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メモ(おとちが)  作者: riyo
リコリスと花 編
13/204

魔物と恋 -side ***-

私はフラルメイリー帝国の

第1王女として私は生まれ

同じ日に少し遅れて第2王女である妹も誕生した


私達は生まれた時から


否、物心のついた頃から


私と彼女は一緒だった


でも私と彼女では教わる事が違っていた


私は第1王女だからと言って

自国の行なっている政治や取り組みに

沢山の国の政治などを教わった


でも妹は違った


彼女は2番目だからと言って遊んでばかり

けれど作法などは厳しく躾けられていた


そりゃ誇りある国を継ぐ予定である私と

他国にと継ぐかもしれない妹とでは

私達の学ぶ内容が違うのは当たり前だった


だから私は時々、妹と入れ替わって

互いに励まし合いながら過ごしていた


でも、ある日


私は恋をしてしまったのだ


お忍びで訪れた市民達の集う下町で

1番、強くて素敵な人‥だったけれど

私と彼は身分が大きく違ったのだ

そして私は初恋が叶わない事を知った


私が恋をした事を知った母は

何故か私の頬を叩いた


自覚しろと言わんばかりの母の顔は

ポロポロ泣いていた


ああ、私は駄目な恋をしたのだと

だから諦めようと思ってた


あの日まで


その日、生まれてから数年後に私達を

区別する為の儀式が行われる事になった


私達の国では魔物が古来の伝承で伝わっており


双子で生まれた子供の片方に宿るのだと言われている


魔物が宿る子を決めるのに見分ける為の"印"を

付けるという変わった儀式


これは生まれて直後に刻印して

数年後の成長した頃、再び正式な"印"を付けるのが

この国の伝統らしい


"魔"を宿すのは1人で生まれた時に"印"を刻むのは

妹にする事は決まっていた


その話を私も知っていたから妹が可哀想だと思って

私は"印"を刻む日に彼女と変わった


しかし運命は残酷だった


"印"を付ける10歳の誕生日の当日


私と妹は入れ替わり私は"印"を入れる前に立つ


ふと妹を見れば何故か笑っていた


ーー何故?


理由は直ぐに分かった


それも印を入れられた後に


「これで私、あの人と

結婚が出来るのですね!嬉しいですお母様!」


「‥あの子が魔物になる時に

アリシアに望みを聴きましたね

私は彼と身分違いの恋を

忘れて諦めたなら、もういいと思ってました

けれど違った、アリシア、貴女は

ずっと彼を好きな事を知った

例え妹が魔物になろうとも覚悟は変わらなかった

私の負けね、好きにしなさいアリシア」


「ええ!ありがとうお母様!

嬉しいですね!コウさん!」


ーーコウさん


私の初恋の人の名前


でも私の知らない約束?


ーー私達は時々、入れ替わっていた


だから彼に恋をして

母が泣いてる事も妹は知っていた


そして彼は村1番の猛者として城に招待された

王族を守る護衛として

平民出身では初の出来事だったから

私も印象深く覚えていた


そして彼と話をしている事は妹も知っていた


そっか‥その時に分かった、否、理解した


だって私と妹は()()だから


私は利用されたのだ、実の妹に


妹の()()()()


何故


何故


復讐を復讐復讐復讐復讐復讐復讐復讐復讐復讐復讐復讐復讐復讐復讐復讐復讐復讐ふく‥


はっと気がつけば


辺りには人が倒れていた


もしかして私が?


嫌だ怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖いこわ‥


城を逃げ出した先の道に

溜まった水溜りを見れば私の姿は魔物のようだった


ああ‥これでは彼に嫌われてしまう


どうしたらいいの、どうすれば‥


ふと手を差し伸べられられた


私みたいな魔物に手を差し伸べるなんて‥


もしかしてコウさん?


ふと手を取って見れば

そこには知らないけれど素敵な人が

私が好きになったコウさんとは違うけど

少し雰囲気が似ている美しい人


「大丈夫?‥君、人だよね?

少し変わってる‥でも素敵だ

僕は、僕の名はスピールト王国の第3王子ハク

フラルメイリーに囚われて魔物に

殺される運命の子になる予定だった

でも僕、君に恋をしたんだ

これから仲良くしよう()()()()姫?」


「‥なんで私がアリシアって知ってるの?」


「囚われて此処に来る前に

偽物のアリシア姫から聞いたからね

どうせ殺されるから

最後に教えてあげるって嬉しそうな顔でね

噂で双子とは知ってだけど

本当に入れ替わってたなんてビックリしたな」


「‥私が知るスピールトは栄えていたはずよ

何故、此処に居るの?」


「そりゃ奪われたからさ国を

僕の1番上の兄は殺されて

2番目の兄も逃走した

で、僕は囚われて殺される運命で

此処に案内されたって訳だ

だから、君と仲良くしたい

そして遠い未来で君と僕の子で

この国に復讐しようよ」


「‥復讐、そうね

分かったわ、ハク

これからよろしくね」


こうして私と彼は運命の仲間となった


ーーそして数年後


私と彼との間に約束通り子供が出来た


噂で聴くと偽物の()こと

"()()()()"も

あの人との子供を産んだらしい


それも双子


何という運命なんだろう


復讐するなら1番、最初に生まれた子かしら?

あの子に似た子にしたいけど‥

なんて思っていたらハクが私に


「あの人、片方を連れて

逃げたらしいよ?今まで騙されたとか言って

王族の紋まで持ってさ‥誰か探してるらしいけど

あ、連れて逃げた方は妹の方で"印"がある方

確か名前は‥リコリス」


「え?リコリス?」


「そうだよ?そう言えばフリージアの名前も

君が考えたんだよね‥なんか意味があるの?」


「‥初恋して騎士として

私の前に来て、仲良くなったときに

彼と子供の名前の話をしたの

もし自分が子供を作って名前を付けるなら

女の子ならリコリス

男の子ならフリージアにするってね

花が(ゆかり)の国に

生まれるからって‥笑って言ったの」


「ふーん嫉妬しちゃうな

僕、君の事を、だーいすきなのに?」


「‥復讐の仲間だからでしょう?

フリージアに復讐の始まりをさせるんでしょう

早く指導して来なさいよ

私は強く賢い貴方が好きなのだから」


「そっ‥後悔しないで

そしてこれからも僕を信じて

僕を愛して()()()()()

君は僕のモノなんだからね?」


そう言って手にキスをしたら

息子のフリージアの元へ向かう


フリージアは賢い子になった

私達の復讐を叶えてくれる子供


どうか、私を殺してくれるように


あの子が彼女の子供を好きになりませんように


私は神に祈るのだった‥

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