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プロローグ

 天正10年6月。京・本能寺に宿泊する織田信長を家臣明智光秀が急襲。燃え盛る本能寺。信長は自害。余勢を駆った光秀は、同じく京の二条城に宿泊中の信長の嫡男信忠にも刃を向け、信忠は切腹したのでありました。

 これにより京は明智光秀の手の中……となったわけでは無く、本能寺の変の翌日。光秀が中国地方の毛利へ放った間者が、当時。毛利方の備中高松城を攻囲していた羽柴秀吉の陣に誤って紛れ込んでしまったことにより、主君織田信長の死と光秀の裏切りの報に接した秀吉は急遽毛利と和睦。わずか10日の短期間で畿内摂津と山城の境、山崎に進出するのでありました。その間、四国遠征出発間近だった信長三男の神戸信孝と丹羽長秀。更には池田恒興など摂津衆が合流。秀吉の部隊は増大の一途を辿ったのでありました。

 一方その頃光秀は、京と自らの居城坂本。更には信長の居城である安土までの安定化と、北陸方面を抑えていた柴田勝家の部隊の備えに務めると同時に、畿内にいる信長家臣への合流を促すのでありましたが、……なかなか……となっている中。思いもよらぬ秀吉の進出。自らの手勢のみでの決戦を余儀なくされ敗北。光秀は坂本への逃亡中。落ち武者狩りに遭い、その生涯に幕を下ろすのでありました。


 当主を失った織田家はその後の体制を決めるべく羽柴秀吉に柴田勝家。丹羽長秀に池田恒興の4名による会議を清須にて開催。そこで信長の嫡孫であり、信忠の嫡男である三法師への家督継承を確認。ただまだ齢3つの幼子であるため、成人するまでの間。叔父である信雄と信孝が後見人に。傅役は堀秀政が。会議のメンバーである秀吉、勝家、長秀に恒興の4名が補佐をすることが決定。織田家は信長のオーナー体制から集団指導体制へと移行するのでありました。

 併せて清須会議では織田家の領地の再配分が話し合われることになりまして。その対象となりましたのが信忠が管理していました美濃尾張以東と光秀の管轄でありました畿内の地。そこで新たに次男信雄には尾張。三男信忠には美濃。柴田勝家には秀吉の本貫地であった北近江。丹羽長秀には近江の一部。池田恒興には摂津の一部。秀吉には北近江は勝家に割譲されるも、河内山城丹波の国がそれぞれ加増されることになるのでありました。本能寺の変により権力の空白地帯となり、上杉北条に徳川家康が進出していた旧武田領について、当初織田家による再奪還の方針であったのでありましたが、徳川家康の申し出を受け入れ家康による旧武田領の平定を容認したのでありました。

 独りのカリスマを失い、集団指導体制となったところで発生する共通することが1つあります。それは何かと言いますと……権力争い……であります。それまでは家臣同士で問題が発生しましても信長の決定が全てで収まっていたのでありましたが、それでも不満となれば謀反。それが最後。本能寺に繋がったと言えば繋がってしまったのでありましたが……。ともあれ信長に委ねれば解決したのでありましたが、後継者である三法師はまだ幼子であり、清須会議の結果。家臣の権限が強化されることになりました。……そうなりますとどうしても内輪の揉め事が軍事衝突に発展することになるのであります。で。この清須会議の結果。問題となったのが、旧武田領を与えられた滝川一益の去就であります。会議の結果、旧武田領の再平定を断念したことを会議ののちに知ることとなった一益は代替地を要求するも、代替地を一益に与えることが=誰かの土地を失うことになるため先送り。加えて洪水の度に流れを変える尾張と美濃の木曽川の現状に沿った線引きを求める信孝と、現状の国境線での分配を求める信雄との対立など織田家中の中で不満を抱くものが出て来るのでありました。

 最後、新たな当主である三法師は後見人の1人である信孝が預かることが決まり終了したのでありましたが、会議を終えるや否や、織田家中において最も大きな領地を手に入れることになった羽柴秀吉は三法師の傅役堀秀政に丹羽長秀と池田恒興を介入し自らの陣営に引き込むことに成功。これに危機感を覚えた織田信孝は柴田勝家。更には滝川一益との連携を深め対抗するのでありました。

 こうした中、開かれたのが秀吉の手による織田信長の葬儀。葬列において信長の位牌を秀吉が持つことにより自らの立場のアピールに成功した秀吉は、三法師を抱く信孝と同盟者である柴田勝家に謀反の疑いを掛け清須会議を破棄すると共に、秀吉、丹羽、池田の三者により信雄に織田家の家督を継承させることにより両陣営の対立は決定的なモノになるのでありました。

 そんな中、秀吉は来る柴田勝家とのいくさを想定し、1人の家臣に指令を出すのでありました。

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