Ep2-18 校外学習ex-1.5 中
スウィートたちが思ったより強くてぇ...(言い訳)
《SIDE-月島》
「よ〜し、やったるぞ〜!」
3体の編みぐるみたちが飛び立つと同時に、黒馬が何度目かの触手攻撃を仕掛けてくる。
あーしだけじゃ防ぎ切れなくても、この子たちが一緒なら!
「アミちゃん、いくよっ!」
左右の手に大きなアイスキャンディとマドレーヌを持った人形、アミちゃんの後ろにあーしが続く。
『ーーーっ!』
「さっすが〜!」
アミちゃんが右手のアイスキャンディを振るうと、迫っていた触手の1本がスッパリと半ばから切断される。
更に続けて襲ってきた触手を左手のマドレーヌで弾くと、またもアイスで斬り飛ばした。
この通り、アミちゃんはアイスキャンディの剣とマドレーヌの盾を装備した騎士型なのだ。
「Curuuunッ!」
「お願い、クルちゃん!」
それでも抜けてくる触手にはクルちゃんに対処をしてもらう。あーしがやっても良いんだけど、心強い仲間がいるからこそ任せられる。
『〜〜〜っ!』
「えい、えい、え〜いっ!」
さっきよりも大きくて丈夫なクッキーがあーしを守るように展開され、見事に全ての触手を防ぐ。
これがクルちゃんの能力で、攻撃能力は控えめだけどその分とっても頑丈なクッキーを召喚できる魔導師型だ。持っているポ〇キーはどうやら杖らしい。
あーしはその隙に【菓子砲】で黒馬本体を狙う。身体の大きさに対してデコレーションがかなり小さいけど、その分たくさん飾れば良いよね!
「ミーちゃんもやっちゃえ!」
『⋯⋯っ!』
パンッ!パンッ!と何かが弾ける音が数回するとステッキ型のキャンディ、キャンディケインの先から包装された小さな飴玉が勢いよく飛び出した。
「Cuoooッ⋯⋯!」
飴玉が黒馬の身体を強かに打ち付けると、黒馬は苦しそうな唸り声をあげる。
ミーちゃんはキャンディケインを銃みたいに使って威力の高いキャンディを撃ち出す狩人型。見た目は可愛いけど、大鬼くらいなら軽く吹き飛ばせる程の威力がある。
「よしっ、効いてる!」
アミちゃんが切り裂き、クルちゃんが防ぎ、ミーちゃんが撃つ。あーしの役割は妨害と飾り付け。最強の一撃をお見舞いするために、デコレーションを盛りに盛りまくるのだ。
『⋯⋯っ!!』
特にミーちゃんはあーしのスキルの中で、現状アイツに継続的に有効な攻撃を繰り出せる重要なポジションだ。
実は一番火力が高いのはアミちゃんなんだけど、敵が遠距離攻撃主体だから射程圏内に収めるのが難しい。近づけば近づくほど触手の密度が上がるから、中々踏み込めずにいるみたい。
『ーーーっ!!』
『〜〜〜っ!!』
「みんな最高っ!」
けれど着実に距離は詰められているし、今のところ安定した立ち回りが出来ている、と思う。レベル4(かも知れない)相手に十分戦えてるんじゃないかな。
「良い感じ!これならきっと──────」
「Carorororoッッ!!」
「な、何っ!?」
黒馬は触手を大きく広げると、その先端をこちらに向けて大きく嘶いた。
──────ドシュドシュドシュッ!
「なんか飛んできた!?⋯⋯って、どこに撃ってるの?」
触手の先から飛来した物体は、なぜか見当違いの方向へ飛んでいきそのまま着弾した。
てっきり遠距離攻撃かと思ったけど、一体何のために⋯⋯?
──────ドシュッ!
『⋯⋯っ!?』
「ミーちゃんっ!?」
後ろから伸びてきた触手に被弾してミーちゃんが撃墜される。何が起きたの!?
「⋯⋯ヤバ、そういうことか」
触手が伸びてきた方向を見ると、そこには地面から触手がわらわらと生えていた。大きさは黒馬の背中から生えているものよりは随分と小さいけど、さっきばら撒かれた物が全部これだとすると数が多過ぎる。
「っ!破壊しないと⋯⋯!」
放置するワケにもいかないから、『文明板』と【菓子砲】で1つずつ壊していく。本当はアミちゃんたちにも手伝って欲しいけど、黒馬本体を疎かには出来ない。
『〜〜〜っ⋯⋯』
「⋯⋯まずい、このままじゃ魔力が持たないっ」
編みぐるみたちを動かしているのも当然自分のの魔力だ。度重なる能力の発動によって、残りの魔力量はグングン減っている。今はまだ大丈夫だけど、このペースだといずれ⋯⋯。
「Carorororoッッ!!」
「またアレが来るっ!」
再び触手を大きく広げた黒馬が嘶き、黒い物体が次々と飛翔する。さっきは突然で分からなかったけど、よく見るとどうやら大きな種子のようなものであることが分かる。
「撃ち落としたいけど、手段がっ⋯⋯!」
1つか2つなら『文明板』で防げるけど、これ程の数の飛来する攻撃に一度に対処する手立てが今のあーしには無い。⋯⋯せめてミーちゃんが倒されてなければ。
「ヤバい!止めらんな──────」
「【五月雨】っ!」
「⋯⋯えっ!?」
ザシュシュシュッ!と、突如背後から飛んで来た水の弾幕により、触手の種の殆ど全てが撃ち落とされる。
物凄く見覚えのある攻撃に何とも複雑な気持ちになりながら振り向くと、やはりと言うべきか予想通りの人物。
「いきなりピンチでビビったわ」
「リンちゃんっ、なんでいるの!?」
青いインナーカラーの入った長い黒髪を姫カットに整えた、丈が短くてもはやミニスカート状態になった紺色の着物を着た少女。勇者『リンドウ』がそこには居た。
ここまで読んで頂いてありがとうございます。
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