いるべきだった人
降水確率100%の告白。
雨に打たれよ、青春の敗北者。
名前の割には、何も「優」れていない人生だった。
長期休みに入り、日常に鬱屈していると、昼夜逆転生活になる。
夜中の2時も、3時も過ぎてもなかなか寝付けなくて。
そんな時に、メッセージアプリのトーク画面を開く。
全友達の中で、このことだけは高校の親友にしか話せないと思ってメッセージを送ることもあれば。
頭の中に漠然と、何かを必死に語りたい、表現したいという欲望はわいているんだけれど、それを送る相手がいない時がある。
いずれの人に対しても、今抱えてる気持ちは正確には理解してもらえないだろうなと思ってしまう。
結局文字を打つこともなく、自分は何を言いたかったのさえ言葉にできないまま明け方を迎えてしまう。
そんな時に、思う。
本当は、自分にはもうひとりいるべき誰かががいたんじゃないかって。
自分の感情に答えを与えてくれるような、出会うべき人との出会いを逃してしまっていたり、大切な存在を忘却しているんじゃないかって。
その人さえいたら、僕はもっと、陽のあたる場所で楽しく生きていたんじゃないかって。
いるべきだった人が、いないんじゃないかって。




