59/131
59
いくつもの命が散ろうとも、大量の血が流れようとも、この戦いは終わらない。
自分は「この戦いを終わらせる為にこの命を散らすのだ」と言った人も戦いを終わらせることはできなかった。
只々、その様子を見ながら、私はごめんなさいと謝る事しかできなかった。
仮初の平和の中で生きた私の近くでは一体どのくらいの血が流れ、どのくらいの命が散ったのだろう?
耳を塞いで、目を閉じて、叫ばないように口を閉じた私は、あとどのくらい逃げるのだろう?
私はただただ無能で謝る事しかできなかった。