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目出し帽被るとおちょぼ口に見えるよね。

クラスの皆は教室の隅に縮こまって座った。

勿論、俺もそうした。


「1年7組、制圧完了。」


無線を使ってテロリストが仲間とコンタクトをとっている。


俺の高校は5階建てのA棟とB棟から成っている。

1年1~7組の教室はA棟の2階、2年1~8組の教室はA棟の3階。

そして、3年1~8組の教室はB棟の3階と4階に在り、職員室はB棟の2階に。

校門をくぐると、手前にB棟があり奥にA棟が。その奥にはグラウンド。

B棟には職員玄関も在り、職員玄関から入ってすぐの所には事務室がある。

1年7組である俺の教室の場所は長い廊下の一番端。

長い廊下の両端には階段が在り、1年7組側に限っては2階から外に階段が延びている。

これはA棟の2階にしか存在しない。

尚A棟とB棟の2~4階の中部には渡り廊下が在り、棟を行き来する事が可能である。


1年7組には一人しかテロリストがいない。

各クラス一人のテロリストだけで制圧していて、職員室と事務室を仮に二人ずつで制圧しているとしたら...

27...最低でも27人のテロリストが居るのかな...

それにしてもこのテロリストの目的って何なんだ...

俺の近くにいた大塚に小声で


「テロリストの目的ってなんだろーね。」


と尋ねた。大塚が知ってる訳がない。がなんとなく訊いてみた。


「政治的な目的で学校に攻めてくる事はねぇだろ。」


そうか...テロリストって政治的な目的を組織的暴力の行使で達成させようとするんだっけか。

俺ってやっぱり馬鹿だなぁ...でもテロリストの方が響きが良いから今後もテロリストって呼んどくか。


「ト...トイレ...」


女の子の小さい声が聞こえた。

が、テロリストにその声は届いていないようだ。


「トイレ!行って来てもいいですか...?」


勢いよく立ちながら大声でそう訴えたのはクラスの末永。

その質問に対し、テロリストは間髪いれずに答えた。


「お前が妙な気を起こさないように個室の中までついて行く。この条件が呑めないなら、そこで漏らしてろ。」


俺たちは高校生だ。皆携帯くらい持っているし、他に外に助けを求める方法だって考えれば一つは出てくるであろう。

目を離した一瞬の隙に助けを求めるに違いない。テロリストとしては当然の対応なのかな?

それは、女の子だって例外じゃない。


「ちょっといくらなんでもやりすぎじゃないか!?高校生だぜ...」


そう末永をかばったのは藤田。ほ~ら来た。す~ぐかっこつけたがる。

このままむきになり反抗して射殺されて...一番目の犠牲者に...くっくっく。

あれ。予想通り死んで欲しいのかそれとも、誰も死なないで俺が大活躍して感謝状をもらいたいのか...どっちなんだ俺。


「助けを呼ばない保証なんてないだろ?俺は慎重なんだ。俺はなんでも100%じゃないと嫌なんだ。そういう不安要素は断ち切っておきたい。」


テロリストがそう言うと、藤田はうつむいて黙り込んでしまった。

おい、引き下がんなよ藤田。

漏れそうにもぞもぞしてる末永。


「おじさんたちの目的はなに?」


変なタイミングで大塚がテロリストに質問した。


「金さ。お前らを人質に身代金をがっぽりもらう。ガッハッハ!」


呑気なテロリストだな...答えるのかよ。

しかしそうか。やっぱり金だったか...


「その計画は100%どころか、成功する確r...」


バンッ!


...大塚はかえらぬ人となった。

お前の犠牲は無駄にはしない!!


それにしても...成功する確率は何%だったんだぁ...

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