表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

11/40

第011話 日本の神宝


第011話 日本の神宝


 昨日の修行も大変だったけど。

 それにしても疲れをとろうと思ってお風呂に行ったら、お風呂に入る時にお風呂に塩を入れたり、塩入りのお湯を頭からかぶれって言われたり、何やら気味が悪い。

 疲れがとれたんだかどうなんだか微妙だわ。



 今日の夕方は神社の宮司の安倍さんが先生として神社の基本を教えてくれるそうだ。


 安倍さんは汗を拭きながら説明を始めた。

 「サクヤさん、アリアさんは三種の神器はご存じですかな?

  三種みくさ神宝みたからとは勾玉と鏡と剣で構成されております。

  別名では三品の御宝とも呼ばれていました。

  チャネリングをより高度に理解するためにもどういったものか古代の示唆をご説明しましょう。


  昔は三種の神宝の内の、鏡は左の羽、剣は右の羽と言われており、三人に分けて引継ぎをされておりました。

  左大臣の鏡臣は国政のあり方を示し、行政の舵取りをする役割でした。

  右大臣の剣臣は不正を枯らし、収穫である実りを適正に分配する役割でした。

  この三人で三位一体となり国政をまとめ上げていたと聞きます。

  この三種の神宝の引継ぎを受けて神々に感謝を報告する儀式をされていました。

  昔の儀式は香木、花飾り、八幡やはたなどで飾ったようです。

  民のことが大御宝おおんたからと呼ばれていた頃は、民にもこの宝物殿が公開され、皆が拝んでいたと聞きます。

  三種の神宝は、朝廷の南北の分離や、公家と武家の覇権争いなどの影響で、形代かたしろと呼ばれる複製が多く作られました。

  そして時代とともに所有者も点々と引継ぎされる中で何度も遺失し、我らの神宝こそが複製元の本物だと主張する声が増えていきます。

  こうして三種の神宝は、当初の宝物殿が公開されていた時代からは考えられませんが、人命にかかわる危険な呪物として、所有者ですら誰も視てはいけない秘宝へと変わっていくのです。



  まずは勾玉です。

  勾玉は、宝司玉または神霊、日玉ひたまとも呼ばれています。

  勾玉は2つで1セットとなり、陰陽のマークの形状をしていますが、魂の陰陽をあらわします。

  勾玉は、古い漫画に出てくる幽霊の人魂ひとだまの形状によく似ています。

  陰陽とは陽と陰が、世界の天と地、光と闇、男性と女性をあわらします。

  陽の太陽は天結あめむすび、陰の太陰は天八坂あめやさかと呼ばれていました。


  無意識下では光と闇は混然一体化したものです。

  「マインド」といいますか自我または思考により意識することで、光と闇は分離されます。

  陰陽マークは光と闇が分離されるものではなく混然一体化しているという真理を理解するための物です。

  陰陽は磁石で例えれば、陰はS極、陽はN極とも表現されます。


  勾玉は、円の部分の中央に穴があり、穴の周囲にはあまの太陽の模様があります。

  このあまの太陽の模様は、八弁放光文とも呼ばれ、海外の古代遺跡でも類似の模様が発見されています。

  この後の時代には六弁や十六弁などの派生形が増えていきます。

  ここで大事なのは「直日」という考え方です。

  神社の世界では「直日」はわざと言葉も意味も隠されてきましたが、ひっそりと存在しておりました。

  しかし、今の終末へと向かう時代には、いずれは解禁されて世間に一般化されていくでしょう。

  「直日」とは大元の光と一体化し、その光をまっすぐに受けているという意味です。

  大元の光とは真の神から発せられる光のことです。

  「直日」には表の光と裏の闇があり、その裏のことは「禍日」と言います。

  大元の光、つまり大元の神は光と闇の両方が混然一体化しております。

  したがって西洋的な意識的に善悪を二極化させた思想では大元の光を捉えることはできません。

  「マインド」を消して永遠のソウルと一体化し、究極の「直日」を目指さなければなりません。

  まずは「自我」を消して永遠のソウルと一体化し、究極の「直日」を目指すことになります。

  積極的な「荒魂」と受容的な「和魂」を陰陽マークのように螺旋状に回転させると、その姿はまるで駆け上がる2体の龍の如く回転しながら上昇し、エネルギーが昇華して「直日」に力を与えます。

  この「直日」で、3次元の地上世界から次元のベールにブラックホールの穴をあけるのです。

  勾玉の陰陽を組み合わせた8の字のような無限マークというものは、次元を天地回転させることで永遠に繰り返すことを意味する文字なのです。



  ちなみに人の魂とは、一霊四魂と呼ばれる、次の通り構成されております。


  ・直霊なおひ・・・霊体


  ・幸魂さきたま・・・運によって幸運を与える魂、愛、静かなやさしさ、心臓周辺


  ・奇魂くしたま・・・奇跡によって幸を与える魂、智、知恵、冷静な判断力、下垂体周辺


  ・和魂にぎたま・・・平和的な魂、仁、思いやり、親、高潔さ、膵臓周辺


  ・荒魂あらたま・・・荒ぶる魂、勇気、積極的に進む力、尻周辺


  そのうちの積極的な荒魂と受容的な和魂を陰陽マークのように回転させます。

  その姿はまるで駆け上がる2体の龍の如く回転しながら上昇し、エネルギーが昇華して「直日」に力を与えます。

  4つの魂が調和し融合すると食べ物も睡眠も不要となるのです。

  余計な「マインド」を捨て善悪合わせ飲む素直さを持ち、裏表なく極限の正直となることこそ極意。

  ここまで言えば今なら何を言いたいかわかりますかな?


  ちなみに勾玉はネックレスのように首にかけますが、玉、菅玉、勾玉、中日、太玉の5つの玉で構成されております。

  このネックレスを机上に置くと、正確な年間の暦や季節、そして星の運行を見ることが可能です。

  これは作物の種植えの季節、収穫の季節などを統括する指導者にとって非常に重要な物だったとも言えます。

  少し話が逸れますが、さきほどの四つの魂の構成比バランスによって人の性格がおおよそ決まると言われております。

  家族や知人の性格も四つの魂の構成比を紙に書いて比較して見ると客観的に把握出来て面白いでしょう。

珠もクリスタルも使う者の如何によって大きくその性質が変わるものです。

  使い方によっては自らにも危険を及ぼすものです。


  さらに究極の宝としては「瓊矛とほこ」と呼ばれる宝があったようです。

  これは天地創造をするほどの力があった神々の根本原理を象徴するものであったとか。  

  とはヲシテ文字のの教ゑのことで、国政を担う君主が必要とするあらゆる内容を網羅した書物で「天なる書」とも呼ばれていました。

  これはの根本であり「カグの書」とも呼ばれ、歴代の神々が書き溜めた聖典とも言われております。

  これは三種の神器の勾玉と共に引継ぎがされていたようです。

  矛とは逆矛のことで君主として悪に立ち向かう意思を国民に示すためのものです。


  類似したものであめ沼矛ぬぼこはご存じでしょうか。

  これは日本創成の古文書に出てくる神宝で、心の御柱みはしらとも関係があると言われております。

  この仕組みを簡易的に表現したものが天津あまつ金木かなぎと言われる神宝です。

  この天津金木は天地開闢の流れを表現することが出来る神宝だそうです。

  宇宙創造の時代の螺旋階段上の渦巻の構造を理解していれば何か本当の意図が理解出来る日も近いのかもしれません。


  大いなる真のの教ゑをのことを、大和やまとと言います。

  また、真瓊まとのことは日のひのもととも言われており、大日本とも言い換えられます。

  これが今の日本の国名の由来です。

  ちなみに大和という名称は大和飛鳥など地名との組み合わせでも使われていたようです。

  また、大日の山とは富士山のことを指します。

  諸外国では大和の国を邪馬台国などと書いたようですが、自然災害の影響で阿波から飛鳥へ移動し平安へ至る過程で、諸外国の認識も変わっていったようです。


  世の中が真の理想を求めて動く時、すなわち秀真ほつまなる時に、これらの三種の神宝とが自らが集まって一体となり、最高の人物を選び出して君主に据えるとの伝説があります」


 日本の国名の由来なんて考えたことも無かった。

 何千年も続くものには、それなりに人々の壮大な想いが詰まってるんでしょうね。

 それにしても今日は暑いな。



 安倍さんはさらに汗を拭きながら説明を続けた。

 「次に鏡です。

  鏡も2つで1セットとなり、陰陽で対になります。

  昔は日之御鏡ひのみかがみと呼ばれていました。

  男性の日の円鏡は、日輪に16筋の光明をしるしました。

  女性の月の八角鏡は、月輪に53模様の雲の形をしるしました。

  八角花形の鏡は、内侍所の御鏡、または日月の鏡とも呼ばれていました。


  既に自分自身の永遠のソウルが真の神との説明を聞かれて理解をされていると思われますが。

  三種の神器の鏡とは神をあらわすものと言います。

  鏡には、鏡を見る時には神を見るがごとくせよと古代の神代の文字で記載があります。

  そして鏡とは自分自身を映す物。

  ここまで言えば今なら何を言いたいかわかりますかな?


  さらに鏡は自分自身の映し絵でもあります。

  全ては「波動」であり、その者の「波動」によって全ては構築されております。

  実物が美しければ、鏡の映し絵もまた、自ずと美しく映るのです。


  ちなみに鏡は月の鏡が神事用に舟形の御船代みふねしろの中に保存されております。

  なぜ舟形なのか分かりませんが、どこか遠方から船で運ばれてきたことを意味するのでしょうか。


  ところで、有名な月の鏡の対になる太陽の鏡も別に存在しております。

  陽の太陽は日章または日タマルとも呼ばれております。

  陰の太陰は月とも言いますが、八咫やたとも呼ばれております。

  日本の国旗は太陽ですが、菊の形の御紋で表現されることなどもあります。

  この太陽のシンボルマークは、古代文明の南東の大陸の後期の王国にあったものと類似しております。

  世界の国旗は日本からの時差の距離により朝日、夕陽、月などに遷移していることにはお気づきでしょうか。

  古代においては聖地の日本が世界の中心であることが国旗によっても表現されていると言えましょう。

  世界中の遺跡の遺物に、このシンボルマークが発見されるのも偶然ではありません。

  興味がある方は中東の博物館の展覧会が来日したら探してみると面白いでしょう。

  王家に伝わる遺物に黄金の紋章がみつかるはずです。


  少し話が逸れますが、この鏡が使われていた時代に日本人の約80万人の男性の伸長を計測して、その平均値を一坪という単位にしたそうです。

  これを八等分した単位をという単位にしたという説があります。

  現代の尺度ではおおよそ20cm程度のようです。

  日本人の男性の平均身長が八咫という長さだとするならば、八咫とは日本人の国民そのものを表しているとも考えられるでしょう」


 さらっと言ったけど、国旗ってたしかに西に進むにつれて太陽から夕陽になって月になっている気がする。

 日本の国旗にそっくりでも、何でオレンジで夕陽みたいなんだろうって思ってた。

 そう言えば、月がいっぱいある国旗もあるわ。

 何でこんなことに今まで誰も気が付かなかったんだろう。



 安倍さんは水を飲んでから説明を続けた。

 「次に剣です。

  剣も2つで1セットとなり、陰陽で対になります。

  日之御剣ひのみつるぎと呼ばれていました。

  陽の太陽の剣は、天日玉あめひたまとも呼ばれています。

  陰の太陰の剣は、出雲の国のある村から出たことで、室雲むらくもの剣とも呼ばれています。

  むらは、現代ではむらに文字が変わりました。


  また、剣はヤマタノオロチから生まれた物。

  オロチとは龍をあらわします。

  日本を統括する龍と言えば、もう何かわかりますかな?


  そう、日本創成期に重要な役割を果たされた龍神のことです。

  現代の日本人は龍神の教えをほとんど見失っております。

  しかしながら日本人は龍神と共に「直日」の純粋性を守ってきた者でもあります。

  今こそ時代は「直日」を必要としつつあります。


  ここまで言えば今なら何を言いたいかわかりますかな?


  ちなみに剣は、やや太く短めの剣で現代ではしゃくと呼ばれる儀式に使用する物の原型に近いのではないでしょうか。

  また、剣には世界地図が書かれておりますが、聖地の日本が当時の世界でどういった位置付けだったのか垣間見れるでしょう。

  世界地図が遠目では雲のように見えることから叢雲むらくもと呼ばれる所以だと言われております。

  この時代の剣には神代文字で言霊が書かれているのも特徴です。

  鏡も剣もヒヒイロカネという永遠に腐食しない金属が使われていると言われておりますが、今風に言うとオリハルコンとでも呼べば良いでしょうか。

  このオリハルコンの剣は、昼は白銀色で輝き、夜には炎のように輝く、非常に美しい剣だと伝わります。

  また、強い御神気を放ち、手をかざすと不思議な熱気や冷気を感じるようです。

  残念ながら材料のオリハルコンは鋳造技術を失った後に全て底を尽いてしまったようです。

  このオリハルコンは隕石の隕鉄で作られた流星剣とも混同されがちですが全く別物のようです。

  草薙くさなぎの剣は、草のようにむらがる敵をなぎはらった剣という意味が、後世に加えられたという説があります。

  この話は九州を中心とした勢力が東征する際の物語にも、草に例えた表現があります。

  当時の敵とは、日本の土地に古代から住む古い部族の人々を意味するため、あまり良い表現とは思えません。


  他にも公開されていないのか失われたのかは詳細不明ですが、神宝には御神骨像や、御紋章、神代文字で書かれた宝の巻と呼ばれるの古文書、神の瓶などもあったようです。

  御神骨像は、神に仕える要人が亡くなった後に、後継者が御神骨で像を作り、呪文のような言霊の神代文字を彫り込んだ像です。

  御紋章には、花弁が16枚彫られ、上が北を示し、各方位にある国家の国王や王女の名前が神代文字で彫られていました。

  この御紋章は、万国が同じ連邦の仲間であることを示し、各国に授与されたようです。

  古文書には重要な秘儀や歴史が書かれていたとも言われております。


  また、他にも古代の神の宝と言えば、十種とくさ神宝みたからと呼ばれるものもあるようですな。

  これも鏡、玉、剣、ひれで構成される物ですが、星座と強い勢いを持つ星の形で、かなり強力な力を持っているそうです。

  剣の中には叢雲むらくもも含まれているので三種の神器と一部が重複しているのかもしれません。

  病を治したり、人の迷いや欲望を祓ったり、神との交信や航海に使う物、心を読み取る物、そして死んだ者を生き返らせる物まであるそうです。

  まずは、言霊で、と数えます。

  そして、この宝をただゆらゆらと振ると、魂の振動も一緒に揺られて、死者も蘇るほどの霊力を得られたとか。

  これを「魂振り」と言って、「振ゆ」とは「ゆ」の意味もあり、やす効果があるそうです。

  もし実際にご覧になりたいようでしたら関西の古い神社のお祭りに参加されると良いでしょう。


  その他にも国宝の宝としては「フトマニ」と呼ばれる金色の棒があったようです。

  これは元元明け(もともとあけ)と呼ばれる真の神がおられる場所とつながり、お言葉を降ろすことが出来る驚くべき宝です。

  昔はこの棒を使って特定の一族だけが圧倒的な占いを生み出したとか。

  他の者にはとても扱えなかったようです。


  ちなみに神々が記された「フトマニ図」には円周上に配置された天並8神と、その外周には16神×2周で32神が記載されております。

  この8×16で128通りの組み合わせとなりますが、これに31音の占い歌をあてた歌集も同じく「フトマニ」と言われております。

  他にも関西の古い神社には「フトマニ」と呼ばれる古い柱があるようです。


  いやはや日本には驚くべきお宝があるものですな。

  過去に神宝を門外不出として封印し非公開にした理由も、神勅により外部勢力による破壊や簒奪、弾圧から長期間守る目的だったようです。

  世間で有名な月の神器と対になる、太陽の神器はどこへ隠されているのか。

  神宝は必要とする時が満ちれば喪失したように見えても必要とする者の元に現れるという言い伝えがありますが、真実であれば再び世に現れる日もあることでしょう」


 三種の神器って政府のどんなにエライ人でも見てはいけないってテレビで見た気がするけど、何で知っているんだろう。

 しかも、メチャメチャ具体的だし。

 それにしても失われた太陽の神器ってトレジャーハンターとか映画の脚本家が好きそうなネタね。



 少し話が外れますがと言いながら安倍さんは話を続けた。

 「三種の神器の入れ物となるものは、神社の祭りで使う神輿の大元となった物です。

  神輿とはご神体を安置してかつぐ輿と言われております。

  神輿の箱は、古代文明の西の大陸の子孫たちが製作に関与しており、西の大陸にあったマキシンの神の火の機能や、ピラミッドにあったイニシエーションを促す機能などを持っていたと言われております。

  他にも神輿の箱には神々から叡智を授かるための通信機能もあったようです。


  ある時代に遥か西の彼方から神と三種の神器を神輿で日本へ運んできたと言われております。

  この三種の神器とは日本のものとは別物で、石板2つと、壺、伝説の杖で構成され、永く石櫃に強い力で封印されております。


  2つの石板は12の戒めが書かれていますが、現代に伝わる10の戒めは重要な2つの戒めが消されています。

  その1つは邪神崇拝の禁止と偶像崇拝の禁止ですが、もう1つは自分がして欲しくないことを他人にする行為の禁止です。

  これは簡単なことのようですが、黄金律と呼ばれ、歴史を根本から変える影響があったのかもしれません。

  他にも日本の神代文字で書かれた古文書によると戒めには表の戒め以外にも、裏の10と、真の10があったと書かれていたようです。


  壺は古墳のモデルになったと言われているデザインのものです。

  古墳は教科書の写真では鍵穴に見えますが、上下が逆さまです。

  前方後円墳とは、前方が方形で、後方が円形だと言う意味です。

  円を下にすると壺型に見えると思います。

  この壺では食料の長期保存が可能だったようです。

  ところで埴輪が作られた理由は、ご存じでしょうか。

  権力者が亡くなった時に、従者や馬などを一緒に埋葬する風習を廃止するために埴輪が作られました。

  この埴輪の風習は東アジアでは兵馬俑などと呼ばれていますが類似した風習になります。


  伝説の杖は今では朽ちており、かろうじて形が確認出来るものです。

  杖の先には「偉大なるクリスタル」がついていて、進むべき方角に先を向けると光を照らしたようです。

  また杖で植物の近くの地面を叩くと水が湧きだしたとか。

  杖を引き継いだ者の子孫の一族は、今でも必要となるべき時代が到来するまで秘密を守っていると聞きます。

  伝説の杖にはその人物の名前を冠することがあるのは、そのためです。

  杖は後世では燭台のように飾り、神の祈りの場に使われたそうです。


  神輿の箱は瀬戸内海沿岸の富士山のような山に封印されたとの伝承です。

  宝を示す尖った岩が指す方角を探せば山は見つかるとは言われております。

  ただし、その尖った岩がそもそもどこにあるのかと言う話ではあります。

  その山の近くには天に昇天する光の柱が十数年に一度の周期で天に向かって立つと言われております。

  この山は大きな神宮とは直線で結ばれており、当時は三種の神器のような鏡と、さざれ石を使って光通信をしていたと言われております。


  神輿の箱は過去に何度か私利私欲で悪用されて、神罰で王国ごと滅ぼされた伝説があります。

  困ったことに、この神輿の箱は、人間では破壊不能な硬度のオブジェクトです。

  また心が汚れて誠意が無い者が神輿の箱にさわると、即時で心肺と脳が停止して霊界に召還される呪いが発動します。

  恐れた人々によって何度も封印されました。

  ただし古代の神輿はピラミッドの地下に封印されているという説もありますので真実は詳細不明です。

  古代の神輿を守るために自動で動くセキュリティシステムが周囲に設置されているという話すらも聞きます。


  そこまでして古代の神輿を守る必要があるのは、古代の神輿からアンクと呼ばれる本来の特殊な形状をした十字架にエネルギーをチャージすると、反重力や医療など様々な用途に使えたと言います。

  また天候を操作したり、地球の周囲にある電磁気で創られた格子状のグリッドを操作する機能があるという説まで存在するのです。

  いずれにしてもピラミッドの地下には、人類に隠された歴史を思い出させるための仕掛けがあるとか。

  西の大陸が沈んでピラミッドを封印した時代に、アンクと呼ばれる物は全て回収されたようです。

  ただし古代の神輿の中に一部分だけ残してあるとか。

  またピラミッドにあった他の惑星へのスターゲートとしての機能も同時期に封印されて機器も回収されたと聞きます。

  頂上のキャップストーンが外されていることと関係しているのかどうかは分かりません。


  他にも瀬戸内海沿岸の地域には、様々な世界の神々にゆかりがある神社や遺跡がありますが何を示しているのか。

  瀬戸内海沿岸の富士山のような山は日本の神々の聖地なだけではなく、世界の神々にとっても聖地だということです。


  ただし、この山は平安の時代に、周囲を仏の結界による封印で封じ込められております。

  仏の結界は人々の祈りの力を時計回りに祈ることで持続される仕組みです。

  わざわざ神々の国に仏を取り入れて、さらには結界で封印する意味とは何かわかりますかな?

  結界の封印で封じ込めているとは言いますが、実際は1千年以上もの間の膨大なエネルギーを貯めております。

  この膨大なエネルギーは逆回りに祈ることで一気に解放することが可能と言われております。


  ある水の女神が、地上世界に穢れが満ちた時に、人々の祈りで天にある岩の戸を開き、女神の象徴となる水の力で全ての穢れを洗い流した。

  こうした言い伝えはご存じでしょうか?

  古代文明のように文明が業想念と呼ばれるものの蓄積で行き詰った時に起きると言われております。

  最近の言葉では、リセット&リスタートとも呼ばれているものです。

  ちなみに関西の瀬戸内海沿岸には神のとびらを意味する地名がありますが、何故そんな名前をつけたのかお気付きですかな?


  ちなみに仏の結界で封印した時には、同時に水と祓いの女神の名前も封印されて隠されています。

  現代では、この女神はあまり有名ではないかもしれません。

  ただし祭神の名前からは失われても、祝詞には残っておりますので、有名な神社でご祈祷を受けると名前が聞こえてくるでしょう。

  重要な神の名前は人々に必要とされ続けたということでしょうか。


  ある時代の権力者が名前を奪った理由は女神の力を溜めるためです。

  岩の戸を開ける日が近づくと、隠された名前も解禁されて、徐々に知られると言われております。

  ある神宮でも本殿ではなく、別の場所に隠されているようです。

  リセット&リスタートなどというものは真の意味を知らなければ災害そのものに見えます。

  昔の人々が恐れたのも無理はありませんが。


  女神は名前を隠されても、人々から存在を忘れられないように、様々な昔話として童話に残されました。

  天の川の話、月に帰る姫の話、月の白ウサギの話などご存じでしょうか?

  最近では大ヒットしたアニメの映画などにも岩戸を開く物語や、神の名前を奪う物語があったでしょうか。


  神の名前は、神を呼び出すためにも必要です。

  神の名前を封印して人々が忘れ去るということは、神の力を封印することになります。

  名前には重要な意味があると言うことがお分かりでしょうか。


  地上を彷徨う地縛霊なども時間の経過で人々から名前を忘れられていきます。

  名前を忘れると想像による創造が失われ、形を失います。

  神の名すなわちカムナを呼ぶ言霊は、神そのものを想像して創造することになるということです」


 何かそんなアニメ見た気がするわ。

 あれも何かの神さまのインスピレーションを受けているってことかしら。

 関西の地名って、たしかに明らかに他の地名と違って違和感ある名前よね。


 いやはや、今日も日本の歴史の創成期まで遡るスゴイ重い話だった。

 でも最初の頃と違って説明の内容が、すごく合理的に感じるのが不思議だ。

 少しづつ知識がついてきたんだと思う。



 日が暮れて夜空になってきた。


 安倍さんと入れ替わるように巫女の平さんがやってきた。

 「サクヤさんもアリアさんも、かなり「波動」が上がって改善してきておりますな。

  今日は良い満月ですので、そろその月の民ともつながってみますかな。

  それでは今日は夜ではありますが、外に出ていつもの瞑想を始めるとしますか」


 私は、いつもの外の庭の地面の上であぐらで座りながら瞑想の準備を始めた。

 夜まで瞑想させられるなんて、いったいなんの意味があるんだかわからないけど、綺麗な満月が夜空に輝いていて美しい。



 平さんが今日の修行の説明を始めた。

 「今日はいつも通り「マインド」を黙らせた後に、月に意識を集中して月の民に向かって語りかけてくだされ。

  目標が目に見えてあるのは少し勝手が違いますわな。

  少し難しいやもしれませぬ」


 とりあえず瞑想に集中するまで夜空をぼーっと眺めている。

 しばらく月を眺めながら瞑想の準備運動をしていると、ふと満月にウサギがいるって言う話を思い出した。

 満月にウサギの模様が見える気がする。


 平さんに聞いてきた。

 「満月にウサギがの模様が見えるですけど」


 平さんは空を眺めながら目を細めて答えた。

 「はるか昔の月詠の民たちは月を眺めて世界のことわりを知ったと聞きますわ。

  占星術は占いでも天文学でもありません。

  惑星には魂があり、エネルギーが循環していると言われとります。

  占星術では地球を含めた惑星自体の生命の循環から、おおまかな流れを予測することが出来るのですわ。

  現在を決めると過去と、未来が両方変わると言われとります。

  つまり占星術とは未来の予測から現在を決め、結果として未来をも決めるという重要な仕事になりますな」


 平さんは続けた。

 「今の月は二代目だと言う話がありますな」


 それって、どういうこと?


 平さんが言うには、神社で伝わる古い言い伝えでは、こう言うことらしい。

 「はるか昔に、月は2つあり、地球の周囲を楕円軌道で周回しておったらしいですわ。

  衛星は、惑星の成長期では惑星に必要な材料をたくさん集める役割があるようですな。

  次第に原子と電子のような関係になって、最後には活動を終えて重力も停止するとか。

  惑星や衛星が寿命を終えると重力が次第に弱まるようですわ。

  ある時、地球の近くにあった太陽系の惑星が爆発し、その衝撃波の影響で軌道がズレた2つの月が衝突して砕け散ったようです。

  片方の月は爆発した惑星とともに小惑星帯で小惑星となり、もう片方の月は海王星の近くの小惑星になったと言い伝えがあります。

  月を失った地球は異常気象になり、とても人が地表に住めんぐらいに不安定になったようです。

  この状況をなんとかして地球を安定させるために、神々が木星付近から来たすい星を地球に最接近させて、その流れで新しい月を誕生させたと言います。

  月が地球には常に同じ月のおもて面だけを見せて裏側を見せない変わった動きをしているのもその当時の名残とか。

  月が回転せんのは惑星のプラーナのエネルギー循環をさせるチャクラの活動を実質的に停止しとるからのようですな。

  月が地球に近づいたり離れたりで、地軸が傾いたり、地震が起きたり、潮の満ち引きも起きるようですわ。


  地球は月が移動してきてからは気候が安定したり、海面が上昇したり、重力が強くなったりで今みたいなったそうですな。

  重力が強くなったせいで恐竜のような大きな生物は生きられなくなったと聞きます。

  今では大気圧で1平方メートルあたり約10トンもの負荷がかかっていますからな。

  逆に生身で宇宙に出れば膨張して爆発するぐらいと言えばどれだけか分かりますかな。

  月にウサギが住むという話も、そんな当時の神々の伝説と何か関係があるのかもしれませんな」


 それにしてもそんなものがあるなら何で今まで誰も気づかなかったのかしら。

 そう言えば、昔の童話には月にはお姫さまがいたり、ウサギがいたりするけど、まさかそんな裏話があるなんて思いもしなかった。


 思い直して、もう一度あぐらに座り直して瞑想を続けることにした。

 いつもの通り必死で左の脳でおしゃべりしている「マインド」というか自我を抑え込んで、月に向かって語りかける。

 次に目を強く閉じて眉間にエネルギーを凝縮させるイメージをしてから、目を開いてひし形のビジョンがどんどん迫ってくるイメージのトレーニングを続ける。

 目をもう一度閉じても残像でビジョンが迫ってくるようになるまで練習を重ねる。

 眉間には「松果体」のクリスタルとつながる第三の目があるらしい。



 しばらくすると、キーンとした耳鳴りの次に、急に寒気がして鳥肌が立つ。

 何これ? 

 猛烈に右の脳が疼くし、頭の中がゴボゴボと血流が流れていくような奇妙な感覚が頭の中で起きていく。

 気持ちが悪い。


 瞑想して目を閉じているのに、急に目の前が明るくなってきた

 少し目の先あたりに白い小さなテレビモニターのようなものが見える感覚がある。

 ただし、ちょっといつもと少し違うかもしれない。

 聞き取れない言語の洪水の中が過ぎると、ビジョンを一気に送り込んできているみたいだ。

 びっくりして思わず目を開けてしまった。

 なんだったの、今の現象はいったい。



 思わず、平さんの顔を見た。

 平さんは、こちらの様子を見ながらこう答えるように言った。

 「どうやら宇宙人の思念が聞こえたようですわな」 


 平さんは、続けてゆっくりと語りだした。

 「地球に来ているような宇宙人は、地球人よりも「波動」が高くて神々に近い存在なんですわ。

  ただし、物質世界の宇宙人も、もちろんおりますがな。

  物質世界の宇宙人では宇宙を自由に長距離移動出来ないんで、宇宙人がいる惑星の近くまで会いにいかないと普通は会えませんわ。

  数百光年も遠く離れた地球まで自由に宇宙を移動出来るような宇宙人は、霊魂体に近い存在と言った方が良いでしょうかな。

  完全な霊体の者も、もちろんおりますがな。


  「波動」が高い者からは低い者が見えますが、逆は見えません。

  昔の人には宇宙人が見えとったんですが、現代になってから宇宙人がなかなか発見されんのは現代人の「波動」が低くなってしまったのが原因でしょうな。


  それは食習慣や生活習慣の変化が原因だとは思いますわ。

  それに現代人は、バタバタと時間に追われて暮らしとるでしょう。

  どうしても「マインド」が強くなりすぎて、神さまの声に耳を貸さんようになってしまったのは仕方がないことですわ。

  巫女修行をして「波動」が上がってくれば、遠く離れた宇宙人の思念が普通に聞こえるようになりますわ」


 こんな話は、ちょっと前だったら冗談にしか聞こえないけど、さっきの映像を思い出すと寒気がする。

 怖いんだけど不思議と未知のものへの好奇心でワクワクしている自分がいる。

 大丈夫じゃないけど、このまま進めても大丈夫なのかしら。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ