表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
メモ(おとちが)  作者: riyo
リコリスと花 編
91/204

交渉と真実と

「さて、今までの話は聞いてたんだ

君らは僕達が国を引き継ぐべきだと言った

それは当たり前だ、なにせ僕は

元スピルートの王子で彼女は本物の王女だから」


「ええ、そうですね

けど貴方はアリシア姫に何も知らせてない

私がスピルートの真実を話す前に来るなんて

‥嫌なんでしょう?

全てを言うのが‥ねぇ、ハクさん?」


「⁈え?どういう事なの?リコリス?」


「そっか君が彼女達を連れて来たのは

理由があったんだね‥それが理由か」


「私、連れてきた人選まで考えて来ましたから

貴方が受けざるを得ない人選でしょ?」


「‥‥ああ、そうだな

でも君が話せばいいんだろ

‥それに知らない方が

幸せとは思ってくれないのか?」


「私は全て想像で考えて来てます

真実を知る人が話す方が

きっと父さんも幸せだと思います」


「そうだろうな

なぁ、アリシア‥全て聴いてくれ

そして僕やコウを‥いや、もう無理か

‥俺はスピルート第2王子だったんだ

一番上は第1王子クロは国を攻めた馬鹿な兄

そして双子の弟で第3王子のコウ

俺とコウは見た目は違ったけれど

好きな食べ物とかは一緒だった‥

比較されるのは王子としての資質や才能

優秀だったのはコウの方で‥

それが俺にとって悔しくて俺はコウが嫌いだった」


「貴方も優秀だと思います

だって……国を失う覚悟をして

攻めるように告げたのは貴方なんでしょう?」


「‥そうだよ、俺とコウは見た目が違うだけ

見た目を変える"魔"の"技"をコウが教えてくれた

そして良く入れ替わっていた

君のようにね、アリシア姫」


「……まさか私やアイシャに会ってた時も

入れ替わっていたんですか?」


「‥そう、俺達の間違い

でも‥俺にとって君が初恋だったんだ

‥けれどアリシア姫と婚姻を結ぶ予定はコウだった

国と国の繋がりに選ばれたのは弟

‥‥それが嫌だった、悔しかった

だから身分を偽って

弟の婚約者を見に行ってた俺はコウに提案したんだ

アリシア姫と会わないか?って」


「父さんはアリシア姫に一目で惚れた

双子だから同じように好きになっていたから

自分と婚約者となる彼女の事を

祝福するだろうと思った‥でも父さんも間違えた

貴方がアリシア姫に恋をしていると思わなかった」


「そう、初めて恋をして敵わないと感じたよ

けど弟は気づいてなかった

俺達が入れ替わってるように

‥彼女達の入れ替わりを気づいてなかった」


「……父さんが気付かなかったからこそ

貴方は、それを利用したんですよね?

そしてクロ王子に国が弱いから

攻めたら落とせるとか

嘘をついたんじゃないですか?」


「……そう、でも大変だった

だから相手の国の人にも協力して貰った

協力したのは

クリシュテル家とレーギス家と

パシリス家とムクリム家‥あとは

好意的じゃなかったけど

シュヴァイーツ家も最終的には協力した

此処に揃ってる人達の家なんだよね」


「リコリスさんやコウさん達の

エリュトルブ家は?」


「エリュトルブは元々、母が作った苗字だ

スピルートでは王家に入ると苗字を与えてくれる

‥その苗字がエリュトルブだった

フラルメイリーに移住する時に借りたんだ

スピルート方面では今は元貴族の家だ」


「…そうですか

私は国の全てを把握できてないんですね」


「普通は庶民の苗字まで把握できないよ

スピルートでは庶民の苗字は

国で決めてるから殆ど同じなんだ

だから、この国が羨ましかったよ」


「……貴方は私が好きで国を失う覚悟で

此処に来たんですか?コウさんすら騙して」


「そう、幸せだった、君といる時が

入れ替わりを見抜けない弟よりも

俺の方が相応しいだろうと父さん達に伝えたけど

決まりだから‥諦めろとだけ

でも‥君と約束したのは本物のコウだった

羨ましかったんだ、君と約束する2人を

俺にも教えてくれなかった‥約束

子供の‥名前だったなんて敵わないなぁ‥」


「‥父さんとハクさんは国を攻めた後に

どうなったんですか?」


「……コウは気付いたよ

俺がアリシアを好きな事を

そして全てを告げた、入れ替わりもね

…でもコウは失敗してた

アイシャには子供が出来てたからね

俺はコウと入れ替わってアイシャに

入れ替わるように告げた

俺の予定通りにアイシャとアリシアは入れ替わった

コウは俺の言葉を信じてなかったけれどね

俺は此処でアリシアが来るのを待ったよ」


「‥父さんは、2人が入れ替わってるのを

子供が出来てから本当に理解した

後悔したから片方の子供

自分の色を持つ子に約束の名前を名付けた

アリシア姫も父さんと約束した名前を

子供につけたんですよね?」


「……え、ええ

私とコウさんとで約束したの

もし結婚できたら子供に

最初に産まれた子が男ならフリージア

女の子ならリコリスだと

その事は私とコウさんで2人の秘密だった」


「……コウは全てを理解して

自分が名付けた子を連れて逃げた

俺とコウが入れ替わってた事は俺達しか知らない

目撃した奴らはコウが倒した

‥でも深手を負ってしまった」


「父さんは、今も眠ってる、このドラグルートで

深手を負って倒れる前、貴方に私の事を託した

そして父さんの代わりに私を育てた

ドラグルートから少し離れた場所の田舎町で

……そうですよね?"お父さん"?」


「…お父さんは‥やめてくれ

俺が君を育てたのは事実だ

大切な2人が約束した名前の子供だったから

幼い頃は俺達の母さんの妹に頼んだ

その妹にも同じぐらいの子が居たからな

確かレナ、そうだったな?」


「はい、そうです」


「…コウは…起きない

あの時から、もう何年も起きていない

回復の"魔"の"技"を与えても

俺が揺さぶっても眠ったままだ

‥コウと話せない状況の中、ずっと色々と考えた

なぁアリシア‥君さえ良ければ声をかけて欲しい

リコリスもフリージアも頼む

アイツが目覚めたら後は君の好きにしたらいい

俺は君に怒られる覚悟をしてたからな」


「……会わせて下さい

もし起きたら私の好きにしていいんでしょ?ハク」


「ああ、約束する」


「そう、なら行きましょうか

フリージア、リコリス、行きましょう

ハルジオンさん達はどうしますか?」


「私は此処で待ちます

終わって決まったら教えてください」


「私も此処で待ちます

お邪魔でしょうから、ね?アンシャンテ」


「そうだな、彼女達の事は任せて欲しい」


「アヤメは?どうするの?」


「私も遠慮するさ

気をつけて行っておいでリコリス」


「そっか、分かった

フリージアも良いの?行く事になってるけど」


「……俺は構わない

父さんと母さんの望みだし

君も行くんだろ?‥それに俺も

会ってみたいからな‥名付け親でもある君の父に」


「‥そうだね

案内、お願いしますハクさん」


「ああ、こっちだ」


「行ってくるね皆」


「「「「行ってらっしゃい」」」」」


集まってくれたメンバーの顔を背に向けて

私は家の扉から出て

未だに眠っている父さんの元にと向かう


先頭で案内するハクさん


その少し後ろを歩くアリシア姫と私とフリージア


少し緊張しながらも歩んでいく


数分も経たないうちに山に穴が開いて

まるで洞窟のような場所でハクさんが止まる


「此処だ、本当に‥カケだからな

起きるとは限らない

それでもいいか?アリシア」


「ええ、覚悟してますから

リコリスは大丈夫?」


「……大丈夫です、私は覚悟してましたから」


「…そう、行きましょうハク」


「ああ」


ハクさんは私達の言葉を聴いて

洞窟の中に先に入っていく


中は道は狭いながらも

等間隔で灯りがついており

あまり薄暗くはなかった


そして、しばらくしない内に

大きな場所にと着いた


真ん中にはベッドがあり

ベッドの上で眠る赤い髪の男性、コウだった


眠る父を見て、その場に崩れるアリシア姫


その後ろで私は、立ち止まって

眠る父の姿を眺めるのであった‥…

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ