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メモ(おとちが)  作者: riyo
リコリスと花 編
104/204

キミと友と -side ラグゥ-

特別閑話、今回は神様からラグゥの物語

全て、此処から始まり、そして紡がれた

憎い、憎い、アイツが憎い


それだけが俺の思いだった


全ては、あの日から俺はアイツが嫌いなのだ


ーー全ての始まりは数百年前の事だ


俺とルシルは幼馴染だった


そして俺とルシル、もう1人…幼馴染、アナが居た


アナは俺の恋人だった


ルシルと3人で笑って、優しいアナが

俺は大好きだった‥‥なのに、なのに


ルシルは俺の目の前で彼女を殺した


ごめんなさいと笑って血塗れで倒れた彼女を

俺は泣きながら抱きしめてルシルに尋ねる


「…何で、何でだよ、ルシル

何でアナを‥殺した!?答えろ!!」


「‥彼女は私達を裏切っていたっ!

主神が彼女を殺すよう命じた‥それに従っただけだ」


「‥ふざけんな!

アナが俺達を裏切る訳がないだろう⁈」


「‥そう思いたかったさ‥僕も‥

キミの大切な人を僕だって殺したくなかった

けれど彼女が認めたんだ」


「‥…もう、いい」


そうルシルに呟いて

俺はアナの居ない天界に興味が無くなった


俺の大切な奴を奪った主神が憎いのと

アイツが嫌いになった事から

俺は自らの羽を全て取り堕天する事にした


そして大嫌いとなった神が守っている大切な

[パンドラの箱]を奪って壊そうと思った


箱を開ければ災いが起こると噂されている箱を開けた


自分が死ぬ事さえ期待して望み開けた災いの箱には

望んだ災いすらも何も入っていなかったのだ


「‥ふっ、笑える

なんもねぇのか、なら作ればいい

俺だって元は神の端くれだ

出来ねぇ訳ないだろ」


俺は自らの手で作り始めた


無意識で作った俺の最初の人間は

見た目だけはアナに似ていた‥それが鍵の娘にした


だから、今度こそ、アナよりは幸せになって欲しくて

俺は俺自身の血を使い魔物を作った


せめて、箱の中では幸せになってほしい

自分ではアナを幸せに出来なかったからこそ、だ


箱の中で幸せになり俺の作った人間達が移り変わる


幸せになっていく様子を何度も何度も見守った


そして俺の元へ送られた少女は

願いを叶えに箱にと戻って行く


箱へと帰る少女を見ていると俺は、会いたくなった


死んでしまったアナに、だ


「‥アナ‥何でだ‥アナ‥裏切ったなんて

噂だ‥何で‥殺したんだルシル」


久しぶりに嫌いな奴の名前を呟いた気がする


すると俺の作った空間が歪んで奴が入って来た


俺も良く知る憎い相手


此処に来て一度も名を呼ぶ事がなかったヤツ


ーールシルだった


「‥久しぶりに僕を呼んでくれた

ずっと会いたかったんだラグゥ‥いやエルヴァン」


「会いたかった‥だ?俺は会いたく無かったな

お前の名前を言ったのは不可抗力だ

勘違いするな!」


「‥だろうね、キミは僕を許さないだろう

だから、キミに裁かれに来たんだ

‥まぁ裁かれるのは、僕だけじゃないけれど」


「は?どういう事だ説明を‥」


俺が、そう言いかけた時、ルシルが来た空間から


「‥ごめんなさいエル

私が、私のせいで、ごめんなさい」と


聴き慣れた大好きだった彼女の声がした


「‥ア‥ナ‥本当にリフィアナなのか?」


そう空間の向こうから尋ねると

空間から会いたかった彼女が姿を見せた


「会いたかった、エル!ごめんなさいっ!

本当に私のせいで‥ごめんなさいエル」


泣きながら走って俺を抱き締めた彼女は

温かくて、生きている事を実感した


「‥どうして?君は‥死んだはずだ

俺の目の前でキミは、ルシルに殺された筈で‥」


「全部、演技だったの、私とルシルの

私は主神様に嫌われていたから

ルシルに協力して貰って私に似た人形を

貴方の目の前で殺させた

そして、それで終わる筈だったの」


「‥だが、あの方はエルヴァンも殺せと

僕に命じたんだ‥だが僕には出来なかった

‥僕達は契約で結ばれた対神だ

片方を失えば、僕も、お前も死んでしまう」


「‥それは嫌だった

貴方を絶望させてごめんなさい

けれど、私は恐れていたの

あの方はエルも狙う筈だと思った

‥自分の大切な娘や息子の友人すら

殺すように命じた人だから

だから私はルシルにエルの目の前で

私と似た人形を殺すように頼んだの」


「‥お前が堕天してしまうだろうとは思っていた

だから僕も羽を無くして側に行きたかった

‥だが、私の大切な親友を殺すように

命じた奴を私自身が殺したかったんだ

‥すまない、私の大切な親友(エルヴァン)


「後で‥一発殴らせろ、ルシル

で、主神様は死んだのか、ちゃんと」


「ああ、もちろん、すっきりしたよ

死体も確認して僕も追われる身さ

まぁ父殺しなんて、堕天使では、当たり前だろ?」


「‥良いのか、それで

アナ、お前も綺麗な白い羽が残ってるんだ

主神は許せねぇけど、アナもルシルも

あの主神の血を引く神だろ?

‥それこそ俺とは違ってトップになれるだろ」


「私…エルが居ないのは嫌

あんな場所に未練なんて無いよ」


「僕もさ、エルヴァン

友人が居ない場所なんて興味ないよ

僕は‥君と居たいんだ」


「‥許した訳じゃねぇからなルシル」


「‥ふふっ、厳しいねぇ‥僕の唯一無二の親友は」


「エルは怒ると怖いってのは

今回で良く分かったから次は絶対にエルに言う

‥次は黙って死なないしエルから離れないよ」


「‥当たり前だアナ、テメェもだそ、ルシル

これで仲直りだッ!」


そう言いながら俺はルシルの体を一発殴る


「‥お前もだ、アナ」


俺はアナの頭を軽く叩いた


「‥いてて‥ねぇ僕に対してと

アナに対しての差が酷くない?」


「当たり前だろ」


「ふふっ、やっぱり好きだな

ルシルとエルと居ると、楽しいね」


「‥そうだな‥アナ、ルシル

俺は俺が作ったのを見守る義務がある

一緒に来てくれるか?」


「‥当たり前でしょ?もう‥」


そう言って、綺麗だったアナの白い羽が消えて

失った羽が綺麗に黒に変わる


「‥早いな羽の入れ替わり」


俺は思わず思った事を言っていた


何せ俺が羽を失って羽が黒くなり

全て生えるのに1年ぐらい経っていたからだ


アナは俺の言葉に


「血の濃さかなぁ、でも便利だし嬉しいけどね」 


と可愛らしく笑う


同じように羽を失って黒くなったルシルも


「‥僕のも早いから、多分、そうなんだろうね

エルは遅かったんだね」


「‥ああ、やっぱ、もう一発

ルシ殴って良いか?アナ?」


「だ、駄目だよ、一発だけって決めたでしょ

もぅ、拗ねないで、ね?」


「分かってるよ」


「‥エル、キミが時々、僕は怖いよ」


「そりゃ良かったなルシ」


昔のように名を呼び合う関係に戻れたのは

本当に嬉しかった


大切な唯一無二の親友ルシと

そして大好きなアナと共に俺は

俺の作った世界(ものがたり)を見守るのであった‥

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