日会ったばかり陽キャ達が馬だ。思い通りには動かない。


「おりゃぁっ!ゲット〜!」


「あちゃ〜宮田もっと攻めねぇと〜」


「そんなこと言われたって…」


そもそも大学の中庭で騎馬戦とかアホだろ!陽キャアホ!バカ!


「ふふん。これであーしの5勝だね!宮田クンそんなんじゃ本番負けちゃうよ?」


「だから初めっから無理だつっただろ?!」


「うーん…じゃあ作戦タイム!」


なにがじゃあなんだ…マジで分からん。


一旦下ろされて見知らぬ陽キャ男子学生と作戦会議だ。


「反射神経じゃイルカに勝てそうもないよな〜アイツ結構運動神経良いし」


「俺らが高速で走って交わして奪うとか?」


「絶対それ宮田が吹っ飛ばされるやつ〜」


ドッと湧き上がる笑いに「ははは」と乾いた笑みを零す。


だがそろそろ俺もムカついてきた。


コッチの意見も聞かず騎手に仕立てた挙句知らない陽キャの騎馬の上に乗せられる俺の気も知らねぇで好き勝手しやがって…


「宮田クーン!次あーしが勝ったら一個言うこと聞いてもらうから!」


ブチンッ


「受けて立つ。ボコボコにしてやるよ」


「み、宮田?」


陽キャが引いているが関係ない。俺の平穏を奪いやがって。


「次の一戦なんだけど前のめりでお願いします。足の部分持ち上げて貰って、そしたら上から攻めれるので」


「お…おぉ…」


なにがギャルだ。目にもの見せてやる!※騎馬戦です


担ぎ直して貰い最終戦。騎馬達は俺の指示通り持ち上げてくれ、上からの攻めに立原さんはやりにくそうだ。


「お…このっやんじゃんっ」


ここだ───!


立原さんの両手に指を絡めて握る。


「えっちょっ」


「下げろ!」


俺の掛け声で騎馬が下がりさらに立原さんの両手を引く。


「ぅわっ!」


案の定立原さんはバランスを崩し大きく傾いた。


帽子!!


立原さんの白いキャップ目掛け手を伸ばした。


「きゃぁっ」


と、立原さんを支える騎馬の1人が崩れる。元々傾いていたバランスが崩壊。立原さんの体が宙に投げ出された。


落ちる───!


俺は咄嗟に立原さんの体に手を伸ばした。


「っと…せーふ?」


崩れ落ちる前ギリギリで受け止めることに成功。抱き寄せる形になってしまって申し訳ない。


「立原さん起き上がれる?」


立原さんの澄んだ青い瞳が波打ち大きく瞬く。薄い唇をポカンと開けて頬が赤く染っているのが分かったを


落ちかけたのだからそりゃビックリするよな…やりすぎたかも


すぽんっ


え?…帽子取られ……


「うぇーい!アタシの勝ち!」


「なっ」


「約束通り言うこと一個ね!」


「今のは不可抗力でしょ!あーもー落とせばよかった!」


「え〜宮田クンはそんなことできないっしょ〜?へへ〜…なにお願いしよっかな〜」


キャップを口元に当て悪戯っぽく笑う。


やられた。勝負には勝ってたのに…


「でも助けてくれてありがと。宮田クン、超カッコイイね」


「え…」


思わぬ褒め言葉。顔に熱が集まる。立原さんを抱える腕に緊張が走った。


「あのーおふたりさーん。イチャつくなら騎馬から降りてからにしてくれます〜?」


ギャル友の一言に我を取り戻す。珍しく俺と立原さんがハモった。


「「イチャついてないっっっ!!」」


◾︎◾︎◾︎


「やっぱり宮田クンが騎手で決まりだね!」


「今日の流れで?マジでいってる?」


「宮田先生の作戦凄かったしな!」


え〜と俺の騎馬の先頭にいた茶髪陽キャで名前はえーっとえっと…


「わかる!相手の意表をついて体制を崩し奪うっ!すげぇ!宮田先生だな!」


こっちの黒髪イケメンの名前は……ダメだ。分からん。


かくして俺は見知らぬ陽キャ達に「宮田先生」というなんとも言えないなあだ名をつけられたのであった。


「宮田クン宮田クン」


「ん?」


「今日、楽しかったね?」


いや楽しかったの君らだけだよ?って言いたいところだけど実は不思議と悪くない気分だ。


陽キャって意外と優しいし面白い…俺の偏見だったんだな…

深くは関わりたくないが。


「まぁ…特訓になったのか分かんないけど…」


「なったよ。ね、明日はテンションブチアゲMAXでユーたんぶっとばそ!」


あれだけでかい声で異世界の話をするなと言ってきたのに。相変わらず言うこと聞かないなぁ…


「程々にね」


まぁ、カザ国の催しだし下手に勝って国交悪くする位なら俺が適当に負けた方がいいか。

接待騎馬戦だな。


「でも宮田クンさぁ…


あれはズルいよ……」


立原さんにしては珍しく目を逸らしたままの呟き。


「何が?」


「なーんでもないっ!それより言うこと、一個きーてよ〜」


「ええ〜…あれ反則みたいなもんじゃん」


「お願いお願いお願い〜!!カンタンなやつにするからさァ〜」


「ハイハイ…言っとくけど奢らないからね」


「そんなお願いじゃないもーん」


果たして何をお願いされるのか。


夜を迎えればいよいよ異世界での騎馬戦!


最弱を乗せたギャル王国の騎馬兵。一体どうなる───?!

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