南西同盟
今迄ずっと中立であった西部ウェスタンズは、このオーシオ空襲を受け反ビスケッティア帝国側に回った。
砂漠という条件からあまり食料を手に入れられない彼らはずっと南部センベーズからの輸入煎餅に頼っていた。
しかし、先の空爆で煎餅の産業は大打撃を受け、ウェスタンズ側に煎餅が流通しなくなってしまったからである。
ウェスタンズ代表サトウキビ名誉保安官は会見で
「ビスケッティアの行った行為は反人道的な行為だ。センベーズの若い者達を殺しただけでなく、
我々が食料をセンベーズの煎餅に頼っていることを知っていてやった事なのだ。
ビスケッティアのせいで我々にはすでに多くの死者が出ている。
我々は強く抗議する」
と発言していた。ウェスタンズはもう引き下がれなくなっているのである。
反ビスケッティアという目的が共通したウェスタンズとセンベーズであったが、実の所は少しずれていた目的であった。
センベーズはビスケットを潰したいだけであるが、ウェスタンズは食料さえ手に入れられればそれでいいのである。
そのまま、センベーズ・ウェスタンズ同盟(南西同盟)が出来てしまったのである。
勿論ビスケッティア帝国もこれには強く反発し、同盟ができた翌日にはウェスタンズ領土を空爆していた。
しかし、ビスケットを使った空爆は、ウェスタンズにとっては恵みの雨であった。
相手からわざわざビスケットを贈ってくれるのである。地面に落ちた物であろうとも、ウェスタンズ国民にとっては食べられればそれで良いのだ。