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雨の日に笑うの、透明人間。  作者: 踏切交差点
大学4年
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てるてるぼうず

昔の僕なら反吐が出るようなことを言うが、僕らは人生を楽しむために生まれてきた。


自分が相手を好きで、相手が自分を好きになってくれないことを片想いと呼ぶならば。


長年それを続けてきた僕は片想いの達人だ。


世界は残酷だ。

僕がいくら君を好きだと叫んでも、泣きついても、平気で手のひらを返して、不条理を突き返してくる。


朝、生きててよかったと思ったことがあっても、夜には冷水を浴びせるようなことをしてくる。


手に入れたいと願うものを遠くへ押しやったり、大切にしていたものをいきなり奪ってくることもある。


それでも僕は、世界に片想いをし続けるのだろう。


失ったら悲しいと思うものを与えてくれたのも、手に入れたいと思う幻を見せてくれたのも。


ほんの気まぐれで、自分のこれまでの人生を丸ごと救ってくれるような存在に出会わせてくれたのも、この世界だから。


だから、心を閉ざさない。


雨が降っていたら、傘をさして、歩き出せばいい。


悲しい出来事があったけど仕方ない、なんて言わない。

悲しい出来事なんて、ただひたすらなければよかったのにと願う。


同じように。


嬉しい出来事が続いた時に、不幸が訪れる前兆だなんて思わない。

ただひたすら、更なる幸福が訪れることを願う。


雨の日を憂いたっていい。だって、それは晴れの日が好きだから。


雨の日を憂いた分、ちゃんと晴れの日を喜べばいい。


もしも雨が降り続いたら、てるてる坊主を吊るして祈る。


あしたてんきに、なあれ。

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