私と幸せの願い -side リコリス-
100話の記念の特別閑話
今回はゲームのリコリスさん
ーーただ、助けたい
‥それだけだった
それが、自分の魂が
この世界から消えてしまうとしても
自分の魂で誰かを救えるなら
大切な人と、もう2度と会えなくなると
そう分かっていても、どうしても救いたかった
私は、偽善者なのだろう
ただ幸せに、大切な人が笑ってくれるなら
私は、それだけで幸せなのだ
人からは理解されなくても
私は愛されたいが故に、私は人を幸せにしたい
それが私に出来る私が出来る事だと思ったから
神様から提案された時は驚いたけれど
もう、私が考えて行動する事さえも諦めていた
だから私は頷いた
もう大切な人を自らの手で殺す場面を
大切な親友を失うのを何度も見たくなかった
例え、それが私が"私"ではないとしても‥
何とか4回目に神様の言う通りに行動したら
私と、この世界に未練のなかった親友を
巻き込む形で私達は[パンドラの箱]の外側へと
邪神[ラグゥ]と名乗る者が住う世界に辿り着いた
ラグゥの世界は薄暗くて灯は何かのカケラのみ
彼は私達が来た事に動揺しながら
「‥くそっ、アイツの仕業か
まぁ良い俺は‥そうだな‥君らの世界の神だ
ただ、他の世界では邪神として恐れられてるが
俺の名前はラグゥ、本来の名では無いがな‥そう呼べ
で、お前らは俺が嫌うやつに此処に来たんだろ」
「神様のことですよね?」
「‥神?アイツが?‥そうだな
あやつは他の世界でも神としてトップだ
‥だが、俺はアイツが嫌いだ
アイツの、[ルシル]の話をするな
まぁ好きに住むと良い
君らのいた世界は此処から見られるのだからな
そこに散らばる破片は貴様らの世界の運命や
未来などの様々な物語だ
好きに見れば良い、沢山、作られてるからな」
彼は、そういうと、今も動いている私達の世界の
カケラを見始めていた
私が会った神様はルシルと言うらしく
ラグゥはルシルが嫌っているみたいらしい
何度目かの繰り返しで私達の代わりを
連れてきていた時に
「‥忌々しいやつ、さて、これからどうなるか
楽しみだな」と呟いていた事から
何か因縁があるのかもしれない
もう戻れない世界を見ながら
私は私の願いが叶う事を信じて見守っていた
今でも私を救うために頑張ってくれている私の
私が大切な人を見守って願う
お願い、お願いだから"私"を好きにならないで、と
それは私であって[私]じゃないからと
願っていて、気付いた
私は、彼が好きだったのだ、と
クロユリと出逢って、クリスと出逢って
そしてクリスと2人で過ごす時間が大好きだった
馬鹿みたいに笑って話して
クリスは優しくて、私の為を思ってくれて
繰り返していても何も変わらなくて
私の為に動いてくれていて、それが分かったから
凄い嬉しかったし、私も頑張ろうと思えた
なんて馬鹿なんだろう
私は、彼女のように頑張れなかったのだ
思えば、4度目に彼を選ばなかったのも
彼の目の前で死にたくなかったから
未練が残ってしまうから
関わらないまま向こうに行けば
私はクリスの事を忘れられると思ったから
未練のない2人が、最後まで私の心配をしたのは
きっとクリスの事を好きなのを気付いてたからだ
今更だけれど、確認してみようと2人に話しかける
「‥あのさ、サルビア、アヤメ
本当に良かったの?」
「‥私に未練はないもの
私に演技の才能はあっても何かを生み出す才能は
全く無くて何度も繰り返しても私には
どうしても自分の才能を伸ばす事は無理だったわ
‥それは"彼女"を見ていて分かった
だから私は逆に此処に来れて良かったの」
「‥私も"彼女"のように自分らしく生きるのは
苦しかったからね、代わってくれてありがたいな
私には、[私]を演じるのは難しかったしね」
「‥でも貴女は後悔してるんでしょ?
本当に無自覚だけど、やっと気付いたのかしら?
クリスさんの事を好きなのを」
「ええっ!?気付いてたの?」
「ふふっ、見れば分かったからね
だから最後まで君のことは不安だったんだ
君が後悔してないと言ってたから
私とサルビアも何も言わなかったけれどね」
「‥なんか恥ずかしい」
「‥おい、そこの赤いやつ
アイツが呼んでやがる、早く行け」
「あ、はい、ごめんね」
「‥大丈夫‥貴女は後悔してない方を選んでね
私達の心配はしなくて大丈夫だから」
「?あ、うん、ありがとう‥でも大丈夫!
私はクリスの事を此処で見守るだけでも幸せだから」
私は2人に誤魔化すように伝えると
ラグゥの案内された場所に向かう
「‥此処から先は俺は行けない
早く行け、アイツが待ってるはずだ」
「‥あ、ありがとうございます」
私は示された道に向かうと
箱の外の世界にと連れて来た神様が待っていた
‥そう言えば何でラグゥは神様が
私を呼んでるのを分かったんだろう?
此処には来れないと言っていたのに
そんな事を思いながら私は神様と対面する
「‥良かった
ラグゥが呼んでくれるかは不安だったんだ
‥とりあえず…お疲れ様かな?
ラグゥの作られた箱庭を壊れた
それで君の願いを叶えに来たんだ」
「‥私の願いは叶ってますよね?
私が神様に願ったのは私が幸せになる事と
アリシア様を救ってくれる事ですから」
「‥ふふっ、本当に?今、君は幸せ?
君は彼と幸せになりたいんでしょう?
此処に連れて来たのは私だけど、君は後悔してる」
「‥確かに後悔してます
けれど、本当に向こうに行っても
記憶が無かったら意味がないから
そして私が[私]を忘れるのも嫌です
我儘かもしれませんが‥私は私のまま
向かうに行きたい‥そんなの叶う訳ありません
箱には4人、必要な筈ですよね?」
「‥ああ、それなら大丈夫
そもそもアイツが作った箱に、そんな条件ないよ」
「‥でも文献とかに書いてましたし
神様も言ってましたよね?」
「ああ、そうだね
でも箱に4人居るはずだよ
魔物、本物の鍵の娘、アヤメ、サルビア、君の母親
そして君、逆に多いぐらいだ」
「‥けれど本当に向こうに行っても良いんですか?
アヤメ、サルビアは?」
「‥彼女達に未練が無いのは
さっき君も確認してるだろう?
君の母親は本物の鍵の娘の体として必要だしね
向かうに行く事が出来ない
で、未練のあるのは君だけ、さあ選ぶといい
向かうに行くか、此処で残るか」
「‥帰りたいです
でも、その前に彼と前の体で話したい
生まれ変わって、彼と幸せになるために
‥‥駄目ですか?」
「‥構わないよ、私が空間を繋げてあげる
けれど彼が気付くかは、それこそ運だけど
それでも良いなら」
「構わないです、私は信じてますから
最後に、2人にも話します
それぐらいは許してくれますよね?」
「‥タイミングは君に任せるよ
私は繋げてるだけだからね
まぁ準備が出来たら教えて」
神様は、そう言うと空間を閉じて
ラグゥの世界にと戻って来ていた
私は急いで2人の元に行く
「‥どうしたの?慌てて帰ってきて」
「私、向かうに行けるんだって
生まれ変わって、やり直せるんだって
あのね、あのね‥‥ありがとう、本当にありがとうっ!
2人が居たから私も頑張れたんだ
離れても、忘れないから、ずっとずっと友達だから
‥だから‥2人も私を忘れないで‥」
ボロボロと涙しながら
私は2人に感謝の気持ちを伝える
「‥もう、泣かないでよ‥でも良かったわね
私も、貴女に逢えて良かったわ
‥こちらこそ本当にありがとう
此処から見守るんだから
幸せにならないと許さないんだからね?」
「‥私こそ、ありがとう
君に逢えたこと、忘れない
向こうで幸せになる事を願うよ」
そう言って2人も涙しながら私を抱きしめた
優しくて温かい2人に、どれだけ支えられたか
本当に分からないぐらいだ
「‥アイシャさんの事も任せて」
「サルビアぁ‥アヤメぇ‥ごめんね
ごめんね、ありがとう、ありがとう」
私は本気で泣いて2人も涙しながら
優しく優しく頭を撫でたり抱き締めてくれた
「‥ほら、アイシャさんにも伝えておいで」
「‥うん、絶対に、絶対に2人の事、忘れないから
私と友達になってくれてありがとうっ!」
私は涙しながらも笑って2人に伝えると
2人も笑って見送ってくれた
母の元に行き母に伝えると母も優しく抱きしめて
「…そう‥それで来たのね‥
貴女には色々と迷惑をかけたから幸せになりなさい
姉さん達に、ごめんなさいと、伝えて」
「‥ごめんね母さん、ありがとう」
「ふふっ、泣かないで‥貴女は幸せになって良いの
これからは自分の幸せだけ考えなさい」
「ありがとう、お母さん
お母さんのこと忘れないから、行って来ます」
「‥行ってらっしゃい、幸せにね」
私は母の元から去りラグゥの元に来ていた
「今までお世話になりました
私は向こうに帰ります」
「…そうか、アイツだな
まぁ好きにしたら良い‥幸せになれ
だがアイツには惑わされないように気をつけろ」
「‥2人に何があったか知りませんが
私は2人に感謝してるんです
‥だからラグゥさんも幸せになってください」
「‥余計な、お世話だ‥早く行け
此処からアイツの所に繋がってる」
「‥ありがとうございました」
私はラグゥの世界から立ち去り
ルシルの世界にと来た
「‥さて、特別な空間で彼と話した後
君の意識は消えて向こうに行く事になる
以前の君と似た少女を私が用意した
元々は生まれない子だから後は好きにすれば良い」
「‥あの‥今更ですけれど
神様の名前ってルシルなんですよね?」
「そうだよ…まあ、そう呼ぶのは
少ないんだけれどね」
「それで‥ラグゥと何かあったんですよね?」
「‥ふふっ、そうだよ、昔の話だけどね
彼、私の事を嫌ってるだろう?
色々あってね、まぁ仕方ないんだ」
「‥本当に、そうでしょうか
なんだラグゥも悲しそうでした
‥貴方の事を確かに嫌ってるんです
だけど‥少し違うような気がして
お互いに話はしないんですか?」
「‥ふふっ‥余計な‥お世話だよ
君に私や彼のことは関係ない
さあ早く行きなさい、そして幸せに、ね?」
「‥は、はい、ありがとうございました
神様のお陰で私、今、幸せなので」
「‥そう、君の幸せが元々の君の願いだ
これで以前の君の願いが叶う事になる
転生して‥君が幸せになれる事を私は願うよ」
そう言って私は神様が特別に用意してくれた空間で
クリスを待ち2人で話し終えた
彼との話が終わると私は神様の言葉通りに
目が覚めると見知らぬ家で目が覚めた
此処が何処かは分からないけれど
約束通りに彼の元に行く為に私は
自分の名前などを確認する事から始めるのだった‥




