85/150
85
これは私が見つけた小鳥よ。
私が大切に大切に守ってきたの。
この子は私の側から離れないでいてくれている。
なのに、誰も彼も、この子を見る度に欲しがるの。
ダメよ、あげない。私だけの小鳥なの。
鳥籠に閉じ込めて、誰の目にも触れないようにしてしまいたい。
けど、それは可哀想。
だから偶に扉を開けてあげる。
それでも、この子は私の周りから離れない。
それが分かっているから、何度も仮初の自由をあげるの。
けど、覚えておいて?
もし、あなたが私の側から離れるようなら、この手で――。




