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メモ(おとちが)  作者: riyo
リコリスと花 編
82/204

君の出した答え -sideクリス-

僕は分かって彼女に選択を迫ったのだ


僕と彼とで彼女が悩んでる事も知っていた


だからこそ答えが知りたかった


そして、その答えが、どういう答えかも

知っていて彼女に聴いたのだ


予想していた答え通りだったけれど

僕は後悔していない


今までの"彼女"とは似ているようで少し違う()()


僕は、彼女の全てが大好きだった


だから、嫌われてなかった事は嬉しかった


けれど彼女の「特別」になれなかったのは

少し悔しくて、けれど選んだ相手を知ってるから


僕は後悔してないし、"彼"を選んだ事を

彼女自身に後悔して欲しくなかった


ーーだから


「だから泣かないで良いんだ

君には笑顔が似合うんだから

‥笑ってよ‥君に酷い選択をさせて

僕の方が駄目なんだ‥だから‥ね?」


「‥どうしてなんですか‥

ハルジオンも、そう言って笑って許して

‥私は、以前の私も今の私も

ずっと‥後悔してばかりで‥どうして‥なんですか?

‥なんで私なのっ!?」


「‥‥僕もだけど君は明るくて優しくて

周りを笑顔にさせる人なんだ

僕のような変わった人にまで優しさをくれる

‥閉ざした僕らの扉を開けて癒してくれる

それが優しくて‥居心地が良くて‥好きなんだ

君が以前と君と少し違うぐらいで

僕やハルジオンは、嫌いになれないよ

ずっと好きな気持ちは"変わらない"し"変われない"

今回は、フリージアに負けた、それだけ

もう一度、繰り返しても僕は後悔しない為に

告白して君を困らせたんだよ‥だから僕が悪いんだ

次に覚えてなくても、僕は、きっと

また君が好きなのは"覚えている"と思うから」


「‥クリスは悪くないよ‥私は‥

私が明るくするのは、周りが暗いのが嫌だから

優しくするのも‥私は自分が嫌われたくないからで

選択して良い"私"を作ってるだけで‥

だから本当は寂しくて、嫌われたくなくて

私は"皆に嫌われない私"を作ってるだけ!」


「‥うん、知ってるよ、僕もだからね

だからこそ僕は相応しくない

君に幸せを与えれるのも君に幸せを教えるのも

きっとフリージアなんだよ

だから、こうして選んだ‥違う?」


「……違わない‥けど、クリス

私はクリスも、皆も、同じくらい好きなんです」


「うん、そうだね

けれどフリージアは違う

‥それって、ちゃんと彼のこと好きって事だ

僕やハルジオンの事は気にしないで良い

何度も何度も繰り返してやり直しても

次は、覚えてなくても僕らは後悔しないし

君が生きて幸せになる選択をしてくれるなら

僕やハルジオンは、それだけで幸せなんだ」


「……本当、ですか?」


「うん、だから安心して‥決めて欲しいな

‥って言っても君は決めてそうだけど」


「‥そんな事‥無いです

まだ悩んでて‥フリージアを

連れて行く方がいいのか‥とか

私には、まだ決めれなくて‥

‥私の過去の事も伝えて連れて行くか

それとも何も告げずに置いていくのか」


「……そっか、そうだな‥

僕だったら知りたいけれど

‥けどね‥何度も言うけれど

僕は君が死なないなら、それで良い

君の描く未来では彼の母が生きているんだ

それなら伝えなくても良いとは思う

全て終わってから伝えた方が良いとは思うけどね

でも自分らしく、後悔しない生き方をすれば良いさ」


「……そう、ですね」


「これは、あくまで僕の意見だから

ちゃんと君自身が考えて欲しいな

君の出した答えを見守るよ

そして出した答えの先に

君が幸せそうに笑ってくれる事を僕は願うよ」


「……なんか、ごめんなさい

告白を断りに来て、なんか相談に乗ってもらって」


「良いよ、別に

それに、僕は[ごめんなさい]って嫌いなんだ

[ありがとう]って笑ってくれるなら

僕は、それだけで幸せだから」


「…ごめ‥‥‥っ‥‥本当にありがとうクリス

私、クリスが居て良かった」


「そう言って貰えて僕も嬉しいよ」


彼女が、僕の部屋から出て行く


上手く僕は笑えていただろうか?


僕も彼女と似たようなものだ


彼女に好かれたくて"自分"を偽っていた


そして偽りの中で誰からも嫌われないように

ずっと頑張っていた


そんな彼女が見つけた[特別]がフリージアだった


ただ、それだけの事なのに


少し悔しくなって泣きそうになった


ずっと好きだったんだ


ずっと


ずっとだ


繰り返して繰り返して思い出すのはリコリスだった


最初に恋を知ったのが、彼女を亡くした時で

その時から、ずっとだった


今までと違う"彼女"になってからも

ずっと好きだったんだ


「……分かってたとはいえ

結構、辛いなぁ‥‥少し自信あったんだけどな‥」


ふと部屋の天上を見上げながら呟いた


自身の瞳には、涙が出ているのであった‥‥‥

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