閑話後半 -side アンシャンテ・アヤメ-
リコリスとフリージアがコウに
会ってた頃からドラグルートまでの小話
後半はアンシャンテとアヤメです!
ーーアンシャンテside
‥‥思えば、ドラグルートに来る前から少し
彼女の様子が変だった
何かを迷って、此処に来ている様子だった
その事が俺にも影響し戦う最中も気になって
最初の野宿の見張り番の時に
フリージアに注意されたぐらいだ
最初の見張りで俺とフリージアとなり
今後の戦闘などを話し合って欲しいからという
リコリスの提案により俺とフリージアが
共に見張り番をする事になった
フリージアは俺と同じように
語る事を嫌うタイプだが最近は
少し雰囲気も変わり気になっていたのだ
最初に話しかけたのは奴からだった
「……アンシャンテ
何か気になる事でもあるのか?
気になってるなら相手に聴けば良いだろう
‥それか、考えずに行動してくれ
この先は少し手強くなる‥今は良いが気を付けろ」
「ああ、すまん、少し気になってる事があってな
自分でも分かってるから大丈夫だ
次から気を付けるから安心してくれ
‥そういえばフリージア
最近、少し雰囲気が変わったと思うが
何かあったのか?」
「‥自分らしく考えて生きて欲しいと
自分らしく生きて思ったり言いたい事は
口にするようにしただけだ‥
‥リコリスに‥そう言われた
心の無かった俺に心をくれた彼女の
‥その言葉がキッカケだろうな
だから‥君も何かを迷ったなら口に出す方が良い
‥黙ってると分からないと俺も言われたからな」
「……そうだな‥俺も‥同じか
君の心を与えた少女の言葉をキッカケに
少し変わっていきたいな」
「……俺に出来たんだ‥お前なら大丈夫だろう?
頼りにするぞ、アンシャンテ」
「俺の方こそ、よろしく頼む」
元々は仲の良い方ではなかったが
奴と話して少し分かった気がした
俺も奴も良く似ていたのだと
だからこそ戦闘の際には、お互いに
言葉を発する事がなくても理解出来た事も多く
非常に戦いやすくドラグルートの森にある小屋に
予定していたよりも早く着く事になった
そして様々な真実を知って
驚いたが‥やはり俺の心には彼女の心配だけだった
リコリス達がコウ王子の元へと向って行き
俺達は森の家にと待つ最中
サルビアは外の空気が吸いたいと言い
俺は彼女に付き添う形で2人で行動する事となった
彼女の顔を見れば何かを
決意したみたいな顔をしており
俺は嫌な予感がしていた
深い溜息をする彼女は憂い顔で
俺も声をかける事にした
ーー口にしないと伝わらない
そう教えてくれた彼女に感謝した
彼女の話を聞くには彼女は
俺を好きだから身を引くのだと言い出した
自分が[転生者]で俺の事を知ってるから
だから一緒に居たが共に居られる立場じゃないと
そう、彼女は泣きながら告げる
聴いていて俺は馬鹿らしいと思った
それを決めるのは俺だと
‥思ったから、まず行動する事にした
彼女の真正面に来て彼女の泣き顔を見る
泣いてるのが俺のせいという事にも
非常に嫌だったし、泣き顔を見るのも嫌だった
だから彼女を鼓舞するように
彼女に近づいて彼女の額に口付けをする
彼女は少し泣き止んで、驚いた顔をした
驚いた彼女の顔を見ながら
俺は思ってた自分の想いを彼女に告げる
俺はサルビアが‥サルビアだから好きなのだと
普段は恥ずかしくて言えないが
俺に相応しくないと弱い部分を
見せてくれたサルビアに向けて
俺はサルビアの、彼女の、お陰で
此処まで頑張れたのだと
伝わらないかもしれないが‥俺自身の言葉で
彼女を励まして、そして再び、彼女の
頬にと口付けをする
本当は恥ずかしかったが
彼女が、サルビアが自分を肯定出来るならば
俺自身を使ってでも彼女を励まそうと思ったから
彼女は泣きやんで、少しすると笑って
そして‥ゆっくりと俺に尋ねる
「ふふっ、アンシャンテ
‥‥‥私‥本当に貴方の側に居て良いの?」 と
俺の答えは決まっていた
こんなにも胸が熱くなるのは
心が揺さぶられるのは彼女だけだから
「ああ、当たり前だ」 と
そう答えると彼女は不安そうにしながら
「私、転生者だけど
貴方の事を好きになってもいいの?」 と
また弱そうな声で尋ねてきたので
「くどい、君の疑問の答えは全て[はい]だ!
良いな?サルビア!」と思わず
反射的に彼女に言っていた
彼女は「‥‥はい、アンシャンテ」と
笑顔を浮かべて嬉しそうな声で答える
彼女の笑顔を見ながら
俺はサルビアにサルビアらしく居て欲しいと
そう彼女に告げる
彼女は誤りながらも笑顔で答えていた
……口にしないと伝わらない‥か
本当に、そうだった
フリージアと彼女には感謝しないとだな‥
そう思いながら俺はサルビアと共に
森の家の中にと戻りリコリス達の帰りを待ち
そして再び長いドラグルートの森を抜けて
王都へと戻っていくのであった‥‥
fin
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-side アヤメ
全て知っている事を彼女に告げたのは
ドラグルートで最初の1日が終えて
共に見張り番をする時だった
彼女は納得したように私に教えてくれた
「‥父さんがね‥父さんじゃない事は
なんとなく予想してたんだよ
帰って来ない事の方が多かったからさ
‥そっか‥フリージアのお父さんのハクさんが
私が今まで[父]と思ってた人なんだ‥
ありがとう、教えてくれて」
「……君は、どうして‥そんなに強いんだ?
それに、どうして、そんな信じれるんだ?
私が嘘をついて君を
傷つけようとしてるかもしれないのに‥」
「アヤメは、そんな事しないでしょ?
それに嘘ついてても、私はアヤメの言葉を
絶対に信じてると思うよ
だってアヤメは昔に好きだった友達に似てるもん
私の友達はね、私が優しい嘘をついても
絶対に私を責めないだろうから」
「……そうか
私に大切が親友が居たのは君に話しただろ?
やっぱり、君は、彼女に似てるよ」
「アヤメの親友か〜絶対に優しい子だろうね!
私もね‥大切な親友が居たんだ
ずっと小さな嘘をついてたけれど
謝っても許してくれるかなぁ‥不安だなぁ‥
手紙を書いて親に渡すように頼んだけど
渡してくれたのかな‥?読んだのかな‥?
1人は嫌われてたから半分、諦めてるけれど
もう1人なら読んでそうだけど‥分かんないなぁ」
ーー手紙を書いた?
ああ、ああ‥やっぱり"彼女"だ
私の大好きな親友だった千里は
絶対に彼女だ‥
ああ‥会えた‥本当に会えたんだ
「絶対に親が渡して読んでるって私が保障する
あのさ、リコリス、全て終わったら
私の親友の話を、もっと聴いて欲しいんだ」
「え?私⁇良いよ?あ、サルビアも呼ぶ??
それとも2人が良い?
サルビアはアンシャンテの事で悩んでるけど
絶対に旅の中で一悶着して仲良くなってそうで
邪魔するのも悪いんだよね」
「うん、2人でもいいし
彼女も呼んでも楽しそうだからいいよ
転生者同士なんだ、過去の話も全て
お互いに、ゆっくり共有しよう」
「あ、良いね!絶対だからね?
アヤメはさ、好きな人とか作らないの?」
「そうだな‥今は‥考えてないよ
全て終わったら考えても良いかもしれないな
まだ先は長いからね」
「まぁ、そうだけどね‥気になる人とかは?」
「……うーん、今は
クリス‥ハルジオンが気になるかな‥
時間を繰り返した理由があるはずだと思う
それを聞いてみたいという部分でね」
「転生や輪廻の基準が知りたいの?」
「まぁね、私達は"誰かに会いたい"や
"死にたくない"とかを最後に思ってただろう?
ハルジオンやクリスも、同じように
何かのキッカケで輪廻してるんじゃないかと
そう考えていてね‥ハルジオンと
話す機会があれば少しずつ聴いてみるよ」
「分かった、何か分かったら
また、教えてくれる?」
「ああ、もちろんさ」
彼女と話して私は再び考えて
分からないまま、ドラグルートの森の家に着いた
サルビアとアンシャンテに
一悶着あるとリコリスの予想通りに
2人で何かを話す雰囲気を感じ
外に出るのは断りハルジオンと共に残る
ハルジオンは、ずっと考えていて
何かを聴く雰囲気でもなかったから
私自身で少しだけ空想パズルのように
分からない部分を想像し組み立ててみる
私達と彼女やクリスとの共通点
考える限り、国の中では魔が強い方だ
だがフリージアも魔の強さがあるが
輪廻してない事を踏まえてるならば
"会いたい"や"生きたい"と願ったからだろう
リコリスとサルビアは生きたいと願って
私やクリス、そして多分だけどハルジオンも
会いたいと強く願っている
私の予想があってればだが
きっと間違いないはずである
全て終わった時に聴いてみても良いかもしれない
まだ先は長いのだから‥
ドラグルートから王都に戻りながら
アイシャを断罪し終わって平和になったら
私は聴いてみようと思い
長い道を歩んでいくのであった‥




