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24話違っ…コレはデートとかじゃ…ッ

朝11時。駅のベンチにてソワソワ。何度も腕時計を確認する。


異世界でバイオレットサーペントを討伐したあと目が覚めると現実世界に戻っていた。


今日は日曜日。バイトもなくただの休日だったが朝から立原さんに誘われ一緒に出かけることになった。


つまり、デートである。


いやっで、デートっていうかそういうのじゃなくて立原さんがまた家に来るとか言い出して、俺的にはこの間来た時のこともあって家は気まずいというか。それに「一日何でも言う事聞く」っていう約束もあったし?(早口)


決して…決してデートなんかでは───


「みーやーた…クンッ」


背後から目隠しをされ心臓が飛び跳ねる。香水だろうか。フローラル系のいい匂いがする。


「だーれだっ?」


「…立原さんでしょ」


「せーかいっ!おまた〜」


おぉ…今日は黒ギャル。白い丈の短いニットとレザージャケット。ショートパンツにロングブーツ…足長ェな


「今日はガングロってやつなんだね」


「いいっしょ?宮田クンも塗る?」


バッサバサのまつ毛がウインクしてくる。グラデーションのアイシャドウや薄めのノーズシャドウ等綺麗なメイクだ。


「いや俺は黒くなってもヤバいだけでしょ…あ、目元キラキラしてるね。ラメってやつ?」


「!…カワイイ?」


「へっ?!…う、うん…かわいい、と、思う」


立原さんが?!ラメが?!


「おk!宮田クンにもラメ塗ったげる〜」


ラメの方だった───


ラメを丁重にお断りし、電車に揺られ行くこと5駅。


今日の俺の最大の目当ては数量限定、にゃんドルエンジェルの推し「セルリア」のフィギュア。後はいくつか追っているライトノベルの新刊。

映画化した現代小説も気になる。


俺はオタクでも幅広いオタクだ。歴史も好きだし文学作品も好き。ライトノベルにスポコン、ラブコメなんでもござれ。


「今日どこイクの?」


スマホでフィギュアの情報をサーチしていると横から画面をのぞき込まれた。


「あの…近いんだけど…」


「え〜宮田クンパーソナルスペース狭め?」


「そういう訳じゃ…」


ソワソワしてしまうから、とは言えないな。なんか変態くさいし。


「今日はフィギュアと本とか漁りに行きたいなって。」


「ホウホウ。ね、時間余ったらプリ撮ろーよ」


「プリ…撮ったことないし、そもそも今日は俺の言うこと聞くって日なんだろ?俺の行きたいとこ行くから」


「わかってるわかってる〜だから時間余ったらだって〜」


「ううん…プリってあれだろ?目とか大きく加工されて宇宙人みたいになっちゃうやつでしょ?


シールになるって聞いたことはあるけど…400とか500円も出してそんなにやりたいもん?」


「え〜?楽しよォ〜思い出になるし!人生1回くらい撮っても損ないって!」


「あ〜まぁ体験するのは悪くないかもだけど…」


「あーしが盛れるやつ選んであげるからさ!落書きとかチョ〜可愛いんだから!」


「友達と撮るの?」


「もち!見る?」


一体何が入るというのかと言わんばりの小さいカバンからカード入れが登場した。


「立原さんって結構マメだよね…入れ物とか」


「せっかく可愛いの撮れたら眺めたいし〜」


俺も推しのカードとかフィルムに入れたりするし…それと似たようなもんかな


相変わらず立原さんは俺のギャル像を越えてくる。


「あ、そういえばさ俺多分気失っちゃったよね?あの後どうなったの?」


「そうそう!あーしが3人ともお城まで運んでェその後デカ蛇も運ばされて大変だったよ〜キモイし長いし!


ンでぇ解体担当?って言ってた筋骨隆々のおぢに渡して、明日昼くらいには済むらしーよ」


「そっか。俺が寝てる間にいろいろ済ませてくれて助かったよ」


「まぁね!ほんっと不思議だよねあの世界。なんであーしと宮田クンだけ転生しちゃってんのかな?」


「さぁ…もしかしたらになるけどあの世界が助けを求めていた、とかかも。


酷い圧政だったみたいだし現代人を転生させて救うのが俺たちの使命…み、みたいな?」


「宮田クンってさぁ…」


ニマニマと悪戯っぽく笑う立原さん。


嫌な予感がする───


「結構ポエマー?」


「うっさぃ……」


◾︎◾︎◾︎


さぁ…俺をこき使ったり恐怖の森に押し込んだりしたこと反省してもらう!


と、息巻いていたが。


「このキャラクターめっちゃイケメン!タイプなんだけど!」


「この子の服かぁぃ〜着てみたァい〜」


「その話面白いってウーチューバーが言ってたぁ〜」


忘れていた。このギャルの順応性の高さを。


フィギュア手に入れるのに並んでも、立原さんが興味のなさそうな店に連れ回してもなんだかんだ楽しそうだった。


「次どこいく〜?」


「あの…立原さん。つまんなくない…?アニメとか全然知らないだろうし…」


「ぜぇんぜん!それにィ───」


俺の買ったものを両手に持ちながら振り返った立原さん。

一歩で俺との距離を詰め体が触れ合うかというギリギリの距離感に体が硬直する。


「好きな物ゲットしてる時の宮田クン見てるの、楽しーよ」


コソッと囁かれた言葉。俺は簡単に手玉に取られたようで、悔しくも頬を赤らめる結果となった。


この…人たらしギャルめ───!


「…あっ!!宮田クンいちご飴!欲しい!!」


立原さんは買い物袋を両手に振り回す。


好きな物をゲットしている時の姿、か…そこは分からなくも無いな


「ン、いちご飴買おっか。俺も食べたい」


「やった〜その後プリね!」


「まじか〜」


こうして人生初、ギャルとのデー…お出かけは終了した。


プリ機から投下された小さな写真の俺は、顔加工とメイク加工で別人。


やはり分からん。プリの良さ。

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