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雨の日に笑うの、透明人間。  作者: 踏切交差点
大学3〜4年
10/51

ひとりぼっちでごはん

「痛くないよ!痛くないってば!」


バッ、と顔をあげる。


大教室で、大勢の生徒が私を見ている。


講師が咳払いしたあと、クスクス笑いが聞こえた。


授業中に居眠りしてしまったようだ。

口元についた唾液を拭き、乱れた髪を整え、私はじっと羞恥に耐えた。


逃避の気持ちでスマホを取り出して、誰かにメッセージの一つでも送ろうとした。


しかし、もうそんな相手もいないことを思い出して、ポケットに戻す。


しばらくして、ティーチングアシスタントが出席カードを回収しに来た。


カードを渡して、数分待ってから、私は教室を出た。




「いただきます」


誰になんと言われても、一人でご飯を食べるのは、寂しい。


誰に何も言われないのが、寂しいということなのだろうけど。


どんな本を読んだところで、映画を見たところで、音楽を聴いたところで。


ひとりぼっちで、ご飯を食べるのは寂しい。


けれど、それ以上に。


自分を求めてくれない人や、自分を求めてほしくない人と、一緒にご飯を食べる苦痛の方が耐え難い。


傷つくのは嫌だ。傷つけるのも嫌だ。だって、人を傷つけた事実に、自分が傷つくのだから。


一人でいるに限る?


いや、一人でいることに、限らされている。


世界から。

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