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孤独を思い知れ
「くふ……ふふふっ……」
日記を読み終えた時には、笑いがこらえきれなくなりそうだった。
やっぱり、最後まで読むべきではなかったと思ったし。
最後まで読んだおかげで、彼の心を沈めようと決心することができた。
「あなた、私が考えうる中で、最悪の回答を出したわね」
月曜日の天気予報を確認したら、雨だった。
私は手紙に書かれていた彼の電話番号から、ショートメッセージを送信した。
人は悪意に満ちた時、驚くほど頭が早く回転すると思った。
『月曜日の18時、大学の9号館の裏で待ってます。
あなたに協力するための条件はその時に告げます。
ただし、承諾するか考えていい時間は3分間。
それを逃したら、二度と望みは聞き入れません』
彼の純情がどの程度のものか、試してみよう。
普通の人は、誰かと結ばれることを望む以上に。
群れからはぐれることを恐れる生き物だということを、思い知ればいい。