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スレ5 認めるつもりは…

本日5話目っていうことでこの作品のメイン5人のリアル状況をちらりと見せるところとなりました。

ここからは順不動のような感じになっていくと思います。


1 HN:省略

「一生独身が安泰」

2 HN:森のくま

「どうした、金がなさ過ぎて壊れたか」

3 HN:ライノット

「珍しい」

4 HN:諸略

「バイト先でドエリートの男に”あなたを養わせてください”求婚されたんだが、思いのほか気持ちの悪いもので刑法で引っかからない手段の無視で逃げたんだが、あああああああああああっ!」

5 HN:クッキー

「ラブコメの波動を受信したんですがこのスレで?」

6 HN:銀

「娯楽を極めせし我は、この後の唯一無二の記憶アカシックレコードに記されし出来事は容易に想像できる」

7 HN:省略

「エリート会社員が何で寂れた喫茶店に通う詰めてんだよ、毎回花持ってくるなよ、花言葉がいちいち気障ったらしいんだよっ!」

8 HN;森のくま

「省略の意外な一面だな」

9 HN:ライノット

「確かに意外だな。花とか無造作に捨てるもんだと思ってた」

10 HN:省略

「花屋でバイト経験のある俺にそんな、無慈悲で失礼なことできるわけがないだろ。そんなことしたら生産者に悲しそうな目で見られる夢を見る」

11 HN:クッキー

「あれ、省略さん結構性格かわいい」

12 HN:省略

「あの変態と同じことを言わないでもらえるか?」

13 HN:ライノット

「なんというか、あれだな。たしかツンデレとか言うやつだな」

14 HN:銀

「確かにツンデレというジャンルは大いに幅広いカテゴライズに区分されがちだが”デレ”というものには様々なものがあり、そこに至るまでの過程が長いほどに、小さなデレも敏感にこうふうん材料となりとても萌える。そんな上級攻略めんどくさい系だが、人気投票上位に居そうなヒロイン省略はおそらく捻デレ。何かと理論上にいろいろと置き換えるが根が素直なため、その発言と行動のギャップにやられる紳士諸君は非常に多いだろう」

15 HN:森のくま

「おい、銀さんが変な覚醒したぞ、ってかタイピング早えよ」

16 HN:クッキー

「よくある展開的には通いに通い詰めた、エリートさんにほだされ、だんだんと自分の内面を自覚しながらもいざ口にしようとしたところで新キャラが登場するっていうのが王道だよね」

17 HN:ライノット

「サブカル組がすごいことになってんぞおい」

18 HN:省略

「おいバカやめろ、ひっそりとどこかで私を監視してんのかよ」

19 HN:銀

「おっと、ここで省略選手自分の実情をさらしていくスタイル」

20 HN:クッキー

「これは…幼馴染枠かな。同じ地区住みで何かと会話があったけど親に止められてなかなか話をすることもできずに傍観状態だった子が、あの頃の自分が許せなくって、的なあれかな」

21 HN:省略

「だから怖えよ。いや、そんな展開は起きないはずだ」

22 HN:銀

「これは萌える展開ですね」


 


 〇




「くっ、こわ」

 

 ”後天性性転換症候群補助支援”というかれこれ5年ほど前から始まった、性別が変わってしまった人間に対して精神的、社会的、人体的と健康を保つことを主軸に置いた政策の一端で支給された自分の懐からまず出すことはできないであろうスペックのPCに対して毒をつく。

 後天性性転換症候群に発症した人間の保護的な意味合いであるその政策の一部今もなお性別が変化した人間にたいして嫌悪感を抱く政治家との争いが多々あり、開始当初より資金的援助額が減ってはいるものの、かつての生活を鑑みればずいぶんと生活は楽になった。

 それでも最低限の安全を得るために入居した政策本部推奨のオートロックのワンルームに補助が入るもそれなりの家賃であることは変わりなく、生活は厳しいものが続いている。

 現状、かつての両親はこの政策と事件が絡んだ結果非常に消極的であった警察も動かざるを得なくなり、現在は壁の向こうであり、二度と接触することもないようにと弁護士が入ったりと、借金苦も解決しようとしていた。

 少なくとも色々と減額に減額が入り、大卒の人間がはともな会社に入れば1年で返済できるような金額になったのは事実である。

 

 その生活の中で、誰かに養ってもらえる扶養とはいったいどれほど楽な身分なのだと思いながら今日も今日とてバイト漬。

 現在3件ほどかけ持ちをしているが、この体になってから弱いものではあるが低血圧になってしまい、朝早くからの新聞配達などができなくなってしまった。

 年齢査証することもなく行えるバイトランキング上位の新聞配達はつらいものではあるものの営業スマイルやらコミュニケーションも自分に課せられた区域が安定し仕事が回せるようになれば必要最低限しかとる必要もなく、それなりに好いていたバイトだったのでそれなりのショックはあった。

 それなりのガタイと見た目もそこまで悪くはなかったため、ホストの真似をしてみたり、パチンコのホールを担当してみたり、引っ越し業者のバイトもした。

 その頃はまだ年齢もそこまでではなかったため、ばれた瞬間にクビ。

 下手をすると警察沙汰もあり得たが、そこは長年の乞食スタイルと決めどうにか難を逃れ、同情を誘って稼ぐことも多々あった。

 そんなプライドなんてものはなく、稼ぐことだけを目的とした生活から、多少楽になりえり好みができるようになった生活。

 そんな中見つけたのがメイド喫茶の厨房のアルバイト。

 メイド喫茶といっても、好々爺なマスターが趣味で始めたひっそりとたたずむもはや普通の喫茶店。

 隠れ家的な雰囲気も常連には好まれる落ち着いた空気が自然と生まれた不思議と落ち着ける空間であった。


 もはやマスターの”華があるだけでやっぱり違うね”と大人の余裕というか、あふれ出る紳士感が非常に好感が良く、”年を取るとするならばこういう大人になりたい”という雰囲気を思わせる人だったためか、今までの修羅場のような職場とは違い、落ち着いて働くことができ、安定したバイト代に安定した労働時間はまさにベストであった。


 そんな喫茶店にかれこれ半年前から、仕事前にやってくる会社員に最近好意を寄せられているらしい。

 面と向かって「あなたを養わせてください」とやたらと真剣な眼差しで言われたのである。

 すぐにマスターが現れ「うちの店員に手を出すのでいたら、まだ好感度が足りないようですね」と、少しいたずら気味に言うものだからその翌日から花束を持ってくるようになった。

 というかいちいち花言葉が気障ったらしい。

 そんな日常を私は案外楽しんでいるらしくマスターに「最近笑顔が増えた」と言われるようになったし、死んだような目に少し光が入ってきたよな気がしなくもない。

 

 だが、いざとなってみると、結構なチキン野郎らしいのだ私は。

 養ってコールを日ごろからスレに向かって発してはいるが、人に稼がせた金で暮らすという行為に非常に抵抗があるらしい。

 政府やらなんやらの確実な建前があるならまだしも、他人に金を稼がせ自分を楽にするというのはどこか自分の両親を思い出してしまうのか、抵抗があった。


 だいたい、毎回毎回贈り物をされても困るのである。

 花束なんて決して安いものではないし、それを安易に受け取ってしまえばその後の生活の中でそこまでの金をかけされるのが当然の人間だと思われてなんかいやである。


 …って、ちょっとまて、何を考えているんだ私は。


 え、ま、まぁそこまで嫌悪するようなわけではないし、人柄もそれなりに悪くはない。

 なんせ直接面と向かって行為をぶつけてくるような人間なんだ、遠回しに言ってくことよりも気分がいい。

 それに引き換え私は…って、違う違う。


 まるでそれだと私が好意を持っているようではないか。


 そんな自分の感情に突っ込みを入れるように、パソコンの恥に現れたポップは


36 HN:クッキー

「恋なんて、気が付いたらそこのない穴に落ちてるようなものなんだし、そう簡単には抜けらんないんだよ」


「つ~~~~~!」


 と、恋愛マスターのごときクッキーに突っ込みを入れられ、何か悔しくて、パソコンの電源を切る。

 しかもシャットダウンの手順を踏まずに直接である。

 …だ、大丈夫だよな?最近のパソコンだし、そこまでやわなものじゃないよな?

 ぷつ、っと消えたパソコンの黒い液晶に移ったのは多少の自覚あってかのおかく染まった顔。


「認めたくない」


 蚊の鳴くような小さな自信のない音がこぼれた。



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