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第三話
タロットカードの絵柄が浮かびあがったのを見て、あずささんはそれを唐草模様のついた銀の小箱に収めた。
若干照れくさそうに、そわそわと落ち着きのない柾人さんが隣にいる。嬉しかったのだろう。犬みたいな仕草だった。
「次は《THE HIEROPHANT》、司祭長のカードだけれど、心当たりはある?」
「ない」
いつの間にか日が傾いて、障子越しにオレンジ色の光が差し込んでいる。
僕は時計を確認して「おかげで色々とわかりました。ありがとうございます」と頭を下げた。そろそろ出直した方がいいだろう。
「またいらしてください」
急に巫女としての言葉遣いに戻ったあずささんが、銀の小箱をくるりと回転させて僕に渡した。
「それじゃ、また」
柾人さんは宮司らしくないあいさつをすると、へにゃりと笑った。
境内を抜けて長い石段を降りていくと、参道に面した道路を横切るサナの姿が目に入った。小型犬のパピヨンの耳のようにふさふさとした彼女の髪型を見て、今日はツインテールにしてたんだな、と今さら僕は思った。
石段はまだつづいている。遠くから石焼き芋の移動販売車の呼びかけが聞こえて、やけにお腹が空いた。
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