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14話真面目に国政改革会議!ルキアの本音

対談の結果、セルヴァは竜王の力を利用し国民から搾取したり乱暴を働いたとして国外追放となった。


抱えていた財産は全て没収。貴族から一気に庶民に没落し食べるものを探しドブネズミの如く生きながらえる人生は充分な屈辱だろう。


それにしても…


「今日からルキアを国民の代表として"国益大臣"に命じる!」


「皆ァ!御前らの困ってることや意見は俺が責任もって竜王に届ける!一緒に作ろうぜ。誰もが笑ってアゲ⤴︎︎︎になれるギャル王国!!」


ドラギアスとルキアの拡声器を使った言葉は群衆の端々まで届き、歓声となって跳ね返る。


群衆達は「ギャル王国万歳!」だなんて盛り上がりを見せもう苦笑いしかでてこない。いつの間にかギャル語伝授されてるし。


ルキアは国民たちの間でそれなりに名が知れており支持も高い。


義賊として貴族王族から金品を配っていたのが大きいのだろう。


ドラギアスの暴君っぷりはすべてセルヴァによる企みだったとして国中に広まり、やや疑念は残るものの俺の嘘がまかり通った。


今のドラギアスの中身は立原さんだし罪悪感は無い。丸く収まったし平和が1番。


で…ここからが問題。


セルヴァはバカのクソ野郎に違い無かったが政治の知識はあった。


つまり、セルヴァの代わりに俺が宰相を担うのは完全に知識と経験不足というわけだ。


税収の方法。徴兵の制度。貿易品の状態。なんなら人口から市の名前までなにも知らない。


おまけにドラギアスが敷いていた圧政をひっくり返すつもりなのだからただ事ではない。


とりあえず早急に解決するべき問題を議題とし、大きな机を囲んだ会議が始まった。


「まず貧困を助長している干ばつと重税の問題だけど…


干ばつはドラギアス王が民の前で宣言した通り、風から水を生成する機械の作り方をカザ国から学び国内に持ち帰る。その間の水不足は他国からの輸入。これでいいか?」


「カザ国って紫髪女帝のおっかねぇ国だろォ?よく技術教えてもらえることになったなァ?」


「ユーたんおっかなくないよ。ルキアも今度話してみる?オモロいし可愛いから」


「ユーたんて…ユーヴァースのこと言ってんのか…?やべぇな…」


「あはは…」


なんで初対面であそこまで仲良くなれるのか俺が知りたいくらいだ。恐るべきギャルパワー。


「あとは税だな。これも半分に減らして問題無いと思う。削れる所結構あるからな…」


セルヴァのデスクから引っ張り出してきた予算案はそれはもう私利私欲塗れ。

会食だの接待だのドラギアスの目を盗んで横領もしていたようだ。


「あの…」


会議用のデスクを囲む中、控えめに手を挙げた兵士。

黒縁メガネをかけた黒髪の生真面目そうなこの男は───


『可愛くて面白くてテンションブチアゲ。つまり最強の加護をくれる神よ!』


『なるほど…つまり王はこの国を新しい方法で明るく豊かで強い国にしたい、と…』


『その通り!君アタマ良いね!今日から宰相補佐決定!』

(10話参照)


という流れで宰相補佐に任命された兵士だ。


「あ…えーっと」


「ランフェルです。税収が減ると恐らく貴族たちが黙っていないかと…」


「貴族?普通貴族も税を納めるものじゃないのか?」


「ミヤタァ知らねぇの?この国では貴族の税は免除されてる上に税金使って毎夜パーティ三昧よ」


「見返りとしてそのパーティに王を招待したり貴族が有する土地の特産物献上したり…といった具合ですかね」


つまり一部の者たちの贅沢の為に民が虐げられているということだ。


そりゃあ暴動も起きる。


「貴族の反感を買うのはまずい、よな?」


「持っている土地が広大ですからね。主に王宮に献上されているケーキやカヌレ等スイーツ類が入ってこなくなると思われます」


「それめちゃンコ困る!!」


半分居眠りこいていたドラギアスが机を叩く。現金なヤツだ。


「うーん…でも他は貿易費に国防費に街の修繕、衛生管理費。削れるものが無さそうだからなぁ」


「フフ…俺にいい案があるぜェ」


行儀悪くも会議用机に両足をあげていたルキアが口角をあげる。


「貴族つっても全員が仲良しこよししてるワケじゃねぇ。国民からむしり取って贅沢することに反対なヤツらもいる…


ソイツを味方につけて貴族社会ぶち壊してやんだよォ」


べっと舌を出し親指を下に向けて首切りのジェスチャー。


物騒な物言いだがルキアの知り合いを抱き込むことができれば貴族の説得はスムーズにいくかもしれない。


「ルキア。その反対してる奴らって王宮に呼べるか?」


「ヨユー。明日でいいかァ?」


「あぁ。これでなんとかなりそうだ…ドラギアス王…」


横を見れば机に突っ伏している竜王。すっかり夢の中みたいだ。


「寝てっし…ほんと言うだけ言ってめんどくさい事俺に押し付けるんだから…」


「ぷはっ。やっぱコイツおもしれぇなぁ」


ケラケラと笑うルキアだがふと先刻の身の上話を思い出す。


「ルキアって…その……竜王のことは憎くないのか?悪魔に取り憑かれてたって言ってもルキア達を苦しめたことには変わりないし…」


「まーそーなァ…最初はぶち殺そうと思ったよ」


ルキアは机から足を下ろすとぐーすか寝こける竜王の一本髭をつつく。


「でもどうしても同じやつに見えねぇんだ。話してるうちに全然違う生き物に見えてきて…

生まれ変わったってよりは別の人間…いや竜だなァって…それに俺ァ


コイツのこと結構気に入っちまったからなァ」


寂しげに眉を下げそれでも笑うルキア。その表情になんとも言えない痛みと嬉しさを同時に感じる。


「俺ァコイツの作るギャル王国ってので今のクソみたいな政治ぶっ壊してェの。

そんで家族の分も幸せに生きてやりたいのさァ」


「……うん!この国を…ギャル王国を俺たちで格差のないいい国にしよう!」


困惑と拒否感の多かった異世界。

まだまだ分からないことだらけだが、この世界の人々と共に平和を作り上げたいと思う。


自由奔放で破天荒なギャルとならきっと何があったって乗り越えられそうだ。


そしてまた夜が。


俺たちは宮田律と立原衣留香として現実世界を生きることになる。

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