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もし、私の忠誠心を疑うというのなら、貴女の血で満たした杯を飲み干しましょう。
それでも足らぬというのなら、この手も足も差し上げましょう。
それでも足りぬのなら、この体の全ても、魂さえも差し出しましょう。
私はお前が嫌いだ。
忠誠心など私は要らなかった。
その証明だと言って、毒である私の血を躊躇いもなく口に含もうとするお前が嫌いだ。
その手足を私に渡すと言っても、それで抱きしめてはくれないのだろう?
そんなもの、要らない。
その体も魂もと言うが、それならば、現世で私を愛し、来世でも私を愛してくれるか?
愛をくれないくせに、他のものだけ渡そうとするお前が心底嫌いだ。
だから、『忠誠心』という名の偽りの心など要らない。