闇の中を照らす希望の光 -side フリージア-
俺は産まれてから森の中で父と共に過ごしていた
母は魔物だから俺を抱きしめると
俺を傷付けてしまうって父が悲しそうに笑って言う
王都から離れた人々の居ない森
俺が産まれた場所、育った場所
幼い頃から父と母には‥いや、特に父には厳しく
復讐という事だけを学び聴いて育った
感情を捨て暗殺者として
沢山の訓練を何度も何度も教えられた
4歳の誕生日の頃に
王都から冬生まれの子供達を集めるようにと
町中で通達が来た
俺の産まれて来た日は冬だったから
両親に復讐する相手の居る場所に行き
必ず選ばれてほしいと言われた
城に呼ばれたのは俺と同じような
冬生まれの子供達ばかりで
王城は煌びやかだった
華やかな場所で一番、目立つ女の子
それが俺が殺す相手でもあるプルメリアだった
そんな彼女に選ばれた俺は
彼女の側で執事の真似事をするのだと言った
その事を両親に伝えに行くと
2人は嬉しそうにしていた
でも、もう一人、特別な女の子が居て
場合によっては殺すかもしれないと両親が言った
その子が俺の目の前に居るリコリス
母さんが父さんより
愛していた人が名付けた特別な名前の女の子らしい
王都に居た母さんの偽物よりも
プルメリア様よりも母さんに少し似た子だった
最初に出会えたのは渡り廊下
プルメリア様の好みの女の子で
赤い色の髪が目立つ子だった
プルメリア様が調べるように言われて
俺は久し振りに両親の元にと行った
「‥‥‥母さん、父さん
今日、赤い髪と赤い瞳でリコリスっていう
女の子に出会えたんだ
彼女が‥母さんと父さんの探してた人?」
「……顔は?」
「‥凄く母さんに似てた
プルメリア様より母さんに‥そっくりだった」
「…特別な女の子だからね、彼女は
アイシャが見つけてないだけ良かったのか」
「…そう‥ね、でも、殺さないでね
お願いよ、フリージア」
「分かった、じゃあ、また報告に来る」
そう言って住んでいた森の小屋から
立ち去ろうとした時、父が追いかけて来て
「フリージア!少し待て」
「‥父さん?」
「母さんは殺すなと言ったが
側で見守っておけ、良いな?
あと余計な感情は捨てろ、分かったな?」
「‥もう、感情なんて無い
父さんは俺に余計な心配しないで良い
……いつでも彼女達を殺すから安心してくれ」
「…そうか」
そう俺には感情は要らないのだ
目的は両親が長年と望んだ復讐なのだから
俺の存在は、居場所は
両親の待つ此処だけ‥だと思っていた
彼女とリコリスと2人きりで話すまでは
俺は彼女に確認したかった
彼女の父が母さんが愛した人が
母さんの事を本当に愛していたのか?という事を
母さんと父さんは復讐で繋がっているだけ
自分の妹と母さんの愛した人に
復讐する為に俺を産んで育ててくれた
本来なら産まれなかったかもしれない
それは、プルメリア様もだし彼女も
でも、彼女は母さんに似ていた
けれど俺に母に似た彼女を殺せるのだろうか?
そんな考えながら俺は彼女に話しかけた
でも実際に彼女を目の前にすると
言葉が上手く紡げなかった
やっとの思いで「‥君はプルメリア様と
どうなりたいんだ?」という言葉に
彼女は「‥どう‥なりたいって
それは普通の友達みたいに仲良くなりたいです!
もちろん、フリージアさんも一緒に」と
笑顔で嬉しそうに答えるのだ
復讐しか教わらなかった俺と
仲良くしても面白くないだろうに
そう思って「‥俺もか?何故だ?」と聴く
すると彼女は困った様子で
「えっと‥フリージアさんの事も気になるからです
プルメリアさんと一緒に居ますし
友達は多いほうが楽しいじゃないですか!」と
言うから思わず
「‥そういうものなのか?」と尋ねると
「そういうものなんです!
仲良くなりたい人と共通の趣味を探す為に
色々とお話しをしてお互いの事を知って
そして仲良くなって一緒に居て
楽しいって思えたら幸せになれるんです!」と
笑顔で答えたのだ
でも、そんな考えも感情も無い俺には
「‥楽しい‥知らないな
俺には必要が無いと言われた
‥俺が考える事は……両親の望みだけで…」と
幼い頃から教えられて来た事を伝える
「‥じゃ分からせてあげます!私が!
楽しいって気持ちを貴方に
だから必要が無いなんて言わないで下さい
寂しすぎます、そんなの!」と
真剣な表情で俺に言うのだ
頑固で変わり者な所は
本当に母さんと同じだったし
彼女が笑う顔は母に似ていた
ああ、父さん
俺は約束、守れないかもしれない
感情を無くした俺に光を与えてくれる人を
父さんと母さん以外に
俺を愛してくれるような光を
俺は見つけてしまったんだ
余計な感情は捨てろと言われたけど
彼女への想いは持っていても良いだろうか?
俺は、いつでも彼女以外は殺すから
どうか奪わないで俺の光を
闇を照らす希望の光を‥どうか‥側で守らせてくれ




