僕と妹と誕生日 -side アドニス-
僕の家は少し変わっているのだ
変わってるのは誕生日のプレゼントの事で
僕の誕生日は女の子みたいな可愛らしい物を
逆に妹の誕生日は男の子の持つ物をプレゼントされる
僕の家は普通の家から見れば異様だと
誰もが思うのだろうけれど
家柄などを含めて見ると
普通だと思われてしまい仕方ないのだろう
妹が男の格好をして"男の理想"を演じるのに対して
僕は女の格好をして"女の理想"を演じる
それが日常で当たり前なのだと言われた
しかし僕は男なのだから
女の理想なんて分からなくて演じるのが
とても難しくて僕は幼い頃から両親から怒られていた
けれど妹は天才だった
それこそ、幼い時から
母の言う"誰かの理想の男"を演じていたのだから
僕は妹とは凄い天才なのだと、そう思うしか
いや、そう"思わない"と
僕自身が辛かったのだ
誰かの理想なんて分からないのだから
だから、妹に、どうして
[誰かの理想]というのを
演じれるのかを聴いた事がある
妹は、少しだけ悩んでだ後に
「私は、大好きで特別な1人が喜ぶ顔を想像する
その人が好きな人を演じてるだけさ
"偽物"を日常的に"演じて"しまってるからこそ
私は、"私"が分からなくなるけれど
この家では"理想"を得るには"自分"を捨てないと
評価が貰えないというだけ
兄さんは、今のままで良いと思うけど」
真剣に、そう話す妹の顔を見て
僕は彼女のように、なりたいと思った
誰かの理想は妹が理想にしよう
少し男らしいけれど、普段の妹はアヤメは
とても女の子みたいで可愛らしいから
誰かの幸せは‥‥‥‥そうだ
少し天然な少女にしようか‥確か名前はリコリス
彼女を少し見て素敵だと思って
話しかけたけれど彼女は見てくれなかった
けれど彼女は、とても優しくて素敵な人だった
なんせ妹が信頼している人なのだから
そんな彼女や妹から祝福の言葉を告げられる
嬉しい
幸せだという気持ちを知れた
だから、理解した
そうか、これが誰かの為の理想の幸せと評価だと
わかったなら演じられる
僕は、再び演じるのだ
誰かの為に
自分すらを犠牲にして




