星の欠片の導き
とりあえず覚えている奴だけは
大丈夫だろうけど‥他の奴は
どうしようかと悩んでいたら突然に声が聞こえた
[ねぇ、何に困ってるの?
しっかりしてよね‥僕の為にもさ]
聴き覚えのある声に俺は思わず驚いた
「‥もしかして‥レイルか?」
ゲームで主人公を助かる役割の
サポーターの声もレイルと声の人が同じだから
混乱したが俺に話しかける奴はアイツしか居ない
[あ、うん、そうだよ‥良かった聴こえて
本来のサポーターが消滅したとかで
僕が君のサポートをする事になったんだ
知ってるとは思うけれど僕の声は
君しか聴こえないから気をつけてね]
「ああ‥そうだったな‥でも丁度良かった
お前に聴きたい事があるんだ
俺の覚えている奴ら以外の事を教えてくれ」
[‥僕が覚えているのも君と対して変わらない
もしかしたら君よりも少ないかもしれない
自分で見極めないといけなかったからさ]
‥そうだ‥なんで俺は肝心な事を忘れていたんだ
エタンセンタルでは
12の塔と1つの大きな島で成り立つ国だ
12の塔に各攻略キャラとサブキャラが存在し
各塔で本物の星座を宿す者を探し連れて
最後に島に[星の塔]と呼ばれる場所で
謎解きをしながら星座を宿す者を育てる話だ
フェイクのサブキャラを選んだら
星の塔の最後まで登れる事なく死が待つ
それを含めてスチルがある作品だからこそ
やり込み要素も高い[乙女ゲーム]だった事を
なんで今の今まで忘れていたんだ
[僕がクリア出来た星の塔の星座の子なら
サポート出来る筈だから‥その子が
君の知る星座でない事を願いたいよ]
「‥レイルが攻略できた試練の奴だけ
最初に教えてくれるか?」
[良いよ、僕が知っていても意味ないし
僕が攻略できた星の塔の試練で
確実に星座の子だったのは‥座の‥ス
‥座の‥ゴ‥獅子座のレオーネだけ]
何故かレイルの星座の子の名前にノイズが混じり
聞き取れたのはレオーネだけだった
「悪いレイル‥俺が聞き取れたらのは
レオーネだけだ‥もう一度だけ教えてくれ」
[良いよ‥ちゃんと聴いてね
‥座の‥ス‥座の‥ゴ‥だよ]
やはりノイズが混じって
星座の名前すらも聞き取れなかった
‥レオーネだけ聴き取れた‥という事は‥
「‥俺が覚えてない星座の子は聞けないんだ
だからレイルが俺に教えようとしても分からない
自分で見極めるか思い出すしか手段がないんだ」
[そうなんだ‥なら君が現地に行って
ヒントを教えるぐらいなら大丈夫なのかな?]
「そこは行かないと分からないけれどな
とりあえず‥行くしかないようだし行くか」
[そうだね‥そうだ僕の事は
レイルじゃなくてキミの元の名前である星夜を
使わせて貰っても良いかな?]
「別に構わないけれどさ‥自分で自分の
名前を呼ぶのって変な感じする」
[なら別の名前を君が考えてよ]
「別に良いけどさ
お前‥サポーターの導きの星にも名前を付けただろ
その名前でいいじゃねぇか」
[ステラ‥星を意味する名前は
僕には相応しくないよ]
「‥そうか?‥まぁ良いけどさ‥じゃ‥ライト
俺の国で光を意味する名前」
[良い名前だね‥ありがとうレイル
12塔があるけれどレイルは
どの塔から行く?]
「‥そうか俺が決めるんだよな
確か姉さんは昔に塔に順番が
左右されるんだとか良く言ってたんだよな
!!そうだ!思い出した
12ノ塔から巡るとバットエンドが多かったとか
良く怒ってたんだ‥だから数字通りに行く方が
安定して[星の塔]が進みやすいって言ってた筈
だから‥1ノ塔から行こうライト」
[分かった‥何かあれば
僕も声をかけるから頑張ってレイル]
そう言うと声が聞こえなくなった
‥大丈夫だ‥元レイルことライトも
見守って導いてくれるんだから
そう思って俺は家から出て
1ノ塔へと向かうのであった‥‥




