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メモ(おとちが)  作者: riyo
リコリスと花 編
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救いの光 -クロユリside-


閑話


フラグへし折れ無かったリコリス


その裏でクロユリが、どう思っていたのかの話

私の名前はクロユリ


黒髪で黒瞳のヴァリクラルテ帝国では

良くある顔立ちだったのだけれど‥

フラルメイリー国内では珍しい髪色と瞳みたいで

家も裕福な方だと思います


そんな私も小学生となり最初の学校は

母様の母国であるヴァリクラルテ帝国の方の学校で

凄い裕福な人達が集まって必ず挨拶は

ごきげんようという言葉で始まって

神様に祈ったりマナーを学んだりしましたが

‥‥しかし楽しくなかったのです


全然、学校の話を聴かれても何も答えなかった私を

心配した両親は

幼い頃から仲良くしていた父の

親友の息子であるクリスを思い出しました


クリスと私は仲が良く彼が通う学校なら

私が学校の話を嫌でもするのでは?と思ったのか

父の故郷であるフラルメイリー王国にと戻り

クリス達が待つ新しい学校に

2年生から転入生という形で転入したのです


新しい場所、新しいクラスで

一際と目立つ、赤い髪と赤い瞳を持つ凄く

素敵な女の子が居ました


誰かと話す訳じゃなくて

本を読んで一人で居る綺麗な女の子を眺めながら

私は彼女と友達になりたいなって思った


1年から、この学校に通っている幼馴染のクリスに

彼女の事を尋ねると、彼女の名前が

リコリスだと教えてくれました


クリスは1年の頃に彼女と同じクラスだったらしく

彼女とは親しくはないが男性からは人気で

話題にはなるみたいでした


彼女に話しかけたいと思っていたのに

私の周りには3人組の女の子達が机を囲っている


転校してから、ずっと周りにいて

一方的に話しかけている人達が嫌でした


最初は聞かれた事に答えていたけれど

返事する事なく無視していても

一方的に私の所に来て話しかけてくる


私は彼女達に"嫌"とは言えず

本当は話しかけて欲しくなかったけど

耐えれば、諦めてくれると信じていた


でも彼女達は諦めてくれず

家にまで着いて来たり

(流石に家の近くになって嫌と言ったが

気にしないで、とか押し切られたり)

何も言わない私に、ずっと何かを話し続ける彼女達


これは新手の虐めなのでしょうか?


ずっと続くならば

先生に言って注意して頂きましょう‥なんて


そんな事を考えていた日の事だった


教室の扉の席で、ずっと本を読んでいて

私が一番、話しかけたくて

友達になりたかった女の子、リコリスが

突然、私と彼女達の前に来て


「ねぇ、やめなよ!

クロユリさんが困ってるでしょう?」と

彼女達に言ってくれたのだ


本当に嬉しかった


でも彼女達は「え、そんな、嘘‥」と

彼女に向けて呟いた


違う、そう思っていると


彼女は私と彼女達を見て


「嘘じゃないよ

私から見ると貴方達がクロユリさんを

虐めているようにしか見えないよ?

どうかな?クロユリさん?大丈夫?」と

一方的な事を指摘してくれ

そして私の心配までしてくれた


これには彼女達も驚いたように


「え?本当?クロユリさん?」と尋ねる


一方的だった彼女達が意見を聞いてくれそうだと

そう思った私は


「‥‥ええ、すいません

あの、ありがとうございます

‥助かりました‥虐められていると思ってたので‥

耐えれば諦めて下さると思ってたのですが‥」


と今まで思っていた事と

助けてくれた彼女への御礼も込めて告げた


すると彼女達も


「ご、ごめんなさい!!!

私達はクロユリさんと仲良くなりたくて

その私達の事を知って欲しくて

話しかけてただけでさ、虐めてた訳じゃないの!

だから、だから、あの‥許して下さい!

その‥友達、なって欲しいです」


と今までの事を謝ってくれた


でも本音を言えば

私は彼女達と仲良くなりたくない


きっと私を一番に理解して

大切にしてくれる人と仲良くなりたい


初めて見た時から気になっていて

大変だった状況を助けてくれた恩人だから


私は助けたリコリス(彼女)と仲良くなりたいから

彼女達の言葉に頷きながら尋ねるのだ


「ええ‥虐めてたんじゃないなら許します

あの助けてくれた貴女も

私と友達に‥仲良くして下さいます?」


そう尋ねると彼女は

少しだけ困ったように、でも嬉しそうに


「うん、もちろん!

私はリコリス、リコリスで良いよ!

友達なら敬語も、なし、ね?」と

優しく笑いかけてくれた


その笑顔が凄く可愛くて


私は思わずドキッとした


彼女と友達になれて良かった


私は彼女が大好きになった


優しくて勇敢な赤の髪と瞳を持つリコリスの事を


私を救ってくれた赤い救いの光


私の、大切な人

クロユリがリコリスを好きになるキッカケが

今回のフラグです


クロユリさん意外とズル賢いですw

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