1-3 美少女に笑顔で脅されたら3割増しで怖いよね
「ちょっと待ってください。何で帰ろうとしてるんですか?もうこのくだり3回目なんでさすがの私も少しイラッとしてるんですけど。」
「そうだよね。さすがに飽きるしイラッともするよね。だから俺の左手を粉々にするかのような力で握っている君の右手をどうにかしてくれないかな?」
ほんとこの子の力強すぎるだろ。俺の左手なんかやばいもん。絶対曲がってはいけない方向に曲がっちゃってるよ。顔がかわいかったら何でもしていいってわけじゃないんだぞ小娘!こんなこと考えてるうちに肌色であるはずの手が紫色になってきてるんだけど...大丈夫だよね?
「だってまだ返事もらってないのに帰らせるわけないじゃないですか。」
「返事?あ~、私たちを救ってくれてやつか。」
「はい!それです!」
そういえばそんなこと言われたな。目の前で銃発砲して廃墟を潰すっていうびっくり仰天な光景をみせられたのに、そんなこと覚えてるほうがおかしい。なので、俺が覚えていなくてもなんらおかしくはない。だからその銃を俺に向けるのやめてね。
「断る。」
「え?この流れって普通OK出すんじゃないの!?」
「そんな普通聞いたことねーよ。言っとくけど、お前が天使っていうのは疑ってないからな。」
「じゃあなんで断るんですか!」
「ひとつ言っておく。俺はただの高校生だ。特別な能力も持ってないしずば抜けて運動神経があるわけでもない。そもそもそんな力持ってるお前らの力になれるとも思えない。」
冷静に考えてみろよ。あんなバケモノじみた力持ってるやつが助けを求めるってそうとうヤバいってことだろ?俺はそんなヤバいことに首突っ込みたくないし、そもそも俺にとってのメリットがない。デメリットリはたくさんありそうだけどな。まぁ普通にめんどくさいっていうのも本心なんだが...
「それなら安心してください!力なら今から渡しますから!」
「いや、俺は別に力とかいらないんだけど。」
「そんなこと言わずに力だけでも貰って下さい。貰ってくれないと...この銃の引き金引いちゃいますから♪」
なんで100%スマイルなんだよ。セリフと表情が一致してねーよ。殺害予告と笑顔は同時に行ってはいけないってママに教えてもらわなかったのか!
「それもはや強制してるよね?分かったよ、貰うだけだからな。」
「はい!ではいきますよ~」
正直俺は早く帰りたいのだ。俺の通っている現上高校は、全国の高校の中でも上位10%以内には入っている進学校だ。よって宿題の量も多い。だからこそ早く家に帰って宿題をしなければいけないのに...この女のせいで今日はもう徹夜確定だな。
「準備出来ました!この球のなかに腕を突っ込んでください!」
俺が宿題のことを考えているうちに、彼女は手のひらからサッカーボールくらいの大きさの球体を生成していた。それどんな原理なの?
「突っ込めって言われても...その球青いし燃えてるように見えるんだけど...俺の腕燃えないよね?」
「普通は燃えますよ?」
「は!?お前なに考えて」
「でも、あなたなら大丈夫です。なんせ天界のトップが救世主に選んだ人物ですから!」
そのトップがポンコツだったら俺ヤバいわ。母さん、父さん、先立つことをお許しください。ていうか、天使にも階級はあるんだな
「さあ早く突っ込んでください!」
「お、おう。じゃあ、いくぞ」
覚悟を決めてあの青い球に手を突っ込む。めっちゃ話ずれるけど、最後の彼女のセリフ...なんかエロくない?