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ひとりぼっちの美少女
幸せの象徴、黄色。
だから中学生になると、誰も黄色い傘をささなくなった。
―1年前―
「馴染む」という科目があったら、私は10段階評価で2の成績だろう。
人間関係の構築が絶望的に下手だった。
根暗なわけでも、人嫌いなわけでもない。
むしろ、積極的に人の和に交じりたいという意思をもっている。
運良く仲良くなれた友達からは、ユーモアのセンスを褒められることもあった。
なのに、どういうわけか、初対面の人達の輪の中に入り込む才能が致命的に欠けていた。
笑顔を絶やさないように頑張ったら、無理しなくていいと笑われ。
会話の聞き役に徹していたら、何を考えているかわからないと不審がられ。
会話に交じることさえも放棄したら、誰からも声をかけられることはなかった。
きれいとか、かわいいとか、お世辞で褒めてくれる初対面の人が現れたとしても、いつもすぐに独りになった。
だから、そんな私に近づく男がいたとしたら。
どうせ、ろくでもない輩に決まっていた。