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正当な評価。
そんなもの、誰が決める権利があるのだろう。
誰も彼も、その人を正確に把握し、全てを知り得ることなんてできやしない。
それなのに、世間というのは人を評価したがる。
そんな世間は一体どれほどの権利を持っているというのだろう。
人間というものの集まりで、互いに評価し合い、自分を貶められる事を恐れ、取り繕い合う。
何て愚かしいのだろう。
それを傍観していれば、まるで変人扱いだ。
自分達で作ったコミュニティーに入らないものはどうやら受け入れられないらしい。
そうやって弾き出し、悪者にする。
そして、自分達が正しいと言わんばかりだ。
そんな人間というものには反吐が出る。
私はお前達に弾き出されたんじゃない。私がお前達を捨てたんだ。そう言ってやりたくなる。
だが、その言葉を浪費する事すら馬鹿馬鹿しい。
だから私は今日も口を閉ざした。