第二次北東戦線
北東地域を強奪したヘラティーズは、なんと隣のクッキーズに戦線布告したのである。
しかも、ヘラティーズにより行われたクッキーズ首都空爆は戦線布告より前であった。
これにより首都に住んでいた者の多くが命を落としてしまった。
南西同盟と友好的な関係になっていたクッキーズは、南西同盟に助けを求めた。
南西同盟は救援要請を承認。すぐに援軍を向かわせた。その援軍の中には、
戦友を殺され、今では小隊長となったティンも居た。
南西同盟軍は、北東地域に到着後、すぐにヘラティーズに対して攻撃を行った。
それは、非武装の民間人に対しても行われた。
家族を殺されたクッキーズのある兵士は、ただ体の持つ限り撃ち続け、
ティンはその悲しみを共有し、ただただ撃ち続けた。
怒りと憎しみの連鎖は止まらない。
仲間を殺されたヘラティーズの兵士は包囲され投降した兵士も虐殺した。
捕虜に対しては、恐ろしく惨たらしい拷問も行われた。
「こんな戦争、早く終わればいいのに…」
ある若い兵士が呟いた。
「馬鹿者!士気を下げる発言をするな!」
ベテランの兵士が怒鳴る。
「家に帰りたい!」「死にたくない!」「せめてあいつにだけは告白したかった。」
兵士達の不満が爆発した。
眠る時間もなく常に死の恐怖に晒されることに堪えきれなくなったのである。
自殺する者まで現れた。
「おい!やめろぉぉぉぉぉ!!」「ふざけんな!」「クソがっ!!」「畜生畜生畜生…」
戦線は阿鼻叫喚の地獄と化した。
もはやまともな作戦行動が不可能になった南西同盟軍は撤退した。
役立たずである。
北東地域では今もまだ戦闘が続いている。