彼女の才能と感想
その数日後、アヤメから呼び出されて
再び放課後に私達は集まっていた
アヤメはノートを三冊程、持って来て
私達に渡してくれた
「少し下手だけど
私が覚えているのは描いてきたよ」
「ありがとうアヤメ!」
「さて、とりあえず一冊目からね
これが[リコリスの花 -repeat flowers-]の
キャラクター達ね
うわっ‥アヤメの描いたアンシャンテが素敵‥
とても特徴を捉えていて良いわ」
「それを言うならフリージアもよ
凄い似てるって事は‥」
「ヴァイスも似てるって事のね?
最高じゃない?もうアヤメの才能に拝むわ」
「そこまで褒めてくれるなんて思わなかったよ
嬉しいな‥ありがとう」
「‥なんだろうアヤメが
男なら私、確実に惚れてたわ」
「私もよ」
「そう言って貰えると嬉しいよ
リコリスのリピートの追加キャラは1人
最後に描いた彼、レナだね」
「少し私の父に似てるって事は私関係?」
「そうだよ、君の父親の姉の子供
君とは従兄妹みたいな関係だね」
「二冊目は知らないキャラばかりだねサルビア」
「ええ、知らないわ」
「今、見ているのは[ユイと虹]だね
全部で9人、前に見せたヴァイスは此処さ」
「ヴァイスは隠しキャラなのね
主人公が男女で描いているんだけどなんで?」
「ああ、主人公は選択できるんだ
男か女かは‥流石の私にも分からないからね」
「ちょっ、まっ、まさか
腐目線でもプレイ出来るの?え?公式なの?」
「もちろん、公式だよ
主人公が男で男と結婚するルートが普通にあるから
リコリスと花もだけどレイルと星も
同性同士の結婚が許される世界なんだ」
「前世の私は腐ってたから
なんともプレイするには素敵な世界だけど
実際、主人公になると同情するね
同じ主人公に転生した私が、そうだし‥」
「まぁ、そうだろうね
で、これが三作品目の[レイルと星]だね」
「うわっ、本当にキャラクターが多い!」
「こんなにも覚えてるなんて凄いわ‥
ありがとう、アヤメ
貴方は私と同じく
キャラクターの設定本も買ってたのかしら?
少し詳しく書いてるのね」
「私の覚えてる範囲だけどね
で、次に関わってくるのはレナかアマリリスだね」
「新しく加わっているレナは分からないけど
アマリリスなら前でも知ってるから
対応できるかもね」
「まあリコリスなら
天然でレナのフラグ回収しそうだけどね」
「ええ〜アヤメ
お願いだから回避策、絶対に教えてね!」
「私の覚えている範囲でならフォローするよ」
「イケメン王子だ‥」
「ダメよリコリス……彼女は女性よ」
「すっごい悔しいぃ!
男なら惚れて告白するのに!」
「奇遇ね、私もよ」
「ありがとう」
心がイケメン、いや姿もイケメンな
アヤメに悶えながらも
私は新たなるキャラクター達のフラグを
回収しない為に動くのだった‥‥




