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21話革命仲間の内輪話と巨大蛇襲来

二足歩行の豚。一刀両断。首と胴が泣き別れとなりモザイク処理無しではとても見ていられない光景。


目の前に落ちてくる残骸に年甲斐もなく漏らしそうだった。


「ぎゃぁああっ!まじで無理まじで無理ィ!!…帰りたぃぃ…」


すっかり腰を抜かし湿原に尻もちを付く。


異世界ナメてた…怖すぎる


「騎士のクセにだらしねェなミヤタァ。ただのオークだろォ?」


ムキムキの体に豚の頭。ただの豚の頭ではない。鋭い目つきに歴戦の戦士みたいな風格のある豚だ。


それをルキアの剣が首を吹っ飛ばし事なきを得た。


ただのオークて!こっちは見るの初めてなんだよ!!日本は平和だし人は愚か動物の首が吹っ飛んでくることも一生に一回もない奴がほとんどなんだわ!


「だから俺は歩兵止まりっていっただろぉ…こんなんじゃいくら命があっても足んないよ」


「まぁ一端の兵士にオークは荷が重いですね。ミヤタさん10人でかかって5人死体になれば勝てます」


「例えが怖ェよ!」


「ミヤタさんはハナから戦力に数えていないのですが…その……」


レティナの視線を追うと木の影に蹲っている巨大なドラゴンが。


「…たちは…ドラギアス王」


名前を呼ぶと強面の竜王が涙目ながらに振り返る。


「うぁん!何アレ何アレェ!コワすぎなんだけどォ〜」


泣きながら飛びついてくる竜王はホラーに違いない。


オークの衝撃で「ヒェ…」と引きつった叫び声に留まったがドラギアスの姿でギャルムーヴは心臓に悪い。


「りゅ、竜王様。その爪で薙ぎ払ったら一発かと…」


「何言ってんのさ宮田クン!あんなキモいの素手で触れるわけなくない?!」


「じゃあ魔法があるでしょーが」


ギャル竜王はハッとして相槌。


全く。このパーティの最強戦力がこれじゃあな…気づいたら死んでそう


「ま、今んとこ俺とレティナの魔法で上手くいってるしいいんじゃね?先行こうぜェ」


「はぁ…行くよ、竜王様」


えぅえぅと情けなく愚図る竜王。その傍らに立つレティナの表情は恍惚としたものだった。


ふるふる震えながら笑顔を押さえ込んでいる。


ま…またあの顔…変わった子だとは思ってたけど…どういう感情なんだ?


「あの…レティナ……」


「!…先に進みましょう」


直ぐに真顔に戻り何事も無かったような態度。


なんか…ツッコんだらだめな気がする。レティナ…この子のことは一番わかんねぇな


俺たちパーティはさらに森の奥へと進んだ。


「なんか…あれから魔物出てこなくなりましたね」


「あぁ。ドラちゃんいるからなァ。ビビってみんな引っ込んでんのよォ。俺たちに飛びかかってくるやつはバカか若ェ魔物だなァ」


「ルキアみたいね」


「ぶっ飛ばすぞ」


ドラギアスの威嚇とルキアの剣技。そしてレティナの水魔法。このパーティなら恐怖の森から生きて帰れそう、かな…


「そういえば…レティナさんとルキアってどういう関係なんですか?」


「どういぅ?俺とレティナはただの革命仲間だぞォ」


「あ、そうじゃなく…なんで知り合ったのかな、って。貴族と平民だし」


「このバカが私の屋敷を襲いに来たので」


「義賊だしィしゃーなくね?」


「まさかアルダン家に乗り込もうという馬鹿がこの国にいたとは思いませんでした」


「レティナさんの家は貴族の中でも元王族だから相当力を持ってるんですっけ」


「……そうですね。この国の3割はアルダン家の領地ですし親戚も多数います」


流石元王族。セルヴァと同じく竜王の強さを利用して甘い汁を啜っているのだろう。


「今日お2人がお会いになったイグニーも親戚です。父の弟に当たります。


兄に従う軟弱者ですが私の反乱を知りながらこっそり手を貸してくれたり、今日のように力になってくれる方です」


「レティナさんが反抗してることを…その、お父さんは…」


「知りません。自分の富と女にしか興味がなく、私がなにかできるとも思っていないのでしょう。跡継ぎである長男に傾倒しています」


「そっか…」


この数年。身内の大罪を一人で背負い戦ってきたのだろう。平和な世界で育った俺には想像もつかない。


「あれ…今更だけど竜王も暴君だったしそこの所はどうなの?」


「え…ど、ドラギアス王は…」


レティナな淡く頬を染め大あくびしながら爪を眺める竜王を見やる。


「ミヤタァ知らねぇのォ?レティナはなぁ…ドラちゃんのこと」


「ルキア!」


レティナの声と同時にけたたましい音を立てて木々を蹴散らす赤紫色の胴体。長く太く毒々しい。


まさかこれが…バイオレットサーペント?!冗談だろ?!


「ぎょぇー!!巨大ヘビィ!キモッ!」


しっかりしてくれ!ギャル竜王!!





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