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こんな仕打ち許せるわけありません。死に戻り令嬢は婚約破棄を所望する  作者: はるくうきなこ


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55ー2これからの事(ラセッタ辺境伯)


 俺はリンローズを部下に預けると俺達3人は急ぎ警務部の会議室に集まった。

 そこには東のシャルトル辺境伯と南のユーロウ辺境伯も集まった。ふたりとも転移して来てくれた。

 北のカルキース辺境伯は今結界の問題でこちらに来れる余裕はないそうだ。

 ダニー・トマーソンが今までわかった事を報告してくれる。

 「ベナン伯爵のベナン商会が王領の神宿石を不正に横流ししていることは明らかです。取引を行った裏帳簿はまだ見つかっていません。大きな取引先には他国の商会も絡んでいるようですが、それに厄介な事にドーナン殿下にも使われた疲労回復薬もあちこちで出回っています。これもベナン商会が手掛けているものであちこちの領地から薬草を買い付けていてかなりの収益を上げています」

 「ああ、それで、肝心の国王代理との関わりはどうだ?」

 俺は願うように聞く。

 「残念ですが‥まだ、その証拠はつかめていません。きっと裏があるのでしょう。表向きは別の商会への支払いとかで、本当はブルトが受取人みたいな仕掛けが‥」

 「ああ、だろうな。シャルトル辺境伯とユーロウ辺境伯に頼みがある」

 「ああ、何でも言ってくれ。これだけ神宿石が国外に流れていたのは許せない。俺達がどれほどあの石を必要としているかわかっていながら‥」シャルトル辺境伯は悔しそうに言う。

 「そうだ。もうあんな奴の言うことを聞いていられない」ユーロウ辺境伯が机をバ~ンと叩いた。

 「今まで色々理由をつけられて国王代理の言う事を信じていたが、ここまで来るともう無理だ」シャルトルも文句が止まらない。

 「それに何よりドーナン殿下が元気になった事が大きい。すぐにでも彼を国王に押せる時が来たんだ。そうなればもうあんな奴の言いなりにはならなくていいんだからな」ユーロウ辺境伯も止まらない。


 ホクス騎士隊長が口をはさんだ。

 「神宿石の事については俺の方でも調べている。神殿に使える石を見つけるよう今指示を出している。いずれきっと北にも西にも見合う神宿石が見つかるはずだ」

 「それは願ってもない事だ。助かるよ。ホクス隊長頼りにしている。だが、君はブルトにつかなくていいのか?」

 俺はずっと思っていた疑問をぶつける。こういうことははっきり言った方が分かりやすい。顔色が変わるようならホクスは信用できない。すぐにこの場から立ち去ってもらう。

 するとホクスははっきり言ってくれた。

 「俺の母は妾だった。小さいころから父にも兄姉にも疎まれて来た。俺は早くに自立したくて騎士隊に入りそして自分の力で騎士隊長になった。まあ、みんなは父のおかげと思っているだろうが‥あいつのやり方は反吐が出るほど嫌いだ。自分の利益ばかりを優先させて人の事には目もくれない。辺境の事だってもっと早く何とか出来たはずなのにすまない。俺にそれだけの力があればよかったんだが‥それにリンローズの事もあんなに嫌だと言ってるのに聞く耳はないらしい。どうあってもあの二人を結婚させて孫に王位を継がせるつもりなんだろう。まったくあんな奴と血が繋がっていると思うと情けない‥」

 ホクスの気持ちを考えると信じれると思った。



 「ホクス。君も辛かったな。でも、俺達は君を信じる。力を貸してくれ。俺は今から北の辺境伯領に行って来る。シュナウトとリンローズをこれ以上近づけさせるわけには行かない。みんなも知っているだろう?リンローズは一度襲われた。もしまたそんな事があって既成事実を作られたらブルトの思うつぼだからな」

 「だからラセッタ辺境伯はついて行くのか」

 「いや、俺は彼女に‥求婚するつもりなんだ」

 「「「「そうか!」」」」子供みたいに髪をㇰシャリとされたり腕を差すられっる。みんなやめてくれ。照れるだろう。ホクスは少し戸惑ってはいたが「頑張れ」と言ってくれた。



 「コホン。それで俺のいない間にふたりにはやってほしい事がある。ブルト側についていた貴族をこちら側に寝返らせてほしいんだ」

 「だが、どうやって?」

 「あいつについていた貴族は大半が賄賂を受け取っている。今、部下たちがその証拠を集めている。それを使ってこちらにつくように話をしてもらいたい。4辺境伯がドーナン殿下側についたと知ればあっという間に体勢は変わるはずだ。そう思わないか?」

 シャルトル辺境伯とユーロウ辺境伯は大きくうなずく。

 「ああ、きっとそうなるだろうな。任せてくれ」

 「ああ、さすがラセッタ辺境伯。お前、噂通りのやり手だな」

 話し合いは終わり俺はみんなと握手を交わして別れた。



 

 

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