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九龍組  作者: 大蔵 富造
20/25

第十一話 カイタタハイラ開放 ~外国のしきたり~

 翌日、日の出とともに新豪(しんごう)武古屋(たけこや)の先行軍が進軍を始めた。昼になると先行軍から早馬が来た。外国軍はカイタタハイラと江墨州(こうぼくしゅう)の境で陣取っているとの知らせに、滝本と周泰征(しゅうたいせい)を大将とした本隊が進軍を始めた。


 夕方、カイタタハイラの州境まではあと五キロのところで先行軍と合流した。大将クラスが集まった幕舎内では新豪達が調べてきた外国兵の布陣図を周泰征に渡した。それを見た周泰征は笑っていた。

「見事に構えているな。だがこちらにはこれを破る策士がいる」

 一同はその策士が誰なのか見渡した。

「じゃ外国の攻め方を教えるねー」

 立ち上がったのは周泰征の横にいた程子(ていし)である。

「程子の実力は認めるが…、任せて平気なのか?」

 織田島(おだじま)が小声で隣の正弦(せいげん)に聞くと、

「程子はあぁ見えて頭がいいんです。まずは策を聞いてみてください」

 不安そうな顔をしている織田島とは違い、正弦は余裕の表情だった。

「偵察の情報から先に言っておくけどー、外国軍はだいたい五千人しかいませんでしたー」

 それを聞いた西軍諸将は気を落とした。たった五千人に何度も負けたのかと。

「さらに詳しく言っておくと、武古屋殿が伏兵に遭った時はだいたい二千人くらいで構成してた先発隊みたいだよ」

 さらに西軍諸将は気を落とした。程子はニコニコとしながら話を続ける。

「まぁまぁ~、今度は勝つんだからね! 今、東西軍は約一万八千。まずは滝本殿、織田島殿、正弦の三名は騎兵五千を作って海側から回って州境で待機ね。カイタタハイラの壁があるらしいからそれが見えるところに配置。これ重要だから滝本殿、しっかり指揮してねっ!」

 カイタタハイラの州境には大きな城壁が築かれている。レンガ製のその城壁は東西を分断していた壁よりもはるかに高く強固なものである。江墨州からカイタタハイラへの入口が山と山に挟まれているため、そこを埋めるように大きな壁が立っている。西からの侵入者を防ぐのに大いに役立っていた。壁というよりも関所という表現がしっくりくる。

「そっちに外国軍が逃げていくからねー。追撃だよ。くれぐれもカタハライタイの中まで追いかけないようにっ!」

「了解した! 正確にはカイタタハイラだ」

 滝本が間違いを指摘した。

「そうそう、カッタハイラっ!」

 織田島は怪訝な表情でまた小声で正弦に問いかけた。

「わざと間違っているのか?」

「本気で言えないだけです」


「じゃ、次ねー。武古屋殿、天嵬(てんかい)、新豪の三名は歩兵五千を作って連峰の方から進軍ね。外国軍が出陣したら陣を強襲で。片付いたら外国兵を追撃でね」

「おう。じゃ早速行ってくるぜぇ。こっちは歩きだからなぁ、行くぞぉ。野営の準備もしなきゃいけねぇしな」

 天嵬を先頭に三人は挨拶をして出て行った。

「俺は?」

「赤坂殿は残った八千の本隊で一緒に正面から攻めるよ!」

「そうかぁ、俺の力が発揮できなくて残念さ」

 程子は笑っていた。

「どうですか?」

 正弦が織田島に聞くが、

「…予想がつかん。本当に勝てるのか?」

 腕を組んだまましかめっ面だった。

「もちろん。まず外国と兵数に差がありますし、この西の土地では西軍に地の利があります。そして程子がいますから」

「正弦殿、行軍中にこの作戦のことを詳しく教えて欲しい」

「構いませんよ。では、滝本殿、織田島殿、我々も行きましょう」

 正弦を先頭に三人は挨拶をして出て行った。程子はニコニコと手を振って見送った。

「ねぇねぇ、唐嘉(とうか)だったらこんなややこしいことしなかったかなー?」

「いや~見事だぁ、程子。唐嘉だったら数に物言わせてぇ正面突破だったかもしれねぇ」

 前慶が褒めると程子はぴょんぴょんと飛び跳ねて喜んだ。

「さぁて、俺たちも準備するかぁ!」

 シルクハットをかぶりなおして気合を入れた前慶であったが、準備は程子の指示で着々と進み、前慶はとくにやることがなく赤坂と遊んで準備が終わるのを待っていた。



 翌日、早朝に滝本と織田島、正弦の騎馬隊が出陣した。作戦開始の昼を過ぎると騎兵二千を分けた本隊は赤坂が引き受けて出陣。外国軍の陣まで近づくと音を鳴らして攻撃の合図をした。すると外国陣から約二千人の騎兵隊が出陣してきた。銀色の鎧は着ていないものの装備はしている。

「うわっ、圧巻。退くよ~! 急いで逃げるさー!」

 赤坂は戦わずして逃げる。その先は本陣である。追いつかれず本陣を突き抜けるように逃げ込むと程子が弓兵に合図した。三千人の弓隊が一斉に矢を放つ。雨のように降り注がれる矢を前に外国軍は突撃するのを諦め、陣へと戻った。弓矢には大した飛距離も無く、牽制にしかならないが突出した外国兵の何十人かが矢の餌食になった。


 しばらくして本隊は外国軍の後を追った。外国軍の陣はすでに赤坂に囮になって引き付けたのを確認した天嵬達の歩兵五千によって壊されている。陣に残っていた外国軍は突然現れた東西軍に混乱し逃げた。

 弓を射られて逃げて行った外国兵達が見たのは東西軍が待ち受けている壊滅した陣地であり、陣を守っていた外国兵達が逃げていくのも見えたため、一戦も交えずにカイタタハイラを目指して退却を始めた。

「おぉ? 逃げやがるぜぇ。追うぞぉ!」

 天嵬の号令で追うが騎兵と歩兵のため差が開いていく。

「おぉい、天嵬殿! ずいぶんと差が出ちまったぜ?」

 武古屋が天嵬の隣に並んだ。

「気にすんなぁ。俺達は追うだけでいいんだぁ」

「どういうことだ? 戦わねぇのかよ?」

「程子の策を忘れたのかぁ?」

「…あぁ! そういうことか!」

 外国軍が考える事は一つ、カイタタハイラに逃げ込む事。逃げ込んでしまえば城壁があるため攻め込まれる心配はないし、軍隊再編の時間を稼ぐ事ができる。しかし外国軍の逃げる先には滝本達、騎兵五千が待機している。

 逃げながらも合流した外国軍は止まった。見事に程子の策が成功したのだ。正面には滝本隊、後ろには東西軍。外国軍の戦意が喪失した事は言うまでもない。外国人達は次々と馬を下りて行った。その光景を目の当たりにし、滝本、織田島は驚いていた。

「織田島殿、いかがです? うちの程子の策は?」

「…凄いとしか言いようが無いわい」

「正弦殿、程子殿は一体何者だ?」

「もともとは極龍組の経理です」

 二人は驚くしかなかった。



 東西軍は外国軍を囲うように布陣すると馬と鎧を奪い、西出身の兵士約三千を残して、滝本・正弦・新豪は降伏した外国人を上国へと護送を始めた。上西国大陸では外国人の事は天人に任せされているのだ。

「責任を持って天人の下に送ろう」

「任せたぜぇ~。滝本殿ぉ天人によろしくなぁ。正弦、極龍の奴らを纏めといてくれよぉ」

 正弦を中心に極龍組組員全員に馬を渡して松国に戻すことにした。

「了解しました。組長もお気をつけてください」

「組長~、俺も残りたいッスよぉ~!」

「新豪ぉ、おめぇぁ兄貴のとこで勉強して来い」

「組長まで勉強ってぇ!」

「行きますよ、新豪」

 新豪はしぶしぶこの場を去って行った。

「前慶ぇ、いいのか? 新豪は戦いたかったみたいだぞ?」

「あいつにぁ極龍組を継いでもらうからよぉ。わりぃな、天嵬にぁやれなくてよぉ」

「おい…マジかよ!?」

「…嘘ぉ」

 前慶は笑っていた。天嵬も嘘には気づいていて笑った。

「でもよ、組員返しちまっていいのか?」

「いいんだよぉ。東には堂紅奉もいるし、正弦と新豪もいるしぃ」

「東軍まで返すことぁねぇだろ?」

「これぁ程子の策だ。まぁ東王人が混ざってると動きづれぇってことだろ? 変な影響を受けちゃいけねぇし、与えちゃいけねぇ。仲違いになったらまずいからなぁ。程子のとこ行くぞぉ」

「なるほどなぁ。程子のやつぁこんなに頭良かったっけ?」


 残した西軍は外国兵の格好をしてカイタタハイラに潜入する。この策も程子が練ったものだ。

「程子君! なかなかやりおるなぁ! こんな見事な戦は知らん!」

 織田島が程子の背中を叩いた。

「ぐはっ! 痛いじゃないですか~。それに僕は男ですよ!」

 程子は珍しく笑顔ではない。

「だから程子君と…」

 赤坂が文化のことを教える。

「織田島殿、東では君を付けると女になるんだってさ」

「そうなのか…じゃあなんて?」

「だいたい殿を付けておけばなんとかなるよー」

「そ、そうなのか。打ち解けたつもりで君と呼んだのだが、じゃあ今まで通りで…程子殿、見事であった!」

 程子に笑顔が戻った。

「僕の初陣はみんなのおかげで上手くいったんだよー!」

「なに! 初陣!? ま、まぁ初陣にしてはよくできたじゃないか!」

「いやぁ、それほどでも~。これからは敵国の中に入るんで準備して置いてねー」

 そういうと幕舎に入って行った。

「聞いたか? 初陣だったと」

「知らないことがいいこともあるさー」

 二人は浮かない表情だった。



 外国軍に化けたのは赤坂・織田島・武古屋・天嵬・前慶の部隊に分けて、合わせて二千騎である。外国軍に見えるように旗を立て、鎧の上に不思議なデザインの陣羽織を羽織る。程子と周泰征は残る千騎で偽外国軍を追いかける役をする。城壁内にいる外国人に味方が追われているように見せるためだった。

 いざ、実行して見ると城門が開き、見事に偽外国軍はカイタタハイラに入る事ができた。城門近くは大軍が移動できるように平地に舗装されていた。待ち受ける外国兵も無く、城門近くはかなり手薄な警備であった。

「歯向う奴は殺せぇ! 俺らの腕の見せ所さぁ!」

 赤坂はどんどん奥へ進んで行った。

「俺らは城門を攻略するぞ! 抵抗しない奴らは縛っておけ!」

 武古屋は城壁の占拠を始めた。

「おらぁあああ~! 赤坂に遅れを取るなぁ!」

 天嵬が槍を振り回しながら進む中、後ろから織田島が追いかけてきた。天嵬・織田島は赤坂に並行するようにカイタタハイラの中を暴れまわっている。

「俺らぁこの国の中を回るぞぉ。どこから行くかなぁ…」

 残る前慶は前方に見える街を目指した。


「お~い! 天嵬殿、ここまでにして待機するさ!」

「あぁ? まだまだ行けるぜぇ!」

 並行して走っていた天嵬が近づいてきた。

「ここが元・連珠州(れんじゅしゅう)の州境さ。この先は本格的に外国のもんだ。さっき見かけた街はだいたい西の奴らが住んでるが、あそこは本当のカイタタハイラと言っていい。こっから先はさすがに俺もわからんさ。死にたいなら行って頂戴!」

 天嵬が遠く見る先にはまた城壁がある。その城壁は町全体を囲うものであり、東西どちらにもない文化であった。

「こぉ見えても馬鹿じゃねぇ、よ~し! ここで待機だぁ! ちゃっちゃとこんな服は脱いじまえ!」

 天嵬も織田島は部隊を止めて外国の鎧を脱ぐとその場に捨てた。

「しかし、改めて見るとこれはすごいな…」

 織田島の視線の先には堅固にできている城壁。西軍兵士達もここがカイタタハイラなのかと、東王国に入った時と同じような感動と不思議な感覚に陥っていた。


「おぉ、またすげぇのがあるなぁ。さすがにあの中にはぁ無理だなぁ」

 前慶は何か食べながら来た。

「おぉ前慶、やっと来たか…って、おめぇ何食ってんだぁ?」

 天嵬は食べ物を指さした。前慶は美味そうにもぐもぐと食べている。

「これぁここいらでぁ有名なハットステックだぁ」

 棒にパンが巻き付いた焼きパンである。

「ホットスティックさ」

 赤坂が前慶の発音を注意する。

「ハットステック?」

「スティック!」

「スタック?」

「やかましい! なんでそんなもん持ってんだぁ?」

 天嵬が割り込んだ。

「なんでって買ったからに決まってんじゃねぇかよぉ、馬鹿だなぁ」

「戦の最中に何買ってやがるぅ! お遊びじゃねぇんだぞ!」

「いやぁ~、言葉が通じるからよぉ、ついついなぁ。しかし、東と違って西は飯が高ぇなぁ」

「聞ぃてんのか、コラァ!」

 そこに周泰征を先頭に本隊が来た。

「天嵬殿、そこまでにしといてあげてください。組長には巡回を命じてあったんです。飯を買うとは思ってませんでしたが…」

「腹が減ってぁ戦ぁできねぇってなぁ」

「ねぇねぇ、それ、おいしー?」

 程子が近付いてきた。

「おぅ、なかなかうめぇぞ。またあとで買いに行くぜぇ」

「ちょっと頂戴!」

「駄目だぁ。俺が買ったんだぁ」

 程子に取られないように腕をあげる前慶。程子も粘る。天嵬は肩を落とした。

「ハァ…やる気なくすなぁ。シュウ、この後はどうする?」

「この国は、確か連珠州でしたか、連珠州は西が取り返したという形になります。しばらく外国の出方を見るしかないですね」


 武古屋は辺りを見回してみると、

「この国の雰囲気は西と全く違うぜ? 馴染めんのかなぁ」

「武古屋よ、東とも馴染んでいくのだ。徐々に馴染むのだ」

「織田島殿の言うとおり。そのうち馴染むものですよ」

 周泰征が言うと同時に前慶が急に叫んだ。何事かと皆、見た。

「もーらったー!」

「程子ぃ、人のもん取りやがってぇ!」

 二人はまだ取り合いをしていた。

「おめぇら、いいかげんにしねぇかぁ!」

「でもよぉ天嵬ぃ、あれ…、旨いんだぜぇ? そりゃ誰だって怒るだろぅ?」

 今にも泣きそうな感じだった。それには天嵬も顔を押さえた。

「嗚呼、なんでこんな奴が組長なんだぁ…!」

「そう言わずに…。きっと楽しくてしょうがないんですよ。西といい、この国といい、東とは違いすぎますから」

 周泰征が天嵬をなだめているが、赤坂は前慶達の様子を見ている。

「俺も楽しいけどさぁ、あそこまではなぁ…」

「と、ともかくこの国の国主を捜しに行きましょう」

 周泰征の指示で街の近くで陣を張ると、前慶と程子は買い物をしにいってしまった。



 元・連珠州の城があった場所に行くと城は建て直されていた。城と言うよりもキャッスルがあった。周泰征・赤坂・程子と精鋭百人が中に入る。人数に威圧された外国人警備兵達は手が出せなかった。赤坂が通訳として警備兵に支配者の所に案内させた。壁の細工も窓も床も見たことのないものばかりだった。

 支配者がいる部屋の前には背の高い屈強そうな警備兵がいた。どうしても通すことはできないと言う。周泰征が前に出ると力づくでも通ると言う。二人は睨みあって抜刀した。警備兵はサーベル。周泰征は木刀だった。赤坂が心配そうに見つめる中、程子はワクワクしていた。

 空気が張り詰めたが勝負は一瞬でついた。不殺木刀術(ふさつぼくとうじゅつ)を使い、足首、小手、二の腕を殴打されて警備兵はうずくまった。警備兵は周泰征を睨むが敵わないと判断して部屋の前から移動した。周泰征は警備兵に礼をすると、部屋のドアを開けた。

 部屋の作りはやはり西とも東とも違う。赤いじゅうたんが敷かれ、銀色の鎧を着た者が槍を構えていた。

「貴様達は何をしていルカ、分かっているノカ!」

「おぉ何を言っているか分かる」

 周泰征は少し安心した。そして続けた。

「我々はこの国を上西国に返してもらいたいと思っている」

「…ソウデスカ。軍も連れてきたノニ、城壁も建てたノニ、負けたトワ…。この国は好きにしてクレ」

 腰にあった剣を抜いた。赤坂が急に走り、支配者の腕を押さえた。

「無駄な事はよせ。お前のせいでこの国が滅びるんじゃない!」

「…これはシキタリ。セキニンでもアル…」

 支配者の手から赤坂は無理やり剣を離させて捨てた。外国のシキタリでは大きなミスをした時に詫びとして命を差し出す。自害である。程子はそれを知ると驚いた。

「死のうとしたわけ? 妙に諦めが早いねぇ?」

「外国人は計算主義なのさ。西は一騎打ちが主流だから強い奴が居れば巻き返しを常に狙えるが、そういう発想は外国にはないのさ」

「ともかくこの国は取り戻したわけだ。西に帰順しないものは出て行くように知らせを出そう」

 周泰征はさっそく仕事に取り掛かった。そこらへんにある机に紙と筆を持っていくと書き始める。


「外国は城壁が破られたし、外国軍もやられちゃったからもう駄目って事かー。諦め早いよねー」

 程子も紙と筆を持っていった。支配者たちは西軍兵士に捕らえたので赤坂が手紙を読みに来るが、

「おいおい、それじゃ読めないさ」

「なんで~? 綺麗な字だと思うけど? 僕は極龍組の中で一番字が綺麗なんだよ?」

「いや、字が違う。東も西も外国と字が違うさ。この人に書いてもらおうじゃない」

 支配者に紙を差し出した。

「この国に残らない者はもう一つのカイタタハイラに行くようにと書いて欲しい」

 周泰征の言う通りに支配者は書いた。

「外国はなんて呼んでるか知らないが、そこは元・立涼州(りつりょうしゅう)っていうさ」

 赤坂は支配者の書いた内容を確認する。程子も手紙をもらって読むが、何と書いてあるかさっぱりわから

ないので顔が曇った。

「ねぇねぇ、赤坂って外国語読めるのー?」

「ん~、ちっとはな。俺は独派の赤坂さ、何も知らないことはない、なんてね」

 鼻高々に答えた。

「…なんか、どっかで聞いた事のあるセリフだねー」

 程子は腕を組んで思い出そうとしている。 

「ワタシは、どうすれば? ワタシはもう外国に戻ることは許されまセン」

「では、あなたにも手伝ってもらおう。赤坂殿、この方の世話を頼む」

 周泰征の指示に、赤坂と支配者は握手をした。

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