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実際のところ、主人公とは損な役割である  作者: 石宮 勇太
第1章 天使と出会っても案外ろくなことにならないよね
2/7

1-2 天使が銃持ってると逆に怖いよね

 なぜ前回(1-1)であんな微妙な長さでどうでもいい自論を述べたかというと、この目の前のびっくり仰天(笑)な状況から現実逃避したかったからだ。

 透き通るような水色の長髪・巨乳・ミニスカ。ラノベを漁っていたら一人くらいいそうな見た目をしている美少女と人気のない場所で二人きり!というような感じで、健全な男子高校生なら泣いて喜ぶような状況なはずなのだが...まぁ実際現実というのはそうそううまくいくものではないのだ。


「で、人を学校帰りに拉致っといて2時間だんまりはあんまりじゃないですか?」

「す、すすす、すすいません」


 さっきからこの調子なのだ。なにそれねらってんの?といいたくなるくらいアニメでよくいるコミュ障の反応をするもんだから最初は楽しかった。だが2時間ともなると話は別だ。こっちは早く家に帰ってhomeworkをしなければならないのに一向に俺を家に帰してくれない。帰ろうとするとその風貌からは想像もできないくらいの馬鹿力で引っ張られる。なにこれ無理ゲー?


「ゆっくりでいいからさ、俺をここに連れてきた目的だけでも教えてくれないかな?」

「は、はい。わかりました。」


セーーーフ。やっと話が進みそうだ。このまま帰れないかと思ったぜ☆すいません気持ち悪いですよね。自覚はあるんで許して下さい。


「私たちを救ってください」


 何を言っているんだろうかこの子は。あっ、そういえば今日見たい深夜アニメがあるんだった。よし帰ろうそうしようそれがいい、いやむしろそれしかないな。


「ちょ、ちょっと待ってください!何で荷物まとめて帰ろうとしてるんですか!」

「いやだってね、いきなり得体の知れない人に救いを求められても普通誰も承知しないから。」

「それもそうですね。自己紹介が遅れました。サフィ・ラルエンテです。天使です!」


 あ~。この子あれだな。イタイ子だ。名前とかそれ絶対キラキラネームってやつだろ。しかも自分のこと天使って言ってたよね。中二病属性も持ってるとかマジでなにもんだよ。


「な~に帰ろうとしてるんですか?」


 怖い怖すぎるよ!なにその右手、俺の左手はそんな頑丈じゃないから!さっきまで私コミュ障だしか弱いですよオーラ丸出しだったじゃないですか!


「す、すまんすまん。俺は頭イタイ人とはなるべくかかわりたくないんだよ。」

「何で私が頭イタイ人なんですか!」


 もしかして自覚ないのかな?親御さんもうちょっとしっかり教育してあげてよ...ほら、本気で何言われてんのか分かってないような顔してますよ。


「もしかして私が天使だって信じてませんね?」

「安心しろ。その予想は的中してるから。」

「何でそこを信じてくれないんですか!分かりました。証拠を見せてあげます。」


 そう言うと彼女は、手のひらから銃を生成し廃墟に向けて発砲した。その片手銃から放たれた弾は廃墟に到達した瞬間、紫色の爆炎がその廃墟を覆った。それが爆発という現象だと理解するのにそう時間はかからなかった。


「う...嘘...だろ。冗談に決まってる。」


 数秒後には、五階まではあったはずの廃墟がただの更地になっていた。


「信じてもらえましたか?英・雄・様」

「...ほんと冗談きついぜ。神話とか絵本の中の生物じゃないのかよ天使って。」


 こんなん見せられたら、もう信じるしかねーじゃん。なんでよりにもよって、俺のところに来るんだよ。もう苦笑いしかでねーよ。

 

 


 この時サフィを天使だと信じなければ運命はもっといい方向に向かったんだろうか。俺は、あいつを失うこともなかったんだろうか。 

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