幕開けは音を立てずに
手に取って頂きありがとうございます。
楽しんで。
…て
…きて
…おきて
「はっ…」
思わず体を起こす。手には冷や汗、朦朧としながらもはっきりとしていく意識に、直前の出来事が夢であると直感した。見知らぬ誰かの、何処からかもわからない呼び声。
「いてて…」
反射で飛び起きてしまったときに気づかなかったが、そういえばまだ修理したばかりの右腕が馴染まないのをすっかり痛覚が忘れてしまっていた。
「ちょっとちょっと、せっかく修理したってのに直ぐに暴れてもらっちゃ困るよォ…」
「いいだろ、いつものことだし。」
「いいだろって君ねェ!こっちだってほんとは文無しの君に施す修理なんか一個もないんだ!お前の母さんにはお世話になったからどうにも逆らえないが…」
そのあともぶつくさと独り言を喋っては顔を赤くして部屋から出て行った。
相変わらず口厳しいおっさんだな、レロウズのおっさん。あんなんでも義肢修理師としての腕前は今も尚業界トップクラスだって言うんだから、義肢界隈はさぞ狂人で溢れかえってるものだろう。
行き場のない目線をなんとなく天井に放り投げる。今にも崩れそうなボロ木材とやっつけに、あたかも「見えなきゃいいだろ」と、どこかの老いぼれが言いながら切って貼ったようなトタン。だがこの光景も初めてではない。
ー痛い。
キリキリと刺すような痛みが、右腕の神経を繋いでいるであろう義肢と肩の接合部に響く。継ぎはぎな、そして曖昧な記憶を整理する。
「ーあ。また負けたのか、俺。」
42回目の敗北。もはや悔しさを感じるタイミングでもない。ただまた、生きているという事を辛うじて幸せと思うべきだと自分に言い聞かせた。最近、街へのエクソム侵攻も進んでいるというのに、この腕と拳と体は気持ちにどうもついて行かないみたいだ。
すると玄関口の方から慌ただしい音がした。
「おい!レイ!」
「やっべっ…」
聞きなれた甲高い女の声。ここで捕まったらまずい。どれくらいまずいかというと、この腕の痛みの全治が2週間はちゃんと伸びる事が確定するくらいまずい。というかそうなる、絶対。
とりあえず窓から外に出なきゃ…
まだ完全に神経が接続されていないのか、右手が上手く動かない。接近する足音、恐らくこの部屋にいるのもバレてる。まずは外へ、少しでも距離を取らなきゃいけない。身を乗り出して、外へー。
「いてっ」
不時着。それとほぼ同時に聞こえる部屋のドアを蹴飛ばす音。どうやらギリギリセーフらしい。
「つーかまーえた。」
どうやらアウトらしい。
ーバリハンス中央警護本部三階、警護団戦略課の一室ー
「なんど陣形から外れるなと言ったレイ!無理をして前衛をできる実力でもないだろう!」
「ま、レイならやりかねんとは思ってたよ。僕はね。」
何時間この床のシミを数えてるんだろうか。足も痺れてきたし、喉も乾いた。トイレも若干行きたいし腹だって減る。この説教に意味はあるのかと言われればはっきり言える。無い。だって俺は一つたりとも聞いていないからだ。
「そうは言えどもな、ライア。こうも何度もお前にレイが世話になるわけにもいかない。それにこんなことを何度も続けてはレイ自信の身だって保証できないんだぞ…?」
過剰に俺の身を憂うのは、バリハンス中央警護団副団長補佐のウリュウ・フィングリンデ美麗な雰囲気と今は少ない艶やかな純黒の髪は、かつての言い伝えである「ニホンジン」を彷彿とさせる。その雰囲気からスラムを歩けば花が咲き、一礼すれば道が開くとまで言われそうではあるが、その腹の内は大股歩きの鬼将軍。バリハンスの抑止力の三分の一は彼女の警務中の姿である「歩く懲罰 サリュウ副団長」であると、巷ではまことしやかに囁かれているほどだ。しかし、どんなに狂暴な素性を内に秘めてはいても表沙汰には副団長補佐、自分が副団長本人であるとバレないように警務中は鉄の鎧に身を潜め、今宵も町へと繰り出していく。
同時に俺の上司でもあるのがこれまた不運。ウリュウ副団長は仲間思いが空回りし、かえって部下にプレッシャーを与えてしまう事から、俺以外の部下は先ほどから副団長の後ろで偉そうにふんぞり返っては野次を投げる同期であるライア・エッジガルしかいない。ま、この二人体制なのが、ウリュウ副団長(仮補佐)がサリュウ副団長であるという噂が広まっていないという点においては功を奏しているのかもしれないが。
「おい!レイ!聞いているのか!」
「あ~はい!聞いてます!」
「ではレイ・ヴァーミリオ。戦場の心得其の三十六を述べてみよ。」
「んぇえ?」
覚えているわけがない。なんならあの勤務初日に貰ったパンフレットなんか初日に家のゴミ箱行きだぞ。てっきり皆そうしている物かと思っていたが、そもそも「皆」がこの部署にはいない…!すると腕の義肢から内部通信網でボイスメッセージが送られてくる。
「あっ!ウリュウさん!通信通信!」
「なんだ間の悪い…ん?団長から全体にボイスメッセージとは…」
ふんぞり返っていたライアもいつの間にか立ち上がっていた。
「珍しいですね。以前内通メールが使われたのはウリュウさんが水筒を無くした時の…」
ギロリと、眼光がライアの眼球を刺す。
「あ、いや、なんでも。」
【バリハンス中央警護団の諸君。日々の任務ご苦労である。団長、カタカミ・リューマだ。今回内部通信のメールを使ったのは他でもなく、最近のエクソムの侵攻激化についてだ。】
俺の義肢を通して部屋にピりついた空気が走る。言われるまでもなく、誰しもがその迫りくる危機と歩み寄る恐怖に気がついていた。しかしそれでも、なるべく平静を装って日常を享受しようとする試みが今、俺達の中で引き裂けた気がした。
【上位的人類:Evolved Xeno Organism of Mankind エクソムとも言われる奴らの行動はここ数か月激化の一途を辿っている。先日のバリハンス東部大規模侵攻に関しても、多数の犠牲者・土地・資産を失うことになった。不幸中の幸いとも言えるのか、東部警備部隊と西部遊撃警備部隊、また中央臨時戦闘部隊の早急な排除活動によって、一定の侵攻以降は抑える事が出来たが、これらの被害はどれもすべてたった二人のエクソムによるものだ。警備団団長として、いや君達と同じくこのスラム都市を衛る者として、このエクソムの行動をみすみすと見逃すわけにはいかない。しかしそれは君達も同じ気持ちだろう。だからこそ、今は待つんだ。くれぐれも無茶はしてくれるなよ。墓参りはどうも、まだ慣れないものでな。それでは以上だ。諸君、そしてバリハンスの未来に光あれ。】
ブツッ…と音声メッセージが終了した無機質な音が耳をつんざく。
同時に誰が呑んだか、唾が喉を通る音が、平和が崩れ去る事をもう一度一同に知らせるのであった。
あの後すぐにウリュウさんは副団長補佐としての任務に追われ、結局説教は曖昧なまま拘束を解かれることとなった。あの部屋を後にするときの
「レイ!まだ話は終わってないぞォ!」
あれをぜひとも一度バリハンス公共放送で流してみたいものだなと、思いついてはみたがその結末は容易く想像できるので辞めておこう。
本部の廊下はやけに入り組んでいるなと思っていると、隣をいつの間にか歩いていたライアが興味なさげに喋りかけてきた。
「そうだレイ、公務中の強制離脱35回目記念にどこかお昼でもどうだい?どうせ本部にいたって補佐業務に追われてるウリュウ副団長補佐くらいしか見れないよ。」
「ま~それも面白いけどな。」
「それはそうかも。」
長く無機質なコンクリートの廊下を歩いているときは、何がと考え事をしてしまう。そういえば、よく考えるとこいつとも長い。ライア・エッジガル。俺と同じ17歳でありながら、バリハンス警護育成学校では座学トップ。実技もかなりのもので、ありとあらゆる右足の義肢を使いこなすその天才的ともいえる所業はバリハンス中央で頭を張るカタカミ・リューマに注目されたようだ。警護育成学校を卒業してすぐに中央本部への入団が決まり、今でもなおその独特な戦闘スタイルと理論づけられたデータから導き出される適切な判断は、バリハンス中央内でも高い評価を受けている。
また容姿面だが、とても高水準だろう。ある一点を除いて。
顔立ちは端正でどこか中性的。儚げな顔をしながら明日の方向を向いて「人生って何だろう…」とか言わせておけば、モデルだって唸る程のビジュアルを持っている。体つきもすらっとしているし、それでいてしっかりと筋肉を身に着けている、いわば細マッチョという奴なのかもしれない。
しかし、坊主だ。
意味が分からない。今でも奴の頭を直視できないのは、戦闘中に見ると必ず笑ってしまいスタミナを消費することが確定してしまうからだ。何故あそこまで全てを手に入れたような男が辿り着く髪型が坊主なのだ。意味が分からない。これも日本文化をこよなく愛するライアとウリュウ副団長の趣向なのかもしれないが、どうにも理解はできない。
対して俺はどこにでもいる普通の一般団員。中央警護団に入れた時はテンションが上がりすぎてついうっかり赤髪に染めてしまったが、実力が髪色に追いつかずに悪目立ち。最悪のスタートから6か月がたった今は「バリハンス最弱」を名乗らせてもらってる。
「ん?考え事かい。珍しいね能天気な君が熟考とは、今日は厄日か…あっそこ傘立て」
「ん~?ゥォア”!」
「おいおい言わんこっちゃないだろ…」
頭を強くぶつけたのだろうか、視界が少しピンボケしているようにも感じた。目の前を卵のような頭がちらつく。やめろ、分身するな。
卵のようなライアをぼーっと見つめながら思う。
俺、この仕事向いてんのかな…?
小洒落たジャズ風のBGMに古き良きレンガ仕立ての壁、美人なウェイトレスに香ばしい深みのあるオーナー厳選豆ブレンドコーヒー。俺らのいつもの休憩所だ。
「こちら、オーナー特製気まぐれブレンドのオリジナルブラックコーヒーでございます。毎度ありがとうございますライア様。」
「ああ、こちらこそ毎度美味しいものをどうもね。」
「いえいえ、ではごゆるりと。」
違和感に気づく。頼んだはずの俺の昼食が来てない。俺もあいつと同じサンドイッチとコーヒーを頼んだはずなのだが。
「あ~メイちゃん?俺も同じもの頼んだ気が…」
…
なんでこんな嫌われてるのか、ライアとはうって変わってフル無視とは、前菜にしてはだいぶ厳ついメニューだ。メイリアル・アラグレア、名前を聞いて分かると思うがメイちゃんはあの超大規模財閥アラグレア財閥の長女。まあ、色んな事情があって今はここ「リースリアル・コーヒー」で働いてるらしい。今時珍しい銀髪のショートだが、あれも身元を隠すためだとか。あとどうにも俺に当たりが強い。
「う~ん。メイさんなんであんなに君に当たりが強いんだろう。レイだって悪い奴じゃないのにね?」
「こっちが聞きてえや…ま、毎度の如く直接オーナーに貰ってくるかね…」
「うん。待っておくから、焦らずにね。」
時折思うがこいつはかなり性格がいいし育ちもいい。
あとは髪だけどうにかしてくれればな…
「オーーーーナーーーーー?」
カウンターへ歩きながら、厨房へと呼びかけると、のっそりとのれんの奥から逞しいシルエットが覗かせてきた。
「おっ、ダメダメ中央団員のレイ・ヴァーミリオさん。こりゃまたどうも。」
「今更よそよそしいぞ。トゥリス。」
「へいへいこりゃまた、今日もうまくいかなかったのか?」
「ああ、最悪に最高。絶好調に絶不調ってところだな。」
「いつも通りで何より、おらよ。」
およそ俺の拳二個分くらいある手のひらからとは思えないほど、丁寧に置かれたコーヒーとサンドイッチは、作り立てかのような熱気が立っている。見上げるとそこにはダンディで堅牢な…リスがいた。これは語弊ではない。リスだ。一時期は話題になったが今や珍しくもない、ファウンダールからの来訪者だろう。茶色がかった毛並みは美しく靡き、リス特有の前歯は見えない。俗に言う「人間とのハーフ」という奴だろうか。今どき多種族の血を持つ生命体も珍しくない。
「生命体…」
やはり自分は仮にもバリハンス警護団の一員らしい。つい、今日のボイスメッセージが頭をよぎる。
「レイ?どうした柄にもなく悩んで。」
「ああすまない、なんでもないんだ。」
まさか口が滑っても人間とのハーフであるファリスに、気軽に口にしていいような話ではないだろう。きっと彼も、ここに落ち着くまで相当苦労してきたはずだ。それこそ、今だってがらんどうなこのカフェだが、初めて来たときは廃墟かと見まがうほどに酷かった気がする。ただメイが入って来てからというもの、店も明るくなったし評判も出始めた。当初と比べれば、だいぶオーナーの好きなようにできてるんじゃないかと思う。
ま、何よりここは職場からそう遠くない。サボり場所としてはちょうどいい塩梅だからまだつぶれてもらっては困る。
おーい、レイー?
コーヒーは、まだなのかーーーい!
冷めちゃうよーーーー!
「ごっめんマスター、ツレが呼んでるっぽい。」
「ああ、ゆっくりしていってくれ、常連さん。」
そういって背中を見せると、ゆっくりと厨房のほうに戻っていった。去り行く間際に振ってくれた手が、触ってこそいないが温かみを感じた。
席に戻ると、しょんぼりとうなだれたライアが待っていた。
悲壮感を漂わせる後ろ姿は、周りの世界観と相まってドラマのワンシーンのようにも見える。髪型が違かったらの話だが。
「ご、ごめん。」
「いや、謝る必要はないよ。僕が焦らないでと言ったからね。」
しばし気まずい沈黙が机の上に漂う。
「あっ、よかったらこっちの熱々の方飲むか?」
「いいの!?」
とてつもない速さで食いついてきた。まあ待たせてしまったのは事実だし、まだ湯気の多く出ているコーヒーを彼に渡すと、ライアは上機嫌でコーヒーを口に運んだ。
「うん、この芳醇な香り。やっぱりファリスさんの作るコーヒーは別格だね。」
「厳選した豆の中には、人間には作れない特殊なコーヒー豆もあるらしいぞ。」
「そういう意味では唯一無二の味なのか、やっぱりファリスさんは凄いや。」
そんなに絶賛するならと、温くなったコーヒーを自分も口に運んでみる。
口に運んだ瞬間に、鼻の中を駆け抜けるコーヒーの大人な香り。舌触りもよく、苦みの中にほのかな安らぎと豆の風味を感じる。渋味すらも、このコーヒーの中では踊る舞台の上の役者の一人。そして全てを締めくくる後味も、清涼感のある飲みごたえでありつつもしっかりとコーヒーを最後まで堪能した気分を味わう事が出来る。至高のコーヒー、追及されたコーヒーでありつつ、どこか生活に寄り添ってくれるような、そんな優しいコーヒーだった。
「いつになく味わうんだねレイ。」
「なんとなく、この味がいつもより美味しくて。」
微笑むと彼は再び口にコーヒーを運ぶ。感嘆の声を、静かに漏らしながらコーヒーカップを置くと、少し寂しそうな顔をしながら、ライアは喋り始めた。
「なあ、レイ。」
「ん?」
「その、やっぱり君の義肢。交換したほうがいい。最新型のほうが攻守ともに優れているし、軽量化も進んでる。何より君の義肢、今市場に出回ってるのではないよね?特注品にしては安っぽいというか、使い勝手が悪いというか。ほら、何しろその義肢、右手だろう?」
「ん~…」
「なあレイ。僕は知ってる、君が本当はもっとできるって事。ただ、その古い義肢じゃ実践はおろか対人戦闘にだって今時使うのは厳しい。」
心配そうな彼の顔は、自分の中での葛藤をより一層激しくさせる。この義肢が型落ちな事も、もう使えない代物なのも、俺が一番よく知ってる。
「勝手にごめんね。君の義肢、少しだけ調べたよ。製品番号不明、製品会社不明、それはおろか製造証明書だってなかった。能力は無し。重量は従来の義肢の三倍はあるし、挙句神経接続度もでたらめに高い。これじゃ義肢の得意とする痛覚を無視した戦闘スタイルだって、できっこない。そんなの使用者である君が一番つらいじゃないか。」
「それがさ…」
言葉が詰まる。
「あの…」
「うん。」
「この義肢、取れねえんだ…」
「え…」
「えぇ…!?」
するとライアはまくしたてる様に独り言をぶつぶつと呟ぎ始める。
「おかしい義肢の神経固定は義肢法によって規制されているはず、でもレイが犯罪を犯すやつには思えないそうすると義肢提供者に問題が?いやライセンスがない時点でその仮説が濃厚か?」
「待て待て。違うそういう事じゃない。」
きょとんとしたライアは少し冷静になろうと、一度大きく深呼吸をした後、再度口を開ける。
「でも、取れないってそんなの。神経固定したら義肢はもう着脱不可になっちゃうんじゃ…」
「それなんだが、俺は生まれつき右腕が不自由だったから、生まれてこの方右手は義肢なんだ。」
義肢、この世界においての義肢は、着脱可能な四肢のパーツの事を指す。現代においては神経医療が発達し、元の四肢の神経部を一時的に切り離し、神経部より送られる信号を感知してまるで元の四肢のように動く機械が開発された。それこそが義肢、それ故ほとんどの人間は義肢の予備として自分の預けた四肢のどれかを持っており、義肢が壊れた場合は元の部位を戻すことが可能なのだ。
「そう、だったのか…確かにレイはずっと義肢を外さないと思ってたけど、そういう事だったんだね。」
…
少しの間、お互いが喋らない時間が生まれた。もっとも別に俺はこういう時間が嫌いじゃない。特に心を許したライアとは、無言の時間すらも思い出だと思える。
「配慮に欠ける発言、申し訳ない。」
「いやいや!んなの別にいいさ。何より俺も別にこれ、嫌いじゃないしな。」
「でも、生活が大変じゃないのか?」
「いやまあ、確かに痛いし不便だし、皆がやるようなド派手な技とか、俺もやってみたいなって思うよ。でも、なんかこれ捨てられないんだよね。思い出っていうか、離したら大事なモン忘れちゃうっていうか。」
「そうか…」
するとライアは、それまでの雰囲気を壊すかのように、明るい空気を呼び戻した。
「じゃあ僕がなるべく補助しよう!一緒にこれからも頑張ろう、レイ!」
前に突き出された拳、何故か俺は凄く嬉しかった。
「ああ、よろしくなっ!」
やたらと鉄臭い腕と、生身の腕が、コツンと音を立ててぶつかった。
続きをお楽しみに。
よければ感想を下さい。励みになるかもです。