4/139
4
ふわふわで可愛い砂糖菓子。
滑らかで甘い香りのする生クリーム。
少しだけ甘酸っぱいベリー。
どれも私にとってはキラキラし過ぎていて、似合わない。
だから私はいつもブラックコーヒーに、甘さの欠片もない物だけを外で食べる。
その姿を見た人は皆、「イメージ通りだ」と言う。
どうやら、人から見ると私には甘くない物が似合うらしい。
だからだろうか、手土産とかの菓子を私に渡すのをみんなが躊躇うのは。
本当に好きなものを好きとは言えない。
今日も私は一人で誰からも見えないように隠れて、泣きながら甘い物を食べる。