愉快なる遊び -side ⁇?-
ーー面白い
実に面白かったのだ
我が"神"から奪った開けてはいけない<箱>と
その箱を開ける<鍵>を奪って
遊んでやろうと、そう決めた時から
ーーいや正確には
開けられない<箱>と開けるだけの存在である<鍵>に
自身の力を使い[人]にした時から‥だろう
我の力を使い開けてはいけない<箱>は
"禍"を
自らの"糧"として自分が住む根城として決めて
我自身が作った<箱>は<鳥籠>と名称し
開けてはいけなかった<箱>から
<鳥籠>を見る為に作った
ーーこうして"遊ぶ"材料と
遊んだ物を見る場所を作り上げた
<鳥籠>は以前の<箱>と同じ存在として
我が作った物を置いて遊ぶ"遊び箱"になった
唯一、我が存在する<禍箱>と
<鳥籠>を開ける事がが出来る<鍵>の[人]を
我が力を与えた[鍵人]を<鳥籠>の中に入れた
同じように自分の力を与えながらも
忌み嫌われる役割を与えられた"魔"を
"鍵"と同じように<鳥籠>の中に入れた
出来た<鳥籠>は我のみが鑑賞が出来る[箱]となった
[箱]の中で生きているか死んでるかさえも
我以外には見えない[箱]
ーーそれが面白く愉快だった
我が作った<鳥籠>で<鍵>であり
[人]になった"物"は<鳥籠>の中で少女の形となった
同じく我の力を与えた"魔"は[龍]となり
<鳥籠>の神として名前を与えた
少女にはヴェア、"魔龍"にはダァムとして
そして沢山の"人"を作り出して
ヴェアの国は魔を嫌う[人]らしい国となった
我の作った[人]達は"心"を持っていたからこそ
そして自分の力を与えた"魔龍"に
忌み嫌わせるように仕組んだからこそ
<箱>の中は我にとって面白い物になった
唯一、面白かったのは
ヴェアがダァムに惹かれた事だろう
自らの国が"魔"を嫌っているのに
やはり本来は<鍵>でありながらも
我の居る場所を開けれる存在という事を
本能的に理解しているのだろう
そういう意味では恐ろしさを感じつつ
我の心の面白いという部分が勝ち
<鳥籠>の中を鑑賞を続けたのだ
ーーそして2人は結婚した
2人の結婚は驚いたがヴェアが産んだ子が
双子で"魔"と"鍵"を継いでいた事にも驚いたのだ
[人]の形ながら我の居場所や
<鳥籠>を開けれる[鍵]を受け継いだ
そして"魔龍"の力を"我"の力を受け継いだ
我は複雑ながらもヴェアやダァムに
双子の片割れ"魔"を受け継いだ子に
刻印をする事を提案した
我や"魔龍"を受け継ぐものは
いずれ、我の居場所に来られる存在だからだ
ヴェアもダァムも神である我の言葉に従い
双子の妹であり"魔"を持った子に刻印した
そして<鳥籠>から長らく見守り続けていると
"魔"を受け継ぐ事が出来る子は<鍵>を
受け継いだ子が産んだ"双子"に受け継がれた
だから我は<鍵>の子を王族とし
我の力を受け継いだ子に国を守るように告げた
<鳥籠>には我は入れない
鳥籠は内側から<鍵>を持つ者が
開けなければ開かないように自分が施したからだ
まさに<鍵>が内側に居るからこそ
我の出来る最大の"遊び"だった
そして、ヴェアは長い月日が経つと亡くなった
しかし鍵は受け継いだ子が存在したので
最初に作った[人]が死んだ、ただ、それだけで
しかしながらもダァムはヴェアを愛しており
酷く泣いていたが、我は<箱>から見て楽しんだ
与えた人形が悲しさも憎しみを持つ事も
我にとって面白くて、たまらなかったのだ
だからダァムに告げたのだ
ーーお前も我が作ったのだ
我の箱庭になら、お前は存在が出来る
この<鳥籠>でヴェアを待てばいい
ヴェアは此処には来れない
彼女は本来、<鍵>であり双子の"鍵"持ちに
いずれヴェアの魂が引き継がれるだろう
所謂、[輪廻]と呼ばれるものだ
ヴェアは本来は<鍵>だったのだから
<鳥籠>を<箱>を再び開ける時に
生まれ変わる事があるかもしれない
いずれ<箱>が崩れる事は
我にだって分かっているのだ
そうしてダァムと共に
<箱>から<鳥籠>を見守り続けた
その間に<鍵>を受け継ぐものが
何度か双子を生むものの
ヴェアの魂は、持ってなかった
そして中々に双子が生まれなくなった中で
数百年ぶりに産まれたのが、彼女達だった
久しぶりの双子であると同時に
ヴェアの魂を持った子が存在した
それがアイシャだった
しかしながら、この国では
妹に刻印する形であり"魔"を持っているのも
アイシャであったのだ
アリシアには僅かながらも"我"の力と
同じようにヴェアの魂を受け継いでおり
我は、やっと長い<鍵>の遊戯が終わるのかと
楽しみで見ていたのだ
しかしながらアリシアもアイシャも愚かだった
本来なら"魔龍"に愛されるはずのアイシャは
ヴェアの魂を強く持っている
だからこそ"魔"になるべきにも関わらず
姉であるアリシアに正式な"刻印"をさせた
しかもアリシアはアイシャに騙されて、だ
これには、愉快で長らく見守った中でも
トップに入るほどに愉快だった
‥面白い、面白かった
見守り続けていると
アリシアが別の国の男と産んだ子には
"我"の力を少し受け継いだ子が産まれていた
アイシャには望んだ相手との子が産まれたが
双子であり片方に"鍵"が
片方に"魔龍"を宿しやすい体質の子が産まれた
これで鍵は受け継がれたので
アイシャには<鳥籠>の<鍵>の役割が失われた
しかしながらヴェアの魂は受け継がれず
彼女の中に残ってしまった
ーーこうなると愉快で仕方がない
"鍵を開ける者"と"最初の魂を持つ者"が
別々になってしまったのは愉快であり
これが<箱>の終わりかと思うと
堪らなく嬉しかった
<鳥籠>を見守り続けていると
何故か繰り返されるようになった
そうか、これが終焉ならば
キチンと<鳥籠>を内側から開けて<箱>に
生贄を捧げなくては終わらないのだ
今まで"我"が住んでいた"禍"の<箱>に
4人の贄と<我>と同等の存在が居ないといけない
これこそ"禍"の<箱>の正体であり
開けてはいけない"由縁"である
我と同等の存在というのは
此処に居る"魔龍"
だが魔龍だけなら足りないだろう事も考えて
魔を持つ者が此処には存在しなければいけない
後の3人としては
魔龍の事を考えるならヴェアの魂を持つアイシャ
ほかに贄となる少女を
此処に連れて来なければ
終わらない"遊び"だったのだから
つくづく"禍"という言葉の似合う<箱>だった
まぁ、その面倒な仕組みを作ったのは
我ではなく、忌々しい者達なのだが‥
そうして4回目の繰り返しにて
魔龍の魂の子と2人の少女が<禍箱>の中に来た
<鳥籠>を内側から開き<禍箱>を開けるには
魔龍の魂を持つ少女の"姉"
つまり鍵である姉の協力が必要なのだ
この魔龍の魂の子は
偶然にも鍵を開ける者に気付き
自ら少女達2人を殺した後
鍵の子を何らかの形で協力させるか
もしくは殺して此処に連れて来たという事だ
これには驚いたが
驚きは、他にもあったのだ
少女達は最後の賭けとして
自らの魂に似た性格を持つ少女達を
別の世界から呼んで
自分の魂に入れる[儀式]をしていたのだ
つまり少女達は、我が神ではなく
本来は[邪神]であり[人]である本物の神に
導かれて[儀式]を行ったという事
我を脅かす存在を呼び出して
禍の<箱>に隠れていた我と
<鳥籠>の"遊び"を面白くする材料を
連れて来たという事になる
こうして何度か繰り返して見ているモノを
ガラスの破片にして散りばめて置いて
我を脅かす存在を呼んで面白くした少女達に
お礼として、この世界を見せた
何度も自分が死んでしまう魔を持つ者の
歪んだ顔を見るのが酷く面白かったのだ
同じように怯えた顔で見る少女
いや、自ら生贄になった[人]の子を‥‥‥
そうして眺めて笑って見ていると
ようやく本物の神が
彼女達の魂に似た少女達を連れて来たらしく
<箱>が終わりを告げている
此処は<我>が存在する限りは
死する事のない普通の<箱>
そして最後の贄を連れて来て<禍箱>と
繰り返した<鳥籠>を終わらせるのも
<鍵>の役割である
さあ、そろそろ終焉だ
再び、繰り返すのか
それとも<鍵>に役割を教え
ヴェアの魂を連れて来て<箱>を閉じ
<鳥籠>を解放するのか
これは本物の神と我の闘いなのだから
愉快で楽しい遊びは、まだまだ続く
さあ、楽しもうじゃないか
本来の<箱>を開けるのも
<鳥籠>を壊すのも
彼女達の選択次第なのだから




