表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
怪盗勇者アルセーヌ  作者: 十河 水屑
Chapter2, 新学期とギャル勇者
29/39

Ep2-21 校外学習ex-3

デンタル〇イパーの略称みなさんどうしてますか?ジムヒュー的な感じでデンミンとデンスミですかね?個人的にはミントの方はデルミンを推したいと思ってます。




(あっぶ)ねぇぇっ!!」



 マジで間一髪だった!あと0.5秒でも遅れていたら間に合わなかったし、その上俺まで巻き込まれていた。

 あの野郎、俺が接近するのに気付いて触手を伸ばしてきやがった!巻き込む気満々じゃないか。⋯⋯いや、そんな事よりも!



「おい、大丈夫か!?」



 両脇に抱えた状態のスウィートとリンドウに問い掛ける。非常に不格好だが許して欲しい。こうするしかなかったのだ。



「⋯⋯うん、だいじょぶ」


「⋯⋯ウチも平気」



 ⋯⋯妙に元気が無いな。やはりどこか怪我でもしたのだろうか。



「怪我があるなら正直に、⋯⋯って、なんで顔が赤いんだ?」



 しかも2人ともだ。⋯⋯やはり黒馬から何らかの攻撃を食らったのか?



「んーん!ほんとにだいじょぶだからっ⋯⋯!」


「めちゃ元気だし⋯⋯!」


「⋯⋯そうか?」



 見たところ負傷している箇所は無さそうだし、そこまで言うなら大丈夫だろうか。



「それよりっ、この体勢けっこー恥ずいから!」


「あっ、そうか」



 一旦【神出鬼没】で黒馬から離れ、安全な場所で2人を降ろす。⋯⋯仮にも女の子を脇に抱えたままというのは、流石に無遠慮が過ぎたか。



「悪い。助けるために仕方なく⋯⋯」


「いーよいーよ!むしろ感謝しかないし〜!」


「マジ神だわ」



 神だそうです。⋯⋯まあとにかく、彼女たちが無事で何よりだ。本当にギリギリだったから。



「てかどーやったの?なんか気づいたら抱えられてたんだけど!?」


「⋯⋯ああ、俺のスキルだよ」



 説明するまでもないと思うが、【盗む】で2人を盗み出したのだ。【盗む】が成功すると、それが完遂されるまでの間ターゲットが他の一切から干渉を受けないという特性を利用し、触手の拘束から解放した。ペットボトルに入った水とか、箱の中身だけを盗む時とやっている事は同じだ。

 【神出鬼没】は基本的に俺1人しか転移が出来ないが、例外として【盗む】で俺の所有物となったものは連れて行けるようになる。通常なら人間にただ触れるだけでは盗んだ事にはならないが、どうやら何処かに閉じ込められていたり、何かに捕まっていたりすれば盗みの対象になるらしい。


 そうして『所有物』状態の彼女らを抱えたまま転移して逃げたという訳だ。⋯⋯どことなく響きがアウトな気がするのはきっと気の所為(せい)だろう。



「転移系スキルとか(ちょー)当たりじゃん!」


「旅行し放題じゃね?」


「⋯⋯あはは、そこまで万能でもないよ」



 距離制限はまあ人によっては不便と感じるかも知れない。俺自身は長距離転移をする必要性に駆られた事が無いので、別に問題は無いと思っている。⋯⋯ああ、でもさっきはもう少し長い距離を移動出来れば、彼女たちを助け出すのがもっと簡単だっただろうなとは思った。


 どちらかと言えばクールタイムの方がネックで、これは実のところスキルによる制限ではなく、俺の反応速度の限界と言った方が正しい。

 なので理論上は俺の性能次第でどうにかなる(はず)。それだけに、先程はもっと早く移動出来ればという歯痒(はがゆ)さはある。




「────Curararararaッッ!!!」


「⋯⋯ぅわっ!?」


「きゃっ!」


「うるさっ」



 前脚を高く上げて甲高く(いなな)く黒馬。背中の触手は大きく広げられており、(ひび)割れた頭蓋骨の隙間から吹き出す黒炎も若干激しくなったように見える。



「獲物を横取りされて怒ってるのか?」


「そんな呑気なこと言ってる場合じゃなくない!?」


「⋯⋯また、アレ来そうじゃね?」



 リンドウの言うアレが何なのか俺には分からないが、見るからに攻撃して来そうな黒馬を前に警戒を強める。何が来ても迎撃出来るようにはしておきたい。




 ──────ドシュドシュドシュッ!



「どうしよ!?撃ち落とせないんだけど!?」


「ウチにもっと火力があれば⋯⋯!」



 高速で飛来する巨大な種子のような物体。撃ち落とさないと不味いと思わせる2人の言動。

 そして彼女らにとって直近の不味い状況とは周囲の小さな触手に捕らわれていた事であり、どう見ても戦闘区域外(・・・・・)にまで多数見られた同様の触手と来れば。



「⋯⋯なるほど、そういう事か」



 恐らくアレが着弾した箇所から触手が生えてくるのだろう。馬の背中から生えているにしては、妙に植物っぽいとは思っていた。


 俺は【神出鬼没】でいつでも拘束から抜けられるのでそこまで問題ではないのだが、スウィートとリンドウは違う。彼女たちを無用な危険に晒さないためにも、ここは撃墜一択だ。


 ⋯⋯とは言え、俺自身は手数で攻めるタイプで1つ1つの攻撃の威力はかなり低い。演習装置の試用時に見たところ、リンドウのスキルは手数も威力もそこそこある結構汎用性の高そうな能力だった。なので彼女で駄目となると生半可な攻撃では撃ち落とせない可能性が高い。



「────なら、こんなのはどうだ?」



 自身のサイドテールの逆側にちょこんと乗った、小ぶりなシルクハットを手に取る。

 勇者アルセーヌの専用武器である『奇術帽(トリック・ハット)』に手を入れ、中からナイフを4本取り出した。


 ナイフをそれぞれの指に挟んで作った扇を閉じるように手を動かすと、それらは1本に纏まり別の能力を宿す。ここまでは黒騎士戦でも使った、ただの分裂するナイフである。



「ほいっと」



 真上に放り投げると、ナイフはくるくると回転しながら宙を舞う。分裂能力はナイフを投げた後、俺が任意のタイミングで発動させられるので今はまだ使わない。


 そしてその間に、更に次の道具を用意する。引っ張り出したのは2枚のハンカチーフ。帽子を戻して両手を空け、端が結ばれて繋がったそれらを一度大きく振ってはためかせると、1枚の大きなカーテンに変化した。


 カーテンを目一杯広げて斜め上に飛ばしたところで、丁度落ちてきたナイフをキャッチ。そのままの勢いでカーテンと同様に投擲する。



「それっ!」



 ナイフはカーテンにすっぽりと包まれ、巻き込んだまま飛んで行く。



 (しばら)くするとカーテンは(ほど)け、その中身が(あら)わになる。


 そして飛び出したのは、通常の数倍の大きさ(・・・・・・)にまで巨大化したナイフだった。



「ええっ!?何アレ!?」


「デカすぎんだろ⋯⋯」


「それ、言いたかっただけだよな??」



 ナイフとしては確かに巨大だけど、規模的にはそこまで規格外と言うほどではないし。




 ──────ガガガガガガッ!!



 巨大ナイフが無数に分裂して触手の種とぶつかり合う。中には上手く相殺せずに着弾してしまったものもあったが、結果的にほぼ全てを破壊する事が出来た。



 見た通りではあるが今やったのは、ハンカチーフ系統の2枚重ねで発動する『巨大化』である。

 主な役割は攻撃の強化で、魔力を持っていない物や生物には使えない。その辺に落ちている石ころを巨大な岩にすることは出来ないし、俺自身を巨大化させて黒馬と大怪獣バトル!というのも残念ながら不可能だ。


 シンプルな効果だが故に強力で、俺に足りない火力をそれなりに補ってくれる。ハンカチーフ系統全てに共通するが、燃費が死ぬほど悪い事以外はとても便利だ。

 俺に限らずどの勇者のスキルにも言える事だが、便利で強そうな能力ほど魔力消費が多いというのは一種のお約束とでも言うべきものだろう。


 ⋯⋯過剰な節約はするなってマモ様にも言われたしな。そもそも出し惜しみして戦えるような相手でもないし、俺の全力をぶつけよう。




次話から戦闘が本格的に動き出す予定です(未定)


ここまで読んで頂いてありがとうございます。

ここにいつも感謝と+ひと言書いているんですけど、正直読んでる人いるのかなあと思っています。最後の一文いるいらない、皆さんはどっち派でしょうか?

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ