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言葉は、血のように口から零れていった。
ドロリと溢れ、口元を伝うように滴って、吐き捨てられたかのように地面に零れた。
ポタポタと音を立て、痕跡を残していく。
上手く呑み込めない言葉は止め処なく溢れていく。
汚い言葉も、綺麗な言葉も混ざって、混沌としている。
ああ、醜く、美しい言葉が、足元を埋め尽くす。
言葉は足に絡まり、この場に縫い付けようとする。言葉は止む事を知らない。
生きている限り、言葉は紡がれる。
死んでも、他の人の言葉で埋め尽くされる。
降り積もるように、溢れるように、言葉は消える事を知らない。




