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仲間集結

キェーーーーーー………

「ん?若だ!この声は招集の合図…」

声…違うの?

「若が呼んでいる!」

「旅の準備だ!」

日本全国に散らばった小ちゃいおっちゃんの仲間達に声が届いた


「これでよし!晶殿 一週間後に握り飯を頼んだぞ!」

「うん いいよ!」

快く引き受ける晶ちゃん

「おっちゃんの仲間って何人居るんだ?」

「何人じゃろう?数千万は居るんじゃないか?」

「ふ〜〜ん…数千万!そんなに居るのか!」

「呼んだのはその中の数十人じゃがな」

「おっちゃんスゴイんだな…」

「それほどでもあるぞ!」

調子に乗る小ちゃいおっちゃん

「おっちゃんの仲間か…楽しみだなぁ!」

「あやつらも驚くじゃろう…」

「なんでだ?」

首を傾げる小太郎


それから三日が経ち

最初に到着したのはサスケ

「若〜!」

「おぉ!サスケ!やはりお主が最初じゃったか!」

「お久しぶりです!」

「元気そうでなによりじゃ!」

「一体何が有ったんですか?」

「いや 何…今にわかる事じゃよ」

それから続々と小ちゃいおっちゃんの仲間達が集結して来た

「若!お久しぶりです!」

「若!ご機嫌麗しゅう!」

「皆の者!よう集まってくれた!」

「おっちゃん…偉そうだなぁ…」

「…偉そうって」

妖精界の若君 小ちゃいおっちゃん

「太郎ちゃ〜ん!」

「あっ 晶ちゃん来た!」

このやり取りに妖精達が驚く

「えっ?太郎ちゃんに晶ちゃん?」

「紅…驚いたろ…あっしも最初は驚いたよ」

「もしかして…」

「まぁ 待て!」

晶ちゃんが小丸と静を連れて来たのだ

「うわぁ〜!小丸ちゃんのお仲間さんがいっぱいだぁ!」

「は…初めまして!晶ちゃん…あっ…」

「いいよ!晶ちゃんで!小丸ちゃんのお仲間さんなんだから!」

「俺も 太郎ちゃんでいいぞ!おっちゃん 偉そうだけど!」

「小太郎殿…それは関係なかろう…」


「若…もしかして…」

「まず間違いないじゃろう…黄泉が言っておったし」

妖精達は胸に手をあて 跪坐く

この体勢は 妖精界で 敬意を表す姿勢

「どうしたんだ?」「どうしたの?」

妖精達は全員涙を流していた

「若…やっと…やっとお礼が言えます…」

「うむ…じゃが それはお主らの心に留めておくが良い 小太郎殿も晶殿もそれを聞いたところで…頭が混乱するだけじゃろう それにこの二人は…あの二人はそんな事を望んではおらん あのニ人も この二人も笑顔が一番!それを見せとうて お主らを呼んだのじゃから」

「そうですね なんとなく面影が見えます!」


「ねぇねぇ」

「なんですか?」

「姉ちゃん…どっかで会ってないか?」

「私にですか?」

「うん…なんか会った事あるような…名前なんて言うの?」

「私は紅です」

「紅姉ちゃんか…どっかで会ったような…」

「太郎ちゃんには私達が見えるから どこかで会った事があるのかもしれませんね」

「そうか…なんか毎日会ってたような…」

小太郎は遠い記憶の片隅にある 何かを見たような気がしていた


「しかし…さすがですね 太郎ちゃんと晶ちゃんは今何歳ですか?」

「七歳だぞ!」

「七歳で我々が見えるとは…」

「なぁ…俺も質問していいか?」

「なんですか?」

「おっちゃんの名前はなんて言うんだ?」

「薄若丸様です!」

「あぁ〜〜〜〜〜〜〜〜!」

小ちゃいおっちゃん…時既に遅し…

「薄若丸……薄若丸!」

「…何かおかしいか」

「だって薄若丸って…」

「おかしいか〜〜!」

「薄若丸…カッケー!」

えっ………

多分…全員がそう思った…

「小太郎殿…本当にそう思うてるのか?」

半信半疑の小ちゃいおっちゃん…

「だってさ!丸 って付いてんだぞ!カッコいいだろ!」

小太郎…薄 には気が付かないのか?

「そ…そうか…小太郎殿!褒めてくれるのか!」

「おっちゃん カッケー名前だな!」

「ぬゎっはっは!カッコいいだろう!」

胸を張る小ちゃいおっちゃん

しかし…

「薄って…小丸ちゃんも 丸 付いてるし…」

晶ちゃんの一言…

「晶殿…」

肩を落とす小ちゃいおっちゃん…


小太郎と晶ちゃん 妖精達は楽しい時間を過ごした

「えぇ〜〜!おっちゃんが 妖精界の 若君!」

「そうですよ!こんなんだけど… 若はスゴイんですよ!」

「サスケや…今 何か失礼な発言がなかったか?」

「いや 何も!」

「そうか?わしの空耳じゃったか…」

「ところで若君ってなんだ?」

「ん〜…わかりやすく言うなら 王子様?」

「王子様…冠被ったような頭はしてるけど…」

「太郎ちゃん上手い!そうだよ!若の頭何かに見えると思ったら冠被った頭に見えてたんだ!」

「サスケや…今も 失礼な発言をしおったな…」

「いや 何も…」

「…そうか?なんかチクチクと突き刺さるんじゃがのぉ」


「晶ちゃん…晶ちゃんの夢は何ですか?」

「ん〜 何だろう?わかんな〜い」

あの時の晶ちゃんの夢は お医者さん

「晶ちゃんは太郎ちゃんと仲良いんだね」

「うん!太郎ちゃんとはね 幼稚園の時に初めて一緒になったんだよ!太郎ちゃんはあんなんだけど…スゴイんだから!」

「へぇ〜!例えば?」

「いつも私を守ってくれるって言うか…」

「そうですか 太郎ちゃんは 今でも そうなんですね」

「今でも?」

妖精達は あの時 の二人が 小太郎と晶ちゃんだったのだと確信した


「若…」

「なんじゃ時来也」

時来也が小ちゃいおっちゃんに耳打ちする

「そうか…時を越えて夢を叶えおるか」

小太郎を見つめる小ちゃいおっちゃん

「小太郎〜!ご飯炊けたよ!」

「母ちゃん わかった〜!」

「小太郎殿 かたじけないのぉ」

「気にすんな!母ちゃんに作ってもらうか?」

「いや 晶殿がよいのじゃが…」

「いいよ!待っててね」

晶ちゃんがおにぎりを作りに行く

「皆の者 楽しみじゃのう」

「若は あれ以来食べてないのですか?」

「食べとらん…わしは毎日 小太郎殿がテーブルに置いてくれる飯粒じゃからのぉ」

「僕は毎日 晶ちゃんの食べてるよ」

「おぉ そうじゃな小丸の家主が晶殿じゃから」

「それは羨ましい!あっしは家主が寝静まったら自力で見つけるしかない…」

「私のとこも…」

「なんでだ?家の人に言えばいいだろ?」

「小太郎殿 何度も言うが わしらが見えるのはピュアな心の持ち主だけなんじゃ…今の世にわしらが見える者はほとんど居ないのじゃよ」

「そうなのか…」

晶ちゃんがおにぎりを作って戻って来る

「こんなんでいいの?」

海苔を巻かない塩おにぎり

「おぉ!これじゃ!晶殿ありがとう!」

「晶ちゃん…ありがとう…」

涙ぐむ妖精もいる

「皆の者!泣くでない!有り難く頂こうではないか!」

一粒ずつ飯粒を取る妖精達

「皆の者!行き届いたか!」

「はい!」「はい!」

「それでは いただきます!」

「いただきます!」

ただの白米のおにぎり

「ハフ…ハフ…美味い!」

「美味い…美味い…」

「この味だ…」

小太郎と晶ちゃんは頬杖をついて その光景を微笑んで見ている

「おっちゃん 美味いか?」

「美味い…美味いぞ…」

「良かった!」

喜ぶ晶ちゃん

「晶ちゃん とっても美味しいです!」

「小丸さん いいなぁ…毎日 これ が食えるなんて」

「僕 ちゃんと部屋もあるんだよ」

「えぇ!羨ましい…」

「おっちゃんも有るよな!」

「ま…まぁ…」

「それはそれは 若の部屋見せてください!」

「まぁ 良いではないか…」

小太郎が机の引き出しを開ける

「ここだぞ!」

「どれどれ……」

みんなが絶句する

「若…ここに居るんですか?」

「たまに寝てるとオメンダーに潰される…」

「ですよね…」

オメンダーが不敵に笑ってるように見えた…

それから しばらく楽しい時間を過ごした

「今日 みんな帰るのか?」

「おぉ!もうこんな時間じゃ!」

「今日 泊まれ」

「そうだよ!そうしな!」

「小太郎殿…晶殿…」


「デェ〜〜〜〜カイ家建ててみんな一緒に暮らそう!」

おっちゃんは あの日 太郎が言った言葉を思い出した


「皆の者…今晩は語り明かすか?」

「はい!若!」

晶ちゃんも泊まる事に…


「んじゃ 風呂入るぞ!男妖精は一緒に来い!」

「おぅ!」

小太郎に掴まり風呂へ向かう

小太郎達が風呂に入ってる時に静殿から昔の事を聞く晶ちゃん

「そうなんだ…四歳で…」

「そういう時代だったのです…」

「太郎ちゃんが総理大臣になったらそんな事絶対させないだろうなぁ…あの 太郎ちゃんが総理大臣になんかならないだろうけど」

「それはどうかしら?」

微笑む静おばちゃん

小太郎達が風呂から上がって来た

「小太郎殿!お主はわしを殺す気か!」

「おっちゃんがあんなとこに居るから悪いんだろ!」

風呂から上がって来て賑やかな二人

「どうしたの?」

「俺 頭洗ってたんだけど おっちゃんが俺の頭の上で寝てたみたいで…頭にお湯かけたら排水口に吸い込まれて行って…」

「そのまま永遠に寝るとこじゃった…」

「あっしが助けに行ったら 排水口に絡みついた髪の毛にしがみついていて…なんか 髪にしがみついている若…面白かった…」

「サスケ…」

「見たかった…」

「晶殿まで…」


「じゃあ 女妖精さん達 入ろ!」

「はい!」

晶ちゃんと静殿達が風呂へ


ガタガタ…

「小太郎殿…何しておるんじゃ?」

「おっちゃん達の寝るとこを…」

「わしらは 基本どこでも良いのじゃぞ…」

「せっかくだから みんな一緒に寝ろ」

小太郎は引き出しを引き抜き 小太郎と晶ちゃんの布団の間に置いた

「後はハンカチを敷いて…これでいいか!」

「小太郎殿…充分じゃ…すまぬのぉ」

「おっちゃん 良かったなぁ!」

「小太郎殿…」

「たまに みんな集めろ!おっちゃんのあんな楽しそうな顔初めて見たぞ!」

「ふっ…わしも あやつらのあんな顔を久しぶりに見たのぉ」

「それもこれも 太郎ちゃんと晶ちゃんが作ってくれた笑顔ですよ」

「おっ 静殿」

「いい湯でした」

「おばちゃんどう言う意味だ?」

「太郎ちゃんと晶ちゃんと私達は昔から深い繋がりがあるんですよ」

「ふ〜ん なんだか難しいけど…俺もみんなに初めて会ったけどなんか懐かしかったぞ!」

その日 ほとんど寝ずにみんなで語り合った


「お主ら 体に気をつけて暮らすのじゃぞ!」

「若達も」

「太郎ちゃん 晶ちゃん若達をよろしくお願いします」

小太郎と晶ちゃんは妖精達を駅まで見送りに来ていた

「みんな いつでも来いな!」

「また おにぎり食べにおいでね」

「太郎ちゃん 晶ちゃん このような お土産まで…」

一度握った握り飯を小さな包み紙に三粒ずつ綺麗に包んで妖精達のお土産としたのだ


妖精達はそれぞれの電車に乗り帰って行った

「それでは若!お元気で!」

サスケはトビに乗って


「小太郎殿 晶殿 なんとお礼を申せば良いか…」

「おっちゃん!お礼なんかいらないんだぞ!おっちゃんの仲間は 俺達の仲間だ!」

「静おばさんに聞いたけど こちらこそお世話になったんだから おあいこ!それにとっても楽しかったから」

小太郎と晶ちゃんの笑顔でおっちゃん達も笑顔になる















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