選択 -side プルメリア-
私には好きな人がいた
けれど、あの日、母さんの大宣言で
私は彼女と付き合えないと分かった
私の好きな人は宣言の後に
まるで逃げられないよう宮廷に閉じ込められた
喚く事もなく、仕方ないという顔で
大丈夫と笑う自分の妹になった彼女を
私は、ただ見守るしか無くて
何か出来ないのかと色々と模索していた
国に残る古い文献では双子にしか、魔が継げない事と
片方に必ず"鍵"が引き継がれる事が分かった
けれど魔を救う方法だけは
城で管理している本棚には無かった
どうすれば私は大好きな彼女を
大好きだった彼女を今は私の妹を救えるのだろう
そう考えている中でも期限は迫っていた
彼女が、妹が魔となってしまう
その前に沢山、話さないと、そう思って
彼女の所に何度も何度も
忙しい合間を見つけては訪問していた
もうすぐ最初の選考メンバーが決まる前日の事だ
「元気そうで良かった
あまり来れなくて申し訳ないけれど‥
‥それで決まりそうか?連れて行く人は」
そう私が部屋の椅子に座りながら尋ねると
彼女は決意した目で私の名を呼ぶ
「プルメリア様」
彼女は私の妹で、私と同じ王家の生まれだった
そう思って私は彼女に言う
「やめてくれ、君は私の妹なのだろう?
私の事はプルメリアで良い
もしくはお姉様なんて呼んでも良いんだ
私は、どちらも嬉しいから」
そう本心を伝えると少し恥ずかしそうにしながら
「‥‥じゃあ‥プルメリア
今から伝える事を信じて欲しいとは思わない
けれど、私は伝えるべきだと思うから
‥だから、だから聴いて欲しい」
そう真剣な顔で彼女が告げる
「何をだ?」
そう私が尋ねると彼女は
「この国の過去を暴き
未来を決めるかもしれない私の選択を
そして私の事も、全て
覚悟して聞いて欲しい
信じて欲しいとは思わないから」
そう真剣な顔で伝えるので私は思わず
「ならフリージアも呼ぶか?
私の執事だが頭が良い
フリージアに聴かせたら
君よりも良い国の未来の選択をするかもしれない」
そう言うと彼女は
「ううん、それはないと思う
それに私は、今はプルメリアにだけ聴いて欲しい
先に聴いてフリージアさんに伝えるかは
2人で決めたいから」
そう真剣な眼差しで彼女が言うので私は覚悟をして
「わかった」
そう答えると彼女は、ゆっくり話してくれた
実は自分が"転生者"であり
自分が王族の生まれだと知っていた事
この国に代々と受け継がれている"魔"の
終わらせ方も彼女は知っていた
魔を終わらせるには[生贄]となる人を
邪神と呼ばれた神に渡さないといけない事
その生贄に相応しいのは彼女か母だという事
なぜ母がと思ったのだが
彼女は私の母が、私達の母がアリシアではなく
アイシャであり、彼女と同じ魔を
受け継げる存在であり
相応しいのだと答えてくれた
魔を終わらせるには
鍵である私が、どちらかを選び
魔物が継いだ状態で絶望した時に
私と彼女とが願わないと開かない事
憑姫となったアリシア様を救う為に
此処まで連れて来て、魔の部分を母に受け継がせ
そのまま終わらせたいのだと
憑姫には子供が誕生しており
それが私の執事のフリージアで
フリージアには魔を受け継げる能力はないが
同じような力は存在しているが魔憑きになれない事
辛い選択だが、私か母か
どちらかが犠牲にならなくてはいけなくて
それは私が決めて欲しいと彼女が言う
私は、混乱しながらも冷静に
考えて、答えを出した
母を犠牲にする、と
母が行った事は許せない事だ
罪を償う為にも、彼女を絶望させなくてはいけない
例え、それが私や彼女の母親でも
彼女に伝えると少しだけ安心したように笑った
フリージアに伝えるのは彼女の役目だと思った
だから私は彼女にフリージアには
伝えなくても構わないとも言ったし
ただ彼女がフリージアに伝えたいなら
私も協力しようとも伝えた
けれど私は思った
こんな事、伝えてはいけない
私は彼女に森に行く時は、なるべく誘って欲しいと
そう伝えると彼女は分かったと告げてくれた
彼女は付き添いには憑姫を殺さない人を選ぶのだと
そう、答えてくれた
私は彼女の意見に賛成し
候補の人達を1人ずつ呼んで憑姫の印象などを
尋ねて意見を聞いて整理をする
これが国を束ねる予定である私の仕事だ
こうして何名かに絞り、彼女に見せると
悩んだようにしながらも、候補の中から決めた
私の決意から、始まったのだ
この国に魔を終わらせよう
私が成人し
国を引き継いだ、この時から




