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ジワジワと蝉時雨がやまない。
聞いているだけで暑さが増しそうだ。
けど、実際は暑すぎると蝉は鳴かなくなる。
それこそ、この世界が地獄の業火で焼かれたような暑さになっているからなのかもしれない。
それでも生き続けるのは人間が犯した罪を償う為なのかもしれない。
『今』を作ったのはある意味で人間で、『未来』を壊していくのも人間なのかもしれない。
ああ、なんて罪深いのだろう。
この罪はきっと洗い流される事はない。
子々孫々と続いていく罪は誰も彼もが背負わなければいけないのだろう。
罪を感じながら、今日も生きていく。




