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しとしとと雨が降るのを窓際から眺めていた。
いつもは騒がしいBGMも今日は静かだ。
しっとりとした雰囲気に静かな雨音。邪魔をするものは何もなかった。
ゆっくりと時間が流れる。
そんな中、鮮やかな色が私の目に飛び込んできた。
静かな中には落ち着いた色ばかりでよかったのに、その鮮やかさは私の静かな世界を壊した。
くるりと回る傘、楽しそうに口遊む歌、機嫌の良さそうな笑顔。
どれもこれも、私の神経を逆なでた。
私はそれを嫌うように背を向け、耳を塞ぎ、目を閉じた。