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§1-0.プロローグ

初投稿です。


プロローグ、書き直しました。

第1話も改稿予定ですので少々文章的におかしいところなどが出ているかもせれません。

  プロローグ

「さすがは、我が選定者リウローラ……」 

 魔神は呟いた。

 黒曜石のような光沢の皮膚と鍛えられ鋼のごとく鍛えられた肉体、他のどの強者とも一線を隔す雰囲気をまとったその者の存在感は、自ら率いた異形揃いの軍勢の中でまったく翳むことがない。

 彼が見つめる先には敵の軍勢、それを構成するのは彼の軍勢と同じ魔族。

 魔族の本来の敵ははるか昔から、南に領域を持つ人間族やエルフ族といった人種であった。それは今も変わらないことなのだろう。

 しかし今、魔族は二つに分かれ争っている。

 原因は魔神自らが選びその力を預けた男。その男は、人種領域侵攻後の統治を進行する最中に反旗を翻したのだ。

 はっきりとした理由は分からない。しかし理由など必要ないのかも知れぬ、とも魔神は思った。

 魔神と魔族に刻まれた闘争本能。戦う理由など必要ないのかもしれない。


「これより我の全てを以ってあの男を潰す……」


 戦場は荒れ、既に何度かあの男とはぶつかっているが、それを楽しんでいる時間もないようだった。後ろからは本来の敵である人種が反撃を計っているという報告もある。

 まずはあの男を潰さねばならない。


「御武運を」

「俺も行くぜ、魔神様?」

「私もあちらの愚弟に用事がありますからご一緒させていただきますわ」

「……」


 反応は様々。これからの攻撃に帰還がないと知って分かっていながら共に行くという者、残る者、逃げ出す者、裏切る者。

 だが構わない。

 本能のままに、心のままに生きるがよい。それが魔族たる誇り。

 魔神は戦場を進む。

 圧倒的な力を奮い、全てをひき潰し、自ら力を分け与えた男とぶつかる。

堕ちたとはいえ神たる自分が全力を以ってあたることのできる敵。

 認めよう、今世最大の敵はあの男であると。

 混沌が、狂気がさらに渦巻き、魔族は入り乱れ、背後では人種の攻撃も始まった。

 この戦争で錯綜した真実、その全てを知るものなどどこにもいない。



#####



少女ティアはここ最近眠れぬ日々を過ごしていた。

 不安や恐怖、痛みといったものではない。興奮と期待、強いて言うなら上手くことを運べるかといった不安が少しといったところか。

 大陸スレンディナの南に広がる真人領域、山脈により東西を隔てられた東の比較的小規模な国の中でもそこそこ大きい王国セルシア。その王都のスラムに彼女は住む。

 肩口まで伸ばした真っ赤な髪と同色の瞳に少し鋭い目つき、スラムの15歳にしてはそこそこ健康的な体躯。薄汚れているおかげで、否、自らそのようにすることは薄汚れた大人たちの目から少しでも逃れるためだ。

 父親はスラムの大規模犯罪組織のボスであり、その地位に脅え直接手を出す輩はいない。だが実際は使えるものはなんでも使い、役に立たないと思えば娘であろうと捨てるだろう性格の父親。それが末端の構成員まで知ることになれば男たちがティアに遠慮することもないだろう。

 そんな父親の性格と環境。必然的にティアは小さいころから働いて、自らの有用性と立場を確立しなければならなかった。


「ティア、お前には準幹部ライカの地位を与える……」


 少し前の組織の集会、その叙任式での言葉である。実の娘の叙任でも声音一つ変えないことも、実際何も思っていないからだろうとしかティアは思わなかった。

 むしろ他の者たちのざわめきが気になったほどである。

 たしかに少女が就くには高すぎる地位ではある。がそれに見合うだけの仕事をこなしてきたし、ましてやこの父親がただ娘だというだけで情を挟むなど万に一つもありえないとティアはひとりごちる。

 だからこそここまで来た。

 あのときからずっと考えて計画を立て、それに必要な立場も手にした。

 もう少しであなたも、私のこの生活も終わりだ。心の中でそう目の前の男に呟いた。

 そして確かにそれは叶った。はるか昔から渡る運命、その理不尽な流れによって。

プロローグ、うまく書けているでしょうか・・・。

今後とも辛口評価のほど、ぜひよろしくお願いいたします。

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